海外研修in Atlanta(その3)

 前回に引き続き、こちらでの研修の様子を報告します。

1)研究関連
 まず研究ですが、前回の報告で CDC (Centers for Disease Control and Prevention:米国疾病予防管理センター)に保存されている人由来のロドコッカス・エクイ株の洗い直しを行い、その中にロドコッカスではない菌種が含まれていることを報告しました。その後の解析の結果、その中には過去に臨床例として報告のない非常に希有な菌種が含まれていることがわかりました。今回の発見は、近年、主流になりつつある分子生物学的手法を用いた菌の同定法が非常に有効であることを示しており、研究の指導者であるLasker博士およびBrown博士からも「解析を進めれば論文として公表する価値が十分にある」との助言を受けました。また、ロドコッカスの薬剤耐性に関する研究も、薬剤耐性菌の出現予測やその防止のための研究を新しい考え方に基づいて計画し、実施する予定です。さらに、アトランタ市内で3月16日より開催されたICEID(International Conference on Emerging Infectious Disease)(写真1)にも参加する機会を得て、馬インフルエンザに関する疫学調査など多くの興味深い発表や講演を聴くことができました。

2)アトランタでの出来事・・・春の訪れと竜巻の来襲
 アトランタ周辺は東海岸の南部を代表する大都市圏ですが、高層ビルが立ち並ぶダウンタウンやミッドタウン以外の地域は豊かな森が広がっています。特に、春になると街のいたるところでアトランタ市の市の花であるハナミズキ(米国ではDogwoodといいます)が満開の花びらを咲かせていました。アトランタの春の訪れは東京と比べると早く(緯度は福岡と同じです)、4月の中旬には春を通り越して初夏を思わせるような陽気の日もありましたが、一方で、内陸部に位置する(標高は約300m)ためか冬に逆戻りしてしまったような日もあり、私自身も含めこの時期、CDCの中でも風邪を引いた方が多くいました。
 ニュースなどでご存知のかたもいらっしゃるかと思いますが、3月中旬にアトランタの中心部を大きな竜巻が襲いました(写真2)。幸い、私の住んでいるアパートは中心部から離れているため何の被害もありませんでしたが、翌週になり学会に参加するためにダウンタウンを訪れたところ、CNNセンターやセンテニアル・オリンピックパークなどの観光地やホテルが大きなダメージを受けているところを目の当たりにしました。ジョージア州は米中西部のような竜巻の多発地帯ではないことや、そもそも都市の中心部で竜巻が発生すること自体が大変珍しく、年明けの大雪といい、今年のアトランタの気候は例年とは大きく違っているようです。

(4/22、丹羽秀和)


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