ひと夏の経験 in UC Davis(その7、お世話になった先生方)

平成21年4月から7月までの3ヶ月間、米国カリフォルニア大学デービス校にて馬の繁殖学について研修させていただきました。今回は私の留学生活を支えてくださった先生方を紹介させていただきます。

お世話になった先生方
 今回の海外研修でもっとも大きな収穫は、教科書や論文で名前を拝見していた世界的に活躍する教授たちと日常会話ができるようになったことに尽きます。研究者として生活する以上、最低限の英語を駆使して研究成果を話せなければなりませんが、私には英会話がとても苦痛なものでした。英語を正しく話さなければいけないという焦りがつねに先行してしまいます。その劣等感がわずかながら払拭できたことは大きな収穫でしょう(ほんのわずかですが・・・)。私の面倒をみてくださった先生方や、日ごろ実験の指導をしてくれた大学院生、レジデント、研究助手たちに心より感謝したいと思います。また、今回得られた人脈を大切にし、今後の研究活動に役立てたいと思います。

 Barry A Ball教授
 ボール教授と発音します。私の研究のスーパーバイザーであり、留学先の身元引受人です。ファーストネームで呼びなさいといわれても、なかなか呼ぶことができませんでしたが、研究の話をするとき以外はBarryと呼ぶような間柄になりました。日本人の感覚ではわからない、アメリカンな人間関係を少しだけ構築できました。Ball教授は、馬繁殖学の世界ではよく知られた存在であり、10名の国際馬繁殖学委員の一人でもあります。そのような方に、私たち家族の生活を常に心配していただき、すばらしい留学生活を送ることができました。今後も連絡を密にとり、ご指導を賜りつつ、共同で馬の流産予防に関する研究を進めていきたいと思います。

 Irwin K. Liu 教授
 15年前からお名前やお顔は存じ上げていたものの、今回お会いするまでは十分にお話はできませんでした。3ヶ月の滞在中に何度も食事をご一緒するほどの仲になるとは夢にも思いませんでした。世界的な研究者とこのような形でお近づきになれたこと、大変うれしく思います。ハワイ生まれの米国人、今年70歳を迎えられ、6月末にUCデービス校での33年間の研究・教育指導を終えられましたが、しばらくは大学院生指導のために大学に足を運ばれるとのことでした。繁殖往診の際は常にLiu教授の助手席に座り、研究や臨床以外にもいろいろなお話をさせていただきました。私のことを冗談でNambo sanと呼んでくださるなど、右も左もわからない私を安心させてくださる存在でした。デービス近郊の田舎街に広大な牧場をもち、引退馬や貰い手のいない馬を飼養する心のやさしい先生です。

 Alan J Conley 教授(写真中央)とJo夫人(右)
 馬の繁殖研究チームを支える比較生理学者。馬の研究だけではなく、ブタ、ウシ、ヒツジ、野生動物や爬虫類の生殖生理学を研究対象としておられ、私が実験に行き詰った際に多くの的確な助言をしていただき、解決に導いていただきました。写真右はJo夫人で、研究室の主任研究員として働き、研究室の管理を一手に引き受けておられ、Conley教授と2人3脚で多数の論文を書かれています。
 写真左はブラジル人の大学院生Juliana、研究室では私のとなりの席に座り、免疫組織化学実験について手技を細かく教えてくれたよき友です。

 James H Jones 教授
 世界的な馬の運動生理学者であるJones先生は、これまでJRAとの共同研究などでたびたび日本を訪れておられる親日家です。日本、日本文化、日本建築をこよなく愛する方であり、日本にもないような和風の庭園をご自身で造られております。Jones先生は、UCデービス獣医学校のChairという、学部長に当たる重要なポストを兼任されておられるにも関わらず、お忙しい中、私たち家族を食事やバーベキューに招待していただきました。運動生理学に関する授業ではJRAをはじめ日本文化を紹介することが学生の間で評判となっていました。

(南保泰雄)



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