Q 馬の長寿記録を知ろう
 馬の寿命あるいは長寿記録を教えてください。(兵庫県、自営、男性)
A
 世界の馬の長寿記録は、ギネスブックによると1760年英国で生まれた中間種の馬が記録した62歳という ことになっています。日本のサラブレッドの最長長寿記録は5冠馬シンザン(1962年生-1999年没)の35年3ヶ月11日といわれています。もし、こ れ以上のことを知っている方がおられましたら、本学会事務局へご一報ください。(回答:楠瀬良、馬学専門家)
(追記)
 2012年1月23日に、筑波ライディングパークインターナショナルの山内堅志さんから、長寿記録の申告がありました。馬は、筑波ライディングパークインターナショナルで繋養されているマリージョイ(競走馬名:スインファニー)です。同馬は、1976年3月16日生まれ、アングロアラブ、牝、芦毛、父:ダイリン、母:トネチドリです。1月末現在で、35年10ヶ月を経過しており、同馬はサラブレッドではありませんが、競走馬としてはシンザンの長寿記録を超えております。

 

(総研HP担当:石田信繁)

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Q 用語の読み方
 お尋ねしたいことがあります。普段は馬とは関わりなく過ごしていますが、ボランティアの音訳(目の不自由な方のために本を読んで録音する)で、今回寺山修二の「書を捨てよ、町へ出よう」を担当し、その中に出てくる馬関連用語の読み方がわからず、困っております。関心のある方にとってはそんなに難しいものではないのでしょうが、いろいろ調べてみても 読み方がわからないのです。ご多忙とは存じますが ご回答くだされば 本当にうれしく思います。
 伝貧  伝染性貧血のことと思いますが denbin か denpin か?
 馬房  まぼう か ばぼう か?
 軽半  かるはん か けいはん か?
 父馬  ちちうま?
 母馬  ははうま?
 馬舎  うまや?
 社台ファーム  やしろだい?
 女馬  めば?
以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
A
 特殊な世界の特殊な用語ですが、ご指摘の単語の件にお答えします。これらの単語の中には絶対これだと言える答えではありませんが、当方の考えを述べます。
 
伝貧  伝染性貧血のことと思いますが denbin か denpin か?
   →「うまでんせんせいひんけつ」略して「でんぴん」です。
 
馬房  まぼう か ばぼう か?
   →「ばぼう」です。馬を収容する部屋、を指します。
馬小屋というと、1軒の小屋をいいますが、馬を一頭ごとに収容するために仕切った部屋を馬房と言います。
 
軽半  かるはん か けいはん か?
   →「けいはん」と呼びます。馬を体格に基づき「重種」と「軽種」とに区分する呼称がありますが、その「重種」と「軽種」をかけ合わせた種類を「軽半血種」、略して「軽半」と言います。また、「重種」とは荷役用の大型馬を指し「ブルトン」「クライスディール」などの種類が有名です。「軽種」とは、主に競走用に改良された軽快な動きをイメージした種類で「サラブレッド」や「アラブ」種が有名です。同じくイメージによる表現ですが「重種」を「冷血種」、「軽種」を「温血種」と表現されることもあります。
 
父馬  ちちうま? 母馬  ははうま?
   →父馬、母馬はそのまま「ちちうま」「ははうま」と読んでいいと思います。「性」を表現する方法は、いろいろと使い分けされています。雄馬(おすうま)、雌馬(めすうま)が一般的ですが、専門用語として牡馬(ぼば)、牝馬(ひんば)と表現します。また、せり市場等で大衆に紹介する時は、父(ちち)○○号、母(はは)△△号と表現します。これは音声による混乱を避ける方法だと思います。同様に、話し言葉として「ちちうま」「ははうま」「おとこうま」「おんなうま」等と表現しますので、話し言葉をそのまま漢字や原稿にしますと「父馬」「母馬」「男馬」「女馬」となると思います。寺山修二氏の本の中で、「父馬」「母馬」「男馬」「女馬」という表現が、話し言葉としての文章中にでてくれば、話し言葉を直接漢字にした表現ではないかと思われます。正確なところは著者に聞くしかありませんが・・・・。
なお参考までに、種馬(たねうま)、種牡馬(しゅぼば)、種雄馬(しゅゆうば)というのは交配をする雄馬(おすうま)を意味します。ここで「しゅゆうば」は発音上誤解を招く可能性がありますので、電話や会話の中で、「種牡馬」「種雄馬」をわざわざ「たねおすうま」ということがあります。牝馬(ひんば)の場合は「繁殖牝馬(はんしょくひんば)」「種牝馬(しゅひんば)」「種雌馬(たねめすうま)」等といいます。
 
