ひと夏の経験 in UC Davis(その2、気候と街並み)

 平成21年4月から7月までの3ヶ月間、米国カリフォルニア大学デービス校にて馬の生殖内分泌および臨床繁殖学について客員研究員として研修させていただきました。今回はデービス市の気候、街並みについて紹介させていただきます。

 カリフォルニア州の州都は、ロサンジェルスあるいはサンフランシスコ?とお考えの方も多いと思いますが、サクラメントという内陸の街が州都です。サクラメントを中心とするカリフォルニア州中央部は、サンフランシスコ湾から深く内陸まで入り組んだ入り江に流れるサクラメント川沿いの低湿地帯で、通称カリフォルニアデルタと呼ばれる肥沃で自然豊かな農業に適した地域といわれます。この低湿地帯を利用し、カリフォルニア米の生産を行い、湿地以外の平地に広く灌漑用水が整備され、地中海性気候特有の産物であるブドウ、アーモンド、プルーン等果実の生産が盛んです。一方で、夏場には灌漑が整備されていない山地の植物がすべて枯れるほどの乾燥地帯となり、かつて金を求めて移住し繁栄した黄金時代の呼び名に引っ掛け、カリフォルニアでは夏場の褐色化した景色を「ゴールデン」とよび、カリフォルニア州のことを「ゴールデンステート」と表現するそうです。

 デービス市はサクラメント市のすぐ西隣の市で、サクラメント空港、サクラメントの都市部からいずれも車で20分程度の交通の便の良いコンパクトな大学街です。デービスの気候は雨が降る温暖な冬と乾燥し暑い夏をもつ地中海性気候に属し、基本的に雨が降るのは11月から3月までの冬だけで、夏場の数ヶ月間は雨が降りません。気温が最も暑くなる7月の平均最高気温は33度と記録されています。日差しがとても強く、サングラスは必需品と言えます。暑いといっても湿度が20%以下と著しく低いため、日陰では涼しさすら感じるような特有の気候です。渡航当初、Ball教授から「脱水には気をつけなさい、水を飲みなさい」と何度も言われました。日本の感覚で生活していると確かにのどの渇きがはやいと感じました。

 デービス市の人口は66000人とさほど大きな町ではありませんが、大学院生を含めて32000人の学生が在籍しています。デービス市はCNNの調査による全米で2番目に大学卒業以上の学士者が住む割合の高い街として紹介されています。また、「自転車の街」としてホームページなどに紹介され、街中に自転車専用のbike pathという道路が整備され、東西8km南北5km程度の街の主要な箇所へ自転車で安心して行くことができます。このような試みは、UCデービス校に在籍する多数の学生が安心して通学できるように考案された独自のシステムで、これが「デービスモデル」として全米で注目をあつめています。夏休み前の大学キャンパスには、自動車の道路と同じように作られたBike pathをまるでミツバチの大群が飛び回るように自転車が往来していました。
 デービス市は、2009年度Forbes誌の調べによれば、住みやすい街全米トップ25中の22番目として紹介されるほど、治安や教育、交通などにおいて安心して住むことができる街です。今回の3ヶ月の研修において、言葉以外では苦労なく、安心して滞在することができました。

(南保泰雄)



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