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■運動生理学と競馬 ディープインパクトの走りはいまだに競馬ファンの間に相当強烈な印象を残しているようだ。走行フォーム(技)の面からみても、特徴ある素晴らしいフォームをしていたのに加えて、走行タイムも優秀だった。ダービーでも2分23秒3のレコードを記録しているし、天皇賞・春のレコードホルダーでもある。瞬間的なスピードは分からないが、ラストランとなった有馬記念の最終コーナーでのスピードは際立っている。おそらく、瞬間的にはハロン11秒をきるようなスピードだったに違いない。 ■動物界の名ランナー サラブレッドは地球上の数ある動物種の中でも、最も優秀なランナーのひとつであると考えられている。一般によく知られている最速の動物はチーターで、一説によれば、最高スピードは時速110kmにも達する。野生動物が自然界で全力疾走しているときはジグザグに走ったりするのが普通なので、走行スピード(移動距離÷時間)を正確に測るのは実は難しく、それほど速くないのではないかと言っている人もいるらしい。ともあれ、相当のスピードであることは間違いないが、チーターはそれほど長い時間走り続けることは不可能で、せいぜい10〜20秒が関の山である。いってみれば、超短距離走のスペシャリストである。これに対し、走行スピードも速く、しかも持久力を兼ね備えているといわれているのがレイヨウの仲間で、なかでも北米大陸に住むエダヅノレイヨウ(プロングホーンアンテロープ)は非常に優秀なランナーである。最高スピードは時速90kmにも達するといわれ、時速70km以上でも数分間走ることが出来るのではないかと考えられている。 ■ダービーのスピード スピードを競う動物の代表選手はサラブレッドである。サラブレッド競走馬の晴れの舞台であるダービー時のスピードをみてみると、ケンタッキーダービーレコードを持つセクレタリアト号は時速60.7kmの平均スピードで10ハロンを走り、日本ダービーレコードを持つキングカメハメハ号とディープインパクト号は時速60.3kmの平均スピードで2400mを走っている。過去の両ダービーの平均スピードをみてみると(図1)、年をおって徐々にスピードが速くなっているものの、そろそろ上限に近づいているようにもみえる。いずれにしても、時速60kmほどのスピードで2〜3分走っていることは間違いなく、スピードと持久力の両方に優れた動物であることは確かである。 (競馬ブック 2008.1.20号 掲載) |
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