馬舎  うまや?
   →「うまや」で結構でしょう。馬小屋に相当します。馬房(ばぼう)ではないと考えます。漢和辞典では「厩(うまや)」ですが字義に「うまや。馬舎」とありますので「うまや」と読ませるものと思います。
 
社台ファーム  やしろだい?
   →牧場の固有名詞で、「しゃだい」と読ませます。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q-1 トレッドミルの使用法
 私の働いている牧場には、ウォータートレッドミル(WTM)があります。機械操作の説明書はありますが、トレーニング方法や効果についての書物はひとつもありません。
 手探り状態で、とても不安です。もしよかったら、そちらで研究されたのもを見せてもらい、これからの競馬の発展に貢献したいと思っています。都合のいい話で恐縮ですが、いろいろ教えてください。よろしくお願いします。
A-1
 JRA では総研常磐支所(いわき市)で、馬のリハビリを実施していますが、肢への負担を軽減して運動を負荷するリハビリ法として、プールのほかWTMの使用があります。ここでの使用方法を、常磐の支所長に書いてもらいました。下記の回答を得ましたので参考にして下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 常磐でのWTMの使用対象馬は、馬場入り前のある程度リハビリが進んだ馬です。
屈腱炎や骨折に対するリハビリの流れは、
ウォーターウォーキングマシン(以下WWM)での常歩のみ
→曳き運動+WWM
→乗り運動+WWM
→乗り運動+WTMでの速歩
→乗り運動+調馬索での速歩+WWM
→乗り運動+馬場での騎乗速歩+WWM
→乗り運動+駈歩+WWM
となっています。
 ご覧のように常歩のみでリハビリしてきた馬たちが、初めて速歩をするのがWTMとなります。これは、長い間休んで常歩しかしていなかった馬に対して、水中運動を行うことで筋力の鍛錬を図る目的と、騎乗速歩に移行する前にできるだけ肢への負担を減らした状態で速歩を行う目的があります。文献上は、WTM内では馬体重の30〜40%が浮力で減じられるためです。速歩で前肢1肢にかかる垂直荷重は、馬体重の105.4%とされています。これを馬体重450kgの馬にあてはめると、
WTMでは浮力により約40%軽減されて283kg、
調馬索では騎乗者がいないため474kg、
騎乗速歩では騎乗者の体重が加味されるため、騎乗者の体重を70kgとすると546kg、
となることから、常磐では駈歩を実施する前に前述の3段階の速歩を設定して、徐々に肢への負担を増やすようにしています。
 以上が常磐でのWTMの使い方ですが、リハビリの一番最初の段階で常歩のみで使用することもひとつの使い方と考えます。螺子固定術(骨折整復の一手術法)後の間もない馬が初めて常歩での運動を始めるような場合です。実際、社台の山元トレセンあたりでは、このような使い方をしているようです。常磐でもこのような使い方をしたい気持ちはありますが、WTMは人手がかかり(常磐では職員2〜3名+担当きゅう務員)時間がとれないこと、稀にWTMに入る前や中で暴れる馬がいることから、現在のような使い方となっています。
 非常に簡単ですが、このようなかたちでよろしいでしょうか。いずれにしても、運動はさせたいけど肢に負担はかけさせたくない、という時には非常に重宝する機械だと思います。
 電話での問い合わせや見学希望があればお知らせください。できる範囲でお受けします。
 ひとつ付け加えるのを忘れていましたが、WTMでは前肢帯筋の活動が大きくなりますので、この部分の筋痛で跛行を呈しているような馬への使用は避けるべきだと思います。
 常磐では、WTMでのリハビリ開始後に、肩や脇周辺の筋痛を発症する馬が時々見受けられます。以上です。
Q-2 
 お忙しい中、ご返信大変ありがとうございます。とても詳しい説明、ありがとうございます。足に負担がかからないとしか聞いてなかったので、勉強になりました。これからの調教の参考にしたいと思います。
 あと、もう一つ聞きたいことがあります。水温は、どのくらいで調教していますか?
A-2
 水温は、冬場で28度程度、夏場は25度程度にしています。速歩までやるとけっこうな運動量になるので、ちょっと冷たいかなくらいでいいと思います。
 見学については、土日と祝日はWTMをやっていないので、月〜金で適当に決めていただいてけっこうです。よろしくお願いします。

