生産牧場における飼養管理の改善のために

 『今年は繁殖牝馬の受胎率が低くて困っている。』なんて声があちこちで聞かれます。『毎年当歳の骨疾患が多いんだよね。』なんていう悩みが寄せられることもあります。
 軽種馬生産地の本場である、JRA日高育成牧場の生産育成研究室に私が赴任して、はや10年が過ぎました。私が栄養学の研究を行っていることもあって、従来から上記のような悩みが私の元に寄せられ、問題解決のために電話相談を受けたり、ときには牧場に直接赴くこともありました。現在のところ、生産地の各団体の獣医師とともにすすめている『生産地疾病調査研究』の項目の中に、私が携わる『摂取飼料および体内代謝の変化による受胎率低下の実態調査および原因解明』があります。加えて、日本軽種馬協会が行う、軽種馬経営高度化指導研修事業の『栄養指導者養成事業』のアドバイザーを担っていることもあり、今まで以上に、多くの生産牧場に出入りし、当該牧場内における問題点の抽出ならびにその対策を牧場オーナーとともにすすめているところです。牧場をとりまく環境は様々で、どの牧場も条件が同じということはありません。また、牧場オーナーの問題に対する受け取り方も様々ですから、双方納得のいくかたちで十分に気を配りながらすすめています。海外の馬に対抗するためにも、『つよい馬づくりは生産から』を意識して研究に取り組んでいます。

(井上喜信)


海外で行われている飼養管理の技術研修での1コマ
放牧地の維持管理についてのディスカッション



軽種馬牧場の仕事に関わる女性のための研修の1コマ
繁殖牝馬のBCS(ボディコンディションスコア)
の取り方についての実技指導



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