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私は、自分の博士論文のテーマとして、主にウォームアップがその後の運動(実際の競馬ではレースに相当)時の酸素運搬に与える影響について調べました。サラブレッドの競馬ではレース前に“返し馬”と呼ばれるウォームアップをしますが、これはヒトに比べて運動時間が非常に短く、この程度の運動時間ではヒトではウォームアップ効果が十分に得られません。このようなサラブレッドの短時間のウォームアップが与える影響については、今までは調べられていませんでした。そこで実験を行い調べてみると、この程度のウォームアップでも十分に体温が上がり、レースを想定した運動中の酸素摂取が促進されることが分かりました。このことはレースにおいて爆発的なエネルギーを供給するうえで非常に有利であるといえます。このような運動刺激で十分なウォームアップ効果が得られることは、サラブレッドのもつアスリートとしてのすばらしい資質の一つといえます。その点から考えると、気性難などでレースの際に“返し馬”のできない馬はその時点で大きなハンデを背負っているといえます。たまにそのような馬が勝ち上がることがあるので、その馬のフィジカル能力は相当に高いと想像されます。 (向井和隆) ![]() (中山競馬場での模擬レース) この時すでに馬の心拍数は170回/分まで上昇し、レースへの準備ができている。 |
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