( 常磐支所 伊藤 幹 )

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Q 馬の義足 2003.12.2
 はじめまして,私は以前は装蹄師を目指して弟子入りしておりましたが,学校に入る前に身体的理由により諦めました.今現在は,義肢装具士になるべく専門学校にて勉学に励んでおります.昨年「キリンの義足」が話題となりましたが,どうにかサラブレッドにも予後不良以外の選択の道ができないかと真剣に考えております.獣医学も専門的に学んでおりませんし,仮にも装蹄師として3年弱ではありますが厳しい世界を見てきたつもりなので,現実の厳しさもわかっているつもりです.しかし,どうにかできないものかという気持ちがとても強くあります.
 そこで質問なのですが,サラブレットの義足というものを研究する余地というのはあるのでしょうか?。 きっと今までも義足の研究をおこなってきた方々,今も研究している方々がいると思います.許されることならば,そのような研究の内容やデータなどがお手元にございましたら,是非拝見いたしたく思う次第でございます.
A
 米国・ケンタッキー州レキシントン郊外に国際馬蹄病センターがあります。このセンターは、Dr.レドンが経営する蹄病専門の個人病院です。Dr.レドンは装蹄師でしたが、獣医師の資格も取得し、装蹄の技法と獣医学を融合させ、馬のポダイアトリスト(podiatryst:足専門外科医師)としての新たな境地を確立しました。いま彼の名声とその斬新で独創的な治療法、特に馬に義足術を実用化した業績は世界的にも有名です。私も2000年に同センターを訪問した際、断脚術を施され義足を着けた2頭の馬に会いました。義足の馬が健常馬と放牧場で戯れて駈け回る光景は、今も目に、脳裏に焼き付いています。しかし、馬が経済動物ではなく、伴侶動物(コンパニオンアニマル)である米国においてでさえ、彼が義足術を実施する件数は、年間に3頭以下であると聞きました。それに実施された馬がすべて成功するわけでもありません。私が会った2頭はDr.レドンの所有馬です。術後の馬には、より細かなアフターケアとさらなる経済力が必要となります。
 あなたの質問にお答えします。
(1)「サラブレッドの義足というものを研究する余地はあるか」
 あなたの言う「余地」とはどういう意味か良くわかりませんが、私個人としての意見は研究する価値は十分あると考えます。ただし、その研究であなたが生活していけるか否か、はなはだ疑問です。たとえ、馬の義足ということで対象範囲を広げたとしても。
(2)「義足の研究やデータがあるか」
 JRAにはありません。日本にはないようです。海外では上記の蹄病センターの他にカリフォルニア大学デービス校(U.C.D.Uiversity of California Davis)、レキシントンのHagyard−Davidson−Mcgee Equine Hospital等においても行われているようです。Nanric(キーワード)で検索すればDr.レドンのホームページが見つかると思います。
以上のことぐらいしかお答えできませんが、参考になりましたでしょうか。
 また、あなたの知り合いの装蹄師が日本装蹄師会会員ならば、そこの機関誌である「蹄」をお持ちだと思います。No.129号(2000年9月発行)には上記蹄病センターを見学した際の訪問団(装蹄師等)の義足術に対する感想などが、少しですが掲載されています。少しは参考になると思います。

