気管支肺胞洗浄による競走馬の肺炎の治療
競走馬の肺炎とは 肺炎は主に細菌やウイルスの感染によって起こる呼吸器感染症で、発熱や呼吸困難などの症状 を伴う病気です。肺炎に罹った馬でも、初期に適切な治療を施せば比較的短期間で完治しますが、 治療が遅れると重度の肺炎や胸膜炎を起こし競走馬としての生命を絶たれることもあります。競 走馬に発生する肺炎の多くは輸送性肺炎です。輸送性肺炎とは輸送熱の悪化に伴い肺に細菌が感 染して起こる肺炎のことを言います。通常、輸送熱に罹っても、補液などの適切な治療を施せば 速やかに快復しますが、極度のストレスを受け体力や免疫力が低下した場合、輸送熱がこじれて 肺炎を誘発してしまいます(図1、2)。
| 図1:健康馬と肺炎発症馬の胸部レントゲン像 | ||
![]() 健康馬 |
![]() 肺炎発症馬 | |
| 健康馬の肺で黒く透けて見える部分が、肺炎発症馬ではすりガラス状に見える。 | ||
| 図2:気管支鏡所見 | ||
![]() 健康馬 |
![]() 肺炎発症馬 | |
| 健康馬の気管支粘膜は薄いピンク色で光沢感があるが、肺炎発症馬では 黄色の多量の粘液が付着している。 | ||
馬用気管支鏡の開発の経緯 馬用気管支鏡(図3、4)は、1985年に肺出血の診断 法の研究のために開発されました。成馬の気管は長い ので、馬用気管支鏡の長さは3メートルにもなり、開 発には様々な試行錯誤が繰り返されました。またこの 開発と同時に、気管支鏡の使用法を確立するために、 気管の局所麻酔処置や気管支内容物の採材法などにつ いても併せて検討されました。 |
![]() 気管支鏡からの画像所見は、 モニターに映し出される。 | |
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