フロリダ滞在記2 フロリダ大学について


 フロリダ大学にて研究留学中の木下です。2回目の滞在記では、フロリダ大学について紹介しようと思います。フロリダ大学は、フロリダ州アラチュア群のゲインズビルにあります。ゲインズビルの気候は暖かく、街中や家の周りでは可愛らしいリスやトカゲを至る所で見ることでき (図1)、まだ出会う機会はありませんが、アリゲーターが学内の池で目撃されるなど自然豊かな場所にあります。
 ゲインズビルの人口13万人程度のうち、5万人程度を学生が占め、その他の住民も何かしらの形で大学に関わっている方が多いと言われています。また、カレッジスポーツも非常に盛んで、Gators (フロリダ大学のスポーツチーム) のシンボルカラーである青とオレンジの服を身に付けている人達を見ない日はないというほど「大学の街」という雰囲気を常に感じることができます。"フロリダ大学"自体がこの街の主要な産業となっている一つの例として、フロリダ大学の身分証明証である"Gator 1 Card"が挙げられます。このIDカードは単なる身分証明としての役割だけでなく、カードの提示により街中のバスを無料で利用できることや、銀行口座に紐づけることでデビットカードとして使えるなど、非常に利便性に優れたものになっており、大学があってのゲインズビルということがこのことからも感じられます。
 私が所属するTuanyok ラボは、Emerging Pathogens Institution (EPI, 図2) という建物にあり、この建物ではその名のとおり、マラリア、鳥インフルエンザ、そして私の研究対象とする鼻疽や類鼻疽など様々な病原体を扱っており、その警備は非常に厳重に行われています。建物へ入館する際にIDカードでのロック解除 (上述したGator 1 Cardを使います) や受付でのセキュリティーチェックを常に行っているのは当然として、実験室やセキュリティーレベルの高い部屋に入る度にロックを解除する必要があることや、入館登録に先立って、FBIへの指紋登録も義務付けられているほどです。残念ながら、私の把握している限り、このEPIの中でウマに関係する細菌あるいはウイルス疾患に関しては鼻疽や類鼻疽のみのようですが、EPIあるいはVeterinary Medicineが主催するセミナーが盛んに開催されているので、興味のあるトピックについては様々な分野の話しを聴くことができています。
 Tuanyokラボでは、Burkholderia malleiが原因菌となる鼻疽、およびBurkholderia pseudomalleiが原因菌となる類鼻疽について、診断法や疫学解析あるいはワクチン開発など幅広く取り組んでいます。LPSはエンドトキセミアの原因としてウマ臨床獣医師にも知られていますが、鼻疽や類鼻疽の血清学的試験の抗原としても利用される物質で、Tuanyokラボでは、Burkholderia属菌のLPSについてこれまで多くの論文を報告しています。私の研究留学の目的の一つは、これらLPSを用いた実験手法や知識を習得し、将来の日本のウマ防疫に活かすことです。

(木下 優太)


  


  

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