( 総 研   原 秀 昭)

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Q 馬糞の処理 2003.10.10
 わが町では、競走馬のトレーニングセンターが本年より稼動しており、毎日排出される馬のふん尿を処理するための方策を検討中です。現在、計画案として、バイオガスプラントの建設案があがっており、その際のプラント規模の作成にあたり、馬のふん尿の原単位を調べておりますが、一般にどのような数値が使用されているのか、教えていただけると助かります。なお、「家畜内科診断学」中村良一著の中にも馬のふん尿量が書かれていますが、この数値が現在も使用されているのか、もし、データをお持ちでしたら、教えてください。
A
 「ふん尿の原単位」が何を指すのかよく分りませんが、一日の排泄量を意味するのであれば、中村良一著の記述と大差はありません。現在、JRAの競馬学校では『500kgのサラブレッドの場合、一日の排糞量を14〜23kg、一日の排尿量は1.5〜9.0リットル』と教えています。飼育管理状況や季節や個体により大きな差がありますので、測定値に幅があるのは止むをえません。
 競走馬については確かな成績はありませんが、乾草に比べ消化率の高い濃厚飼料の摂取量が高く、また、糞中の水分含量は低いと思われますので、排糞量(生重量)は他の馬に比べそれほど多くはないと思われます。結論として、通常の飼料を摂取している場合の馬の生の排糞量は、およそ体重の4〜5%としても大きな間違いはないそうです。
 「ふん尿の原単位」が糞尿の処理単位としてお考えなならば、JRA関連機関では、そのような単位は持ち合わせておりませんし、使っておりません。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 「馬の科学」の入手方法 2003.9.8
 貴殿発行の「馬の科学」はどちらで入手できますか?
A
 「馬の科学」は日本中央競馬会内の普及誌で、非売品です。ただし、「日本ウマ科学会」という学会に入会(H.15年現在、年会費5000円)すると、その会誌「Journal of Equine Science」(英文雑誌)と「Hippophile」(和文雑誌)のほかに会員特典としてJRA競走馬総合研究所刊行の「馬の科学」が添えられます。下記「日本ウマ科学会」のホームページにアクセスしてみて下さい。競走馬総合研究所のホームページの関連リンクからもアクセスも可能です。
http://www.equinst.go.jp/JSES/top.html (日本ウマ科学会)

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 遺伝子と病気・競走能力 2003.9.7
 次の疑問についてお答えください。
(1)馬の遺伝子を調べれば病気になる前に、防ぐことは可能なのでしょうか?
(2)馬の競争能力もまた、調べて分かるのでしょうか?
(3)競争能力というのは馬が速く走るための能力のことをいうのでしょうか?
(4)例えば、競走能力を遺伝子から調べればその能力がわかってしまい、走るとか走らないとか判断されてしまうのではないでしょうか。そうなると,競馬として成立しないのでは?また、遺伝子操作が行われ極端に強い馬を作ることが可能だとおもいますが?
A
(1)可能です。しかし、どの遺伝子がどの病気と関係しているのかということが判らないと無理です。今研究所では、どの遺伝子がどの病気と関係しているかを調べる研究を開始しようとしています。 この関係がわかれば、体の遺伝子をみて、病気にかかりやすいのか、かかりにくいのかがわかるようになります。和牛などでは、病気と遺伝子の関係がすでに明らかになってものもあり、遺伝子診断法の特許が取れています。
(2) 将来的には、わかるようになると思います。馬の競走能力(競争ではなく、競走です)は、複数の遺伝子が関与していますので、病気のように簡単にはいきません。複数の遺伝子が関与しているものとして、身長や体重、牛の肉質なども同じように複数の遺伝子が係わっています。馬だけでなく他の動物の研究者が色々苦労しているところです。
(3)はい、そうです。競走能力(競争ではなく、競走です)は、英語ではRacing Performanceといいます。
 ※ 競走馬の関係者は「競走」という語を使いますが、これは「走る速さを競う」意味で使います。『競争』は優劣を争う意味で使われます。広辞苑等で調べてみて下さい。
(4)競走馬の競走能力に係わる遺伝子は、複数あると考えられています。しかし、現在でもこれらの遺伝子は特定されていません。この原因として、遺伝子の数が多ければ良いという単純なものではなく、複雑に遺伝子同士が関係していると考えられているからです。このことから、ある特定の遺伝子があるから良いとか無いから悪いという単純なものではありませんので、あまり心配する必要はないと思います。また、これらの遺伝子の特定には時間とお金が必要ですので、すぐには解決できないと思われます。
 サラブレッドの場合、世界的な血統登録委員会で決定される登録の基準によって、種馬と直接交配する方法のみが認められており、人工授精で生まれたサラブレッドは競馬に出走できません。当然、遺伝子操作によって生まれたサラブレッドも競馬に出走できないことになっていますので、あまり心配することはありません。

