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ウマが上り坂を走っているときの呼吸循環機能を詳しく調べるためには、トレッドミルは大変有用であり、JRA競走馬総合研究所においてもトレッドミル導入後すぐに、上り坂走行時の呼吸循環機能に関する研究が行なわれた。トレッドミル運動負荷試験では酸素摂取量をはじめとする多くの項目を測定できるので、得られた成績は大変有用だ。しかし、実際に野外でトレーニングしている競走馬の生体負担度を評価するには、運動中の心拍数を測定することが実用的である。 ■トレッドミル運動負荷試験における心拍数と傾斜およびスピードとの関係 前回の連載でも取り上げたように、JRA競走馬総合研究所では、トレッドミル傾斜を変化させて(0%・3%・6%・10%の4種類)、走路面の傾斜の違いが運動中のウマの呼吸循環機能におよぼす影響を確かめる実験を行なっている。 ■上り坂走行とポニーの心拍数 ミズーリ・コロンビア大学の研究グループは、平均体重約170kgのポニーを、傾斜をそれぞれ0%・7%・12%に設定したトレッドミル上で走行させ、傾斜の違いが運動中の心拍数におよぼす影響を評価している。ポニーは小さいので、走行スピードはサラブレッドよりも当然遅く、3種類の傾斜のトレッドミル上で、秒速1.0m _ 1.8m _ 2.6m → 3.4mの4段階のスピードで4分間ずつ運動した。0%傾斜のトレッドミルを秒速3.4mで走っているときの心拍数は159拍/分であり、7%傾斜では182拍/分、12%傾斜では216拍/分であった。この実験からおおまかに見積もると、この研究で用いたポニーたちでは、傾斜が1%きつくなると心拍数は6拍/分程度増えるようだ。この数値はサラブレッドでのデータと大差ないようである。 ■野外坂路コースでの心拍数 日高地方浦河町の軽種馬育成調教センター(BTC)にも屋内坂路コースがある。この屋内坂路コースの表面素材はウッドチップとバークの混合素材である。そこで、表面素材がウッドチップであり屋内坂路コースと似た表面素材を持つ屋内直線1000m平坦コースとで、走行中の心拍数を比べた。その結果、ハロンタイムで比較して、屋内坂路コースは平坦コースよりも、2〜3秒遅いタイムで同じ負荷になることがわかった。屋内坂路コースの傾斜は3〜4%なので、概ねトレッドミル運動負荷試験で得られた傾斜の影響とほぼ同様な結果が得られているといってよい。 (競馬ブック 2009.8.23号 掲載) ![]() |
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