総研の学術活動 ―第147回日本獣医学会学術集会を主催―

 第147回日本獣医学会学術集会(会期:平成21年4月2日から4日)が、競走馬総合研究所の主催で、宇都宮市の栃木県総合文化センターおよび栃木県自治会館にて開催されました。総研の主催は11年ぶり3回目です。
 日本獣医学会は明治18年(1885年)に創立され、研究者を中心に約4,000名の会員を擁するわが国を代表する獣医・畜産学系の学会で、学術集会は春・秋の年2回、獣医学科のある大学、獣医関係の研究機関による持ち回りで開催しています。本年は、総研が設立50周年を迎えることもあり、その記念事業の一つとして主催いたしました。
 今回の学術集会への参加者は、日本全国の獣医系、畜産系大学および研究機関の研究者を中心とし、海外からも集まり、その総数は約1,360名でした。内容は獣医学術・技術はもとより、獣医学教育の方向性、輸入食品の安全性、鳥インフルエンザなど社会的に取り上げられている話題に関するシンポジウムを中心とした53のセッションが組まれ、160名の演者が講演し、熱い討議が行われました。特に、JRA総研主催の特徴を出すべく、「競走馬の運動性肺出血」、「馬の中枢神経病の病理」など馬に関する講演を多く企画するとともに、JRA職員12名が研究成果を発表しました。また、馬文化をアピールするために、馬事公苑からお借りしたミニチュアポニーの展示や、「ヒトと動物の係わり合い:馬の心 ヒトとのきずな」と題した市民公開講座を行いました。この講座は、学会員以外の方も自由に参加できるもので、元JRA騎手である岡部幸雄氏と北京オリンピック馬場競技日本代表の法華津寛氏をお招きして、対談形式で行われました。一般市民を中心として約360名の聴衆が集まり、2時間に渡る貴重な体験を拝聴する機会となりましたが、対談の終了後には両氏にサインを求める人や記念写真を撮る人の長い列ができ、演者の人気の高さを垣間見ることになりました。
 学術的には、野生のアライグマが鳥インフルエンザに感染していたことを明らかにした東京大学医科学研究所堀本先生の発表は数社の新聞記事に取り上げられ、また、本会から発表した演題の中から、総研・臨床医学研究室の吉原英留さんに大会長賞、優秀ポスター賞に栗東トレーニングセンター競走馬診療所の石川裕博さんが選ばれ、本会の研究活動が評価され、大変喜ばしいことでありました。
 競走馬総合研究所はこのように、競走馬の研究を通じて広く獣医学に貢献する活動も行っています。今回の学術集会は平成20年から約1年をかけて準備してまいりました。普段、馬に関わりのない研究者にも、馬および馬に関する研究について興味をもっていただき、わが国の馬文化および馬に関する学術研究ならびに畜産の振興に微力ながら寄与することができたものと考えています。競走馬総合研究所および馬事部獣医課の職員が一丸となり、無事成功裏に終わったことは、獣医学を通じたJRAの広報に繋がったものと思っています。

(間 弘子)


会場となった栃木県総合文化センター


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