( 生命科学研究室 沖 博憲 )

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Q 常磐支所 2003.7.11
 常磐支所に来週の土曜に伺おうと思ってるのですが、事務所の方でお聞きすれば、見学をしたい馬のその日の行動を知ることは可能でしょうか?
 土曜ということで放牧、温泉、もしやっていれば引き運動を見たいと思っているのですが。
A
 馬の温泉は研究所の支所で、福島県いわき市に所在します。一般的な見学であれば、土・日・祝日も見学は出来ますが、特定の馬の温泉療養予定や放牧等の細部および見学時間帯等については現場の事務所に直接(電話:0246−43−3158)お尋ね下さい。また、厩舎作業の都合で土・日・祝日は午前中しか見学できないでしょう。しかし、治療の内容は、見学できないと思います。
 当研究所のホームページに「馬の温泉だより」があり、こちらで簡単な見学案内をしておりますので是非ご覧になって下さい。
(JRAネットからもリンクしています)

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 総研の移転 2003.7.8
(1)10年ほど前にいただいた総研のパンフがあるのですが、世田谷の馬事公苑となりから移転したのはいつでしょうか。公苑近くの方が情報収集に便利な気がしますが移転で不便はないのでしょうか。また、そこで示された組織(企画調整室、馬学研究室、など)について移転後の変更はあるのでしょうか。
(2)「第21回馬に親しむ日」に参加させていただいたのですが、その回数から総研の移転以前から行なわれていたようです。その時は育成牧場として行なわれていたのでしょうか。
A
(1)世田谷から移転したのは平成9年(1997年)です。情報収集や会合等、都心に在ればそれなりに便利です。しかし、下記の理由で現在の宇都宮市砥上町に移転しました。
 ○世田谷の環境が狭くなったこと
 ○実験動物を飼育管理することが困難になってきたこと
  (周囲からの異臭・悪臭等の苦情、動物飼育や施設の確保困難等)
  (馬を走らせる実験等は広い敷地と大掛かりな施設や器具が必要)
 ○JRAの施策であった抽選馬制度の廃止に伴い、宇都宮育成場が空いたこと
  (その空き地の有効利用として研究所が名乗り出た)
 ○育成馬用の施設がそのまま転用できること
 ○コンピュータ時代では、地域格差がなくなり、情報オンチにはなりにくいこと
等々の判断があった旨聞いております。また、組織は世田谷の時と同じです。企画調整室、馬学研究室も健在です。
(2)「馬に親しむ日」は育成牧場の当時から実施していました。JRAの事業所で馬を飼育している部署では、何らかの行事を開催しています。馬事公苑以外でも、「馬と遊ぼう」、とか「乗馬体験学習」とか。馬との関りが少ない昨今、少しでも馬を理解してもらおうという試みです。その企画は研究所がそのまま引き継いでいます。毎年6月の初旬に開催されます。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 鼻出血 2003.5.3
 競走馬の鼻出血についての資料があれば欲しいのですが。
A
競走馬の鼻出血について
 競走中や厳しい調教を課した際に発症する鼻出血の本態は運動誘発性肺出血(EIPH)と呼ばれ、肺毛細血管が破綻したもので、小規模の血管破綻はほとんどの競走馬で競走中に発生していると考えられています。
 発生のメカニズムは完全に解明されていませんが、おそらく競走という最大級の運動負荷をかけるため、心拍出量と血圧が最大限に高められ、これに肺毛細血管が対応しきれず破綻するためでしょう。
詳しくは競走馬総合研究所編「馬の医学書」チクサン出版社刊を御覧下さい。
 また、海外の情報についてはhttp://www.thehorse.com/で検索されると便利です。

