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ジョッキーマスターズのパドック周辺の人だかりはG1レースなみ。前回の連載でも示したとおり、参加した馬たちはパドック到着後しばらくの間は落ちついて普通に周回していたが、突然起こった大きな拍手と歓声に反応して、大きく心拍数を増加させた。しかし、一見落ち着いて歩いていたように見えた到着直後の周回でも、競馬学校生徒による模擬レースのときよりも明らかに心拍数は高かった。地下馬道を歩いているときの心拍数はジョッキーマスターズの方が低いくらいなので、これには多くの観客がパドックの周囲を埋めていたことや薄暗い中でのカメラのフラッシュなどがある程度は影響した可能性がある。 ■返し馬の心拍数 レース前の返し馬はレースにのぞむ競走馬にとっての直前のウォーミングアップにあたる。ウォーミングアップには、体温を上げたり関節の動きをよくしたり、あるいは精神的に気合をのせるといった重要な意味合いがある。以前、競馬のときにどの程度の返し馬が行なわれているかを調べたところ、走行距離は300〜400mくらいで、スピードはハロン15〜17秒のものが多く、ハロン13秒を超えるような速いスピードのものは少なかった。ただ、すべてのレースで一定であるわけではなく、馬場への入場地点とスタート地点の関係や、待避所のある場所がどこであるかなども、返し馬の走行距離に微妙に影響しているようだ。今回の返し馬のスピードは正確にはわからないが、心拍数がおよそ170〜200拍/分であったので、おそらくハロン15〜17秒程度の標準的な返し馬であったと思われる。もちろん、レース前の返し馬だけがウォーミングアップというわけではなく、パドックに至るまでの常歩運動も重要な意味を持っていることはいうまでもない。 ■ゲートからスタート時の心拍数 ゲート入り前にゲートの周囲で常歩しているときの心拍数は、平均するとおよそ100拍/分程度であったが、ゲートに入るだけで心拍数は170拍/分まで上昇した。これと似たような現象が、陸上選手がスタートする際にスターターの合図を待ちながら集中しているときにも認められることが報告されている。おそらくは、交感神経の緊張によるものであろう。 (競馬ブック 2009.1.5号 掲載) ![]() ![]() |
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