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陸上競技の長距離走のトレーニング法を書いた本を読むと、「持続走トレーニング」あるいは「インターバルトレーニング」という単語がよく出てくる。持続走トレーニングというのは文字通り、比較的遅いスピードで長い距離を走るトレーニングであり、一定の距離を決めて走る距離走や一定の時間を決めて走る時間走などがある。一方、インターバルトレーニングというのは、急走期(速いスピードでの走行)と緩走期(ゆっくりとしたスピードでの走行)を交互に組み合わせて行なうトレーニングである。 ■エミール・ザトペック インターバルトレーニングという言葉を有名にしたのは、チェコスロバキア(当時)の陸上長距離選手・エミール・ザトペックである。1948年のロンドンオリンピックでは10000mで金メダルを取り、1952年のヘルシンキオリンピックでは5000m・10000m・マラソンの長距離種目三冠に輝いた伝説のランナーである。この成績はまったく文句の付けようのない素晴らしいもので、当時の世界陸上界が、ザトペックが取り入れたこの新しいトレーニング法をすぐさま導入しようとしたのは当然のことだ。しかし一方で、インターバルトレーニングを行なう際には、急走期の強さや回数あるいはその間隔などをうまく調整しなければならないため、故障なくトレーニングを行なうことはそれほど簡単ではない。ザトペックが行なった実際のトレーニング計画をみると、400m走を何10本も繰り返すなど、相当きついものだったようだ。このような厳しいトレーニング法は、そのインターバルの本数だけを模倣することでさえ、大変であったことと思う。インターバルトレーニングの黎明期は試行錯誤の連続であったことだろう。 ■反復トレーニング 急走期を反復すると言うと一見簡単そうだが、実は多くのパターンがあることが分かる。トレーニングを反復形式で行なう場合に、トレーニングを構成する要因としては、(1)急走期の運動の強さ(スピード)、(2)急走期の持続時間(走行距離)、(3)緩走期の持続時間(反復間隔)、(4)緩走期の運動強度(スピード)、(5)反復の回数、などが挙げられる。これらの要因は複雑に絡み合うので、単純そうにみえる反復運動であっても、これらの要素を少しずつ変えること、つまり急走期の運動強度を変えたり、反復時間を変えたりすることで、トレーニングパターンを何通りも作ることが出来るわけだ。 (競馬ブック 2010.6.20号 掲載) ![]() |
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