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ウイルス感染症の遺伝子診断法と言えば、PCR法(ウイルスゲノムがRNAの場合は、RT-PCR法)が最も有名です。最近の新型インフルエンザの診断にも、RT-PCR法が用いられていることが報道されています。ちなみに2007年に流行した馬インフルエンザの診断にもRT-PCR法が応用されています。しかしながらこのPCR法の欠点として、結果が出るまでに数時間と時間がかかることと、検査を行うためには専用の機械(サーマルサイクラー)が必要となることが挙げられます。大学などの研究機関にはサーマルサイクラーが広く普及していますが、馬の臨床現場においてはほぼ皆無です。
そこで、馬の臨床現場でも手軽にできる遺伝子診断法としてLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法に注目しました。LAMP法は反応時間が30分から1時間であり、かつ専用の機械は必要ありません。LAMP法は反応温度が等温(isothermal)の60〜65℃であるため、恒温槽(ウォーターバス)を用意すれば検査できます。また、検査結果を反応液の色で判定することができます。以上のような利点から、LAMP法であれば臨床現場やサーマルサイクラーのない検査室においても遺伝子検査を行うことが可能であると考え、現在いくつかの馬ウイルス感染症への応用を行っています。
将来的には、このLAMP法により馬ウイルス感染症の診断が容易となり、臨床獣医師の治療方針や防疫対応の一助となればと考えています。
(根本 学)

図:LAMP法によるウマヘルペスウイルス1型の検査結果
左から2本(緑色)が陽性、右から3本(茶色)が陰性
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