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子馬のいろいろな疾病が生産地では問題となっていますが、そのひとつにDOD(Developmental
Orthopedic Diseases:発育期整形外科疾患)と呼ばれるものがあります。聞きなれない言葉ですが、子馬に起こる運動器の疾患を総じてこう呼びます。その発生要因には、成長、遺伝、栄養、運動などが関与すると言われていますが、原因は解明されておらず、生産者をはじめとする多くの軽種馬関係者に疑問と不安を抱かせます。具体的にはクラブフット、骨端炎、離断性骨軟骨症などの疾病があります。生産者は、その症状に応じて、なじみの獣医師や装蹄師、栄養アドバイザーに相談し、個々に対応しているのが現状で、いまだにその発症傾向などの詳細な調査は行われていません。そこで、獣医師・装蹄師・栄養アドバイザーが、お互いの目線を合わせながら、統一された子馬の肢勢に関する調査票を用いて、子馬の肢勢について詳細かつ正確に調査解析する仕事を始めました。また、競走馬生産や育成に応用してもらうため、今回の調査を基にして将来的な調査の方向性を決定し、肢勢調査の基準を作ることを大きな目的としています。(図1)
調査対象馬は日高育成牧場および周辺の牧場で誕生した子馬達です。あらかじめ作成した肢勢調査票を使用して、肢勢や肢軸の変化について、概ね2週間隔で出生から離乳時までの約6か月間調査を実施中です。調査項目は肢勢(外向・内向・広踏・狭踏・XO状肢勢・球節内反・川流れ・弯膝・凹膝・オフセットニー・曲飛・直飛)、歩様(内弧・外弧)、繋蹄状態(繋軸峻立・臥傾・蹄角度高低・クラブフット・浮尖・浮踵・凹湾・狭窄・蹄輪幅)とし、それぞれの項目をグレード判定しています。また球節の状態や出生時の母馬・子馬の状況、体重、治療状況などの項目についても調査し、資料に活用しています。(図2、3)
2008年の調査では、DODの中でも客観的に比較しやすいクラブフットに注目し、発症群と未発症群にわけて比較分析しました。クラブフット発症群で多く見られた項目では、性別では牝馬、出生月で早生まれでした。また、多くの発症馬では、疼痛、帯熱などの特徴を有する骨端炎を併発しており、発症した子馬の体重変化では、推移が小さいものや生後2〜3か月での増加が大きいという傾向が観察されました。
肢勢の変化では、X状肢勢、弯膝、繋軸峻立、球節内反を有する馬を多く認めたため、その発症と変化の傾向を調べました。弯膝が長引く子馬では、その出生時の体重が母の体重に比較して概して小さい傾向を認めました。また球節内反は左後に多い傾向を認めました。そして繋軸峻立は出生時での保有率が高く、また保有期間が長引く馬が多く見られました。
定期的な肢勢調査は重要と考えられ、特に生後2〜3か月目の変化に注意が必要であると思われました。今後も調査を継続し、肢勢の推移の傾向を把握したいと考えています。また、得られた結果は軽種馬生産関係者に報告し、生産者自身のご意見をいただきながら、更に調査・解析を試みていく所存です。
(蘆原永敏)



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