ひと夏の経験 in UC Davis(その1)

 平成21年4月19日から7月19日までの3ヶ月間、米国カリフォルニア大学デービス校にて馬の生殖内分泌および臨床繁殖学について客員研究員として研修させていただきました。
 研修中は、馬臨床繁殖学教授であるBarry A. Ball先生(写真1左から3番目)およびAllan J. Conley先生(右端)のご指導の下、日本から持っていった馬胎子の性腺、副腎および胎盤組織における成長因子およびステロイド変換酵素の発現部位や生理学的役割について免疫組織学的手法により検索し、その中でも特に、成長因子のひとつであるミューラー管抑制ホルモンの発現や調節機構について、新しい知見を得ることができました。これらの結果から、馬の妊娠維持機構の解明に関する研究を協力して実施するための方向性を定めることができました。


写真1、UC デービスEquine Reproductionの関係者と筆者(後列)

 また、臨床研修では、UCデービス校の馬臨床繁殖教授として33年間に渡り教育を牽引するとともに、馬の子宮疾患に関する世界的な権威でもあるIrwin K. Liu 先生のご指導を受けながら、週2−3回の往診に同行し、当地の獣医学生とともに検査方法の習得ならびに根拠に基づいた治療について研修することができました。教授の下で働くレジデントと呼ばれる専門医を目指す獣医師が実習を補助し、かつ診断が客観的である点など、根拠ある診断治療が徹底されている状況が理解できました。また、Liu先生の診療車の助手席に座り、日々雑談ができたことなど、多くのことを学ぶことができました。


写真2、Liu教授から馬の繁殖検査手技について学ぶ最終年次の学生たち

 今後は、研究成果をさらに充実させるために、研修先の先生と共同研究を進め、生産地で問題になっている早期胚死滅や流産の問題等について解決の方法を探っていく予定でおります。

(南保泰雄)



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