( 臨床医学研究室 平野 司郎 )

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Q 脚質と調教法 2003.4.29
 始めまして、私は現在競馬学校のきゅう務員課程の講習生です。
このたび学校の課題である自由研究で、私達の班のテーマである「脚質」についていくつか質問がありメールを送らせていただきました。もしよろしければ質問に答えていただけないでしょうか?
(1)それぞれの脚質に見合った調教方法というものがあるのでしょうか?(もしあるのであれば、その具体的な調教方法は?)
(2)それぞれの脚質によって、発達する筋肉、腱、骨に違いはあるのでしょうか?
A
(1)脚質のあった調教法
 脚質とは競走のパターンでいうところの「逃げ」「先行」「差し」「追込み」のことだと推察しますが、これは人間が勝手に作り上げた観念的なものなので、科学的な説明は不可能です。そこで、子供の時から40年以上、競馬を観てきた者の私見を述べさせてもらいます。
 競馬はゴールインと同時に競走馬が持っているエネルギーを全て使い果たさせる競技です。エネルギーの使いどころによっていわゆる「脚質」なるものが議論されるわけですが、競馬が陸上のトラック競技のようにセパレートコースで施行されれば、絶対的スピードを持つ馬が必ず勝つでしょう。しかし、競馬はそうではありません。馬のダッシュ力やスタミナ、性格、さらには騎乗者の性格、技量、思い込み、馬主や調教師の考えなどが複雑に組み重なって、その馬の「脚質」ができあがってしまうものと考えられます。
 転厩や騎手の乗り代わりで好走する場合が多いのは、それまでは馬自体のパフォーマンスに適応していない作戦をたてていたためと考えられます。
 競走馬は出走を重ねることで競馬を学習してゆきます。その際、闘争心を鼓舞する方向へ学習が進めば問題はありませんが、気を抜いたり、楽をすることを覚えると競走馬として失格です。
 競走馬の調教に携る人は調教時や競走中の馬の行動をつぶさに観察し、競走に集中して闘争心を燃え上がらせる走行パターン(脚質)を検討する必要があります。「この馬は逃げ馬だから」とか「お終いが切れるから」というような思い込みで競走馬を調教することはナンセンスで、質問で言うところの「脚質に見合った調教法」はありえないと、私は考えます。
(2)また、逃げ馬と追込み馬を比べてみても、体型、体格には違いはありません。
 どんな脚質の馬でも同じ走行運動をおこなうことから、脚質で体格等に変化が現われることは考えられません。

( 臨床医学研究室 平野 司郎 )

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Q 種牡馬の登録 2003.3.4
 繁殖に興味のある学生です。前から一つ疑問があったのですが、日本における種牡馬の登録において、精液に基準は存在するのでしょうか?つまり、精液中の精液量・精子数・生存率・精子活性・その年における、受胎率・その他において、登録する時(さらには定期検査)において基準値を設けているようなことはあるのでしょうか?種畜法などの関係法規文献を漁ったのですが、法定伝染病の有無・体系などにより等級を決めるなどとしか記載されていなく、また法律自体が戦前・戦後すぐに設けられたもののため、現在のサラブレッド中心の馬の世界では昔の種牡馬登録の基準は満たすことができないと聞いたことがあります。実際に基準が存在するならば、その基準を見ることができる文献を紹介していただけると幸いです。
A
 私どもの範疇ではないので、専門の軽種馬登録協会の植松さんに回答をお願いしておきました。本日植松さんから回答した旨のメールがはいりました。もう回答が送信されているものと思いますが、それでご了解下さい。基本的には、競走馬あがりでも輸入馬でも、新しく種牡馬になるためには検査を受けなければならない、ということです。なお、JRAネット関係には色々関連団体へのリンクが可能です。興味が湧いたら、そちらもご利用下さい。

