|
|
寒い冬が終わり気候的には過ごしやすくなる3月は、多くの人にとって待ちわびた春の到来です。この時期は、梅の花が咲き、続いて桜や桃の花が咲き乱れる実に最適な時節です。一方、梅の花が咲き始めるとほぼ同じ頃に、多量の杉花粉の飛散が始まるので、杉花粉症に罹る人にとっては難儀な時期の到来です。栃木県では、杉花粉症を起こすような杉花粉の飛散は概ね3月初旬から4月初旬で、3月下旬から檜花粉の飛散が始まるので、これらの花粉症の発生は概ね4月いっぱいまで続きます。私は健康維持のためゴルフをしていますが、この数年、この花粉の飛散時期だけは、オフシーズンにし、また、外出も必要最小限に止めています。そのため、殆ど花粉を吸わないので以前のようなきつい花粉症には罹らないようになりました。花粉症の予防には、原因物質の花粉を吸わないことが最善の予防法だと思います。
先日、読売新聞に花粉症に罹った婦人の投稿記事が掲載されていました。それには花粉症に罹った人のやるせない気持ちが実によく表現されていましたので、その概略を紹介したいと思います。『彼女は神奈川県から7ヶ月前に群馬県渋川市に転居しました。寒かった冬が終わり、やれやれと思ったら花粉症に罹ってしまいました。とにかく目がかゆく、くしゃみがでて、それに鼻水もでてまいってしまった。自宅が杉山の麓にあるため、サッシのレールには黄色い花粉がびっしりついていました。この土地にずっと住んでいる人達には花粉症はなく、平気な顔をして外を歩き、農作業をしています。彼女は外出時にはマスクが必需品になりました。地元に長く住んでいる人から、「花粉症なの。随分都会人だねえ」と言われてしまった』。私は、この記事を読んでなるほどなるほどと納得しました。
さて、ここからは、花粉症がどうして起こるかを簡単にお話します。杉花粉症は杉花粉が鼻粘膜や眼の結膜などに付着するために起こるアレルギー反応です。呼吸にともなって吸い込まれた杉花粉が鼻粘膜に付着しますと水分を吸収し膨張して花粉の内部に含まれている微量のタンパク質が溶け出してきます。このタンパク質が杉花粉の抗原であり、それは人体にとっては異物(邪魔者)ですので、マクロファージ(白血球の一種)が捉えて食べてしまいます。この抗原を食べたマクロファージは、杉花粉の抗原が侵入したことをヘルパーT細胞(リンパ球の一種で抗体が作り出されるステップを誘導する機能を持っている)に知らせます。ついでヘルパーT細胞の情報はB細胞(リンパ球の一種で抗体を産生する機能を持っている)に伝えられ、B細胞は活性化して杉花粉に特有なIgE抗体を作ります。そこで鼻粘膜などにいた肥満細胞(全身臓器に広く存在して、炎症や免疫反応など、生体が自己防御する仕組みの中で重要な役割を担っている)がIgE抗体を捉えます。この段階で、杉花粉症を起こす準備段階が成立したことになります。次に、抗原である杉花粉がやってくると肥満細胞の表面に付着していた抗体と抗原抗体反応を起こします。抗原抗体反応が刺激になって、肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。そのため、血管の拡張・透過性亢進などが起こり、花粉症に特有な目のかゆみ、くしゃみや鼻水、喉の粘膜の腫脹などの症状が現れます。 (今川 浩) |
|
|
|
|