( 企画調整室 竹永士郎 )

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Q モンティ・ロバーツ氏 2003.1.29
 ホームページに関する質問・感想ではないのですが、教えていただきたいことがあります。
以前、1998年だったと思いますが、JRAがアメリカの調教師モンティ・ロバーツ氏を招いて講演と実演を行ってもらったと思うのですが、この記録ビデオ(映像)等はないのでしょうか。個人で手に入れることは可能でしょうか。今後、モンティ・ロバーツ氏の講演・実演を行う予定があるのでしょうか。本来、JRAに聞くのが筋かとも思ったのですが。よろしく、ご回答お願いいたします。
A
 モンティー・ロバーツのビデオは何種類かが海外で市販されています。日本での入手方法は不明です。また日本語版は販売されていません。
 タイトルのわかるビデオは以下のとおりです。
  「Monty Roberts, A Real Horse Whisperer」
                  CBS FOX VIDEO(制作会社)
 またロバーツ氏の来日の予定は現在のところありません。以上です。丸善や紀伊国屋等海外の書籍を取り扱っている商社にご相談してみて下さい。あるいは、乗馬愛好家でご存知の方がいらっしゃるかもしれません、が私どもでは探しようがありません。参考まで。

( 生命科学研究室 楠瀬 良 )

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Q 総研の見学
 研究所を見学したい。
A
 大学や研究機関の関係者からは所定の手続き等を経て、見学を承認することがありますが、総研本所並びに栃木支所は原則的には一般の方々に開放しておりません。ただし、本所につきましては毎年6月初旬の日曜日に「馬に親しむ日」を開催し、馬場を中心にしたイベントを取り揃え、解放しています。研究施設は開放しておりません。また、「馬学講座・体験乗馬」を年2回(春と秋)平日に開催し(参加者は一般から公募し、定員制)、いろいろな馬に関する講義と乗馬や馬車試乗が体験でき、研究施設も一部ですが見学コースにありますので、そういう機会をご利用ください。
 常磐支所(馬の温泉)は一般に開放されていますので、詳細につきましてはこのホームページの「馬の温泉だより」をご覧ください。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 総研に就職したい 2004.5.20
 現在18歳の大学1年生です。将来競馬に携わる仕事につきたいと思い、獣医系大学で勉強しています。この研究所で働く為にはどうすればよいのでしょうか?また、どんな勉強や資格が必要でしょうか?
A
 当競走馬総合研究所は日本中央競馬会(JRA)の一事業所で、当研究所独自での求人募集はありません。研究所を含む全事業所とも、職員の採用はJRA本部の人事課で行います。その概要はJRAのホームページをご覧下さい。アドレスは下記のとおりです。
    www.jra.go.jp/index.html
上記にアクセスし、「日本中央競馬職員採用案内」を参考にして下さい。電話でのお問い合わせは人事部人事課 03−3591−5251(代表)にお願いします。
採用試験は、一般常識の他、専門分野の試験があると聞いております。馬についての知識があれば望ましいですが、知識がなくても採用試験には影響しないでしょう。
(研究所で働くためにはどうすればよいか)
当研究所に就職を希望されるなら、まずJRAの採用試験に合格することです。獣医師として採用された職員は、最初の数年間は現場勤務となります。これは主に競走馬のトレーニングセンターにて、現場の任務と競馬開催の任務の両方を勉強します。その後、職員の適正を見て、あるいは欠員補充があれば研究職に配属になります。これは必ずしも本人の意思によりません。自己申告制度もありますが、希望しても研究所に転勤できない場合も多く、逆に全然その気が無いのに研究所に配属になるケースもあります。ですから、常々研究心・探究心を持って日常の仕事に臨み、自分は「研究が好きだ」ということをアピールすると同時に、他の人々からも「研究職向きだ」という暗黙の承認・信頼を勝ち取ることが肝心のような気がします。
(どんな勉強や資格が必要か)
資格については、獣医師としての採用を希望されるのであれば、国家試験パスが必須となります。どういう勉強をするかですが、どれだけ馬のことを知っているか、ということよりも、どれだけ基礎が出来ているか、どれだけ応用が出来そうか、ということが問われると思います。馬の研究に興味を抱いて下さることは大事なことですが、むしろどれだけヤル気があるかが問われそうです。
現在の総研の研究者は獣医師だけで構成されているわけではありません。薬学・畜産・土木・建築関係者も研究者として勤務していることを付け加えておきます。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 総研での研修を希望 2004.5.7
 私は現在獣医系大学の5年次生です。授業の一環として専門学外実習というものがあり、将来就職希望としてJRAを考えているため是非この機会に貴施設において実習を受け入れていただけないかと思っております。希望実習内容としては日常業務の見学および経験、研究施設内の見学を中心として、貴施設と業務を理解できればと思っております。
A
 当所は個人の資格での申請は受け付けていません。しかし、大学の学長や学部長等の要望・依頼等があれば、短期間での実習や研修を引き受けております(事情によっては10日ぐらいでもOK)。
あなたが特定の研究をする上で、当研究所の研修・実習を望まれるのであれば、先ずは貴方の所属する研究室の担当教官(教授)を通して電話もしくは書簡で、企画調整室長に打診(事前相談)してみて下さい。貴方の研究目的がこちらの研究室や研究者の研究内容に合致すればOKです。日程はその後の調整となります。≪競走馬総合研究所 代表028−647−0650≫
臨床実習の一環であれば、トレーニングセンターへ問い合わせされることをお勧めします。こちらでは、競走馬についての最新の医療(診断・治療)が見学できます。10日も実習していると骨折の手術等も見学体験できると思います。実際に馬の診断・治療は出来ませんが、非常に貴重な現場体験をすることが可能です。≪美浦TC 代表029−885−2111、栗東TC 077−558−0101(各競走馬診療所管理課に相談)≫
なお、単なる実習単位の取得だけが目的ならば、馬事公苑(世田谷)でも簡単な臨床実習は可能です。≪馬事公苑 代表03−3429−5101(診療所に相談)≫
あなた個人から申請するのではなく、あなたの担当教官(貴方の指導教官で身元引受人となる立場)から話をしてもらうと、比較的スムーズにいくと思います。
以上3箇所紹介します。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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Q 総研発行図書の閲覧等 2004.5.22
 私は大学にてサラブレッドの腸内フローラについての研究を行っております。現在、研究のためにサラブレッドの疾患について詳しい知識がほしいと思い、資料を探していたところ貴ホームページで馬の『感染症シリーズ』『保健衛生シリーズ』など様々な刊行物があることを知りました。本学の図書館には『保健衛生シリーズ』が1〜10まで所蔵されているのですが、それ以外については所蔵されていませんでした。そこでぜひ資料を閲覧したいと思い、連絡させていただきました。資料の所蔵先もしくは閲覧方法について教えてください。また個人で購入することなどは可能でしょうか。
A
 『感染症シリーズ』『保健衛生シリーズ』等ほとんどの刊行物はJRA関係者向けの機関内出版物で、非売品です。従って一般には出回りませんので本研究所の図書室をご利用ください。もしくは各獣医系大学(または学部)の図書室に寄贈してありますので、そちらをご利用ください。なお総研の図書室利用を希望される場合は事前に、閲覧の予約をしてください。受付は企画調整室です。
また、ある特定の限られた研究論文のコピーだけが欲しい、というような場合は、文献のタイトル、著者、収録雑誌名、ページ数、発刊年、等を指定下されば、当方で文献を複写し送付いたします。

( 企画調整室 竹永 士郎 )

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