診断キットの開発

 家畜伝染病予防法では、馬の監視伝染病として家畜伝染病が8種類、届出伝染病が13種類、合計21 種類が指定されています。しかし、これらを診断しようとしても2001年からは馬インフルエンザの診 断液が販売中止となり、現在市販の診断液は馬伝染性貧血、日本脳炎、馬パラチフスの僅か3種類の伝 染病に対して用意されているに過ぎません。そのため、個々の診療機関や検査機関では、診断用抗原あ るいは診断液を必要に応じて外部試験研究機関等から分与してもらうか、自ら作製したものを用いて診 断しなければならないのが現状です。    JRAでは多くの競走馬を繋養している東西トレセンで伝染病が流行することを予防するため、入厩検 疫制度を設けています。入厩検疫では、多頭数の競走馬がスムースにチェックを受け短時間に入厩でき る、迅速かつ効率の良い検査システムが求められます。そこで総研栃木支所では特別な検査室を保有し ない施設でも、安全、簡便かつ短時間に検査できる免疫学的診断法の一つである、エライザ診断キット の開発を進めてきました。現在、下記の診断キットのうち、既に開発済みの幾つかのキットを組み合わ せた自動あるいは手動検査システムがトレセンや競馬場に配備され、入厩検疫で有効に利用されていま す。また、馬ウイルス性動脈炎エライザ診断キットについては、輸出入検査や着地検査にも活用されて います。     競走馬総合研究所栃木支所で開発されたエライザ診断キット一覧
開発時期
種  類
開発の目的
用  途
共同開発 メーカー
1993年
 〜
1994年
1.馬伝染性貧血エライザ
診断キット
入厩検疫の強化検査の
迅速化と自動化入厩検
疫期間の短縮
陽性馬の摘発を目的と
した入厩時のスクリー
ニング検査
日本生物科学
研究所
1993年
 〜
1994年
2.馬鼻肺炎エライザ
診断キット
入厩検疫の強化

検査の自動化と予防接
種体制の確立
予防接種対象馬の選定
を目的とした入厩時の
抗体検査
日本生物科学
研究所
1993年
 〜
1995年
3.日本脳炎エライザ
診断キット
入厩検疫の強化

検査の自動化と疫学監
視体制の確立
疫学監視を目的とした
入厩時の抗体検査
日本生物科学
研究所
1994年
 〜
1996年
4.馬インフルエンザ
診断キット
入厩検疫の強化

検査の自動化と疫学監
視体制の確立
疫学監視を目的とした
入厩時の抗体検査
日本生物科学
研究所
1998年
 〜
2000年
5.馬ウイルス性動脈炎
エライザ診断キット
国家・自衛防疫の強化

安全な診断液の確保と
検査の迅速化
陽性馬の摘発を目的と
した輸入検疫等のスク
リーニング検査
日本生物科学
研究所
1999年
 〜
2001年
6.馬ピロプラズマ病
エライザ診断キット
国家・自衛防疫の強化

精度の高い診断液の確
保と検査の迅速化
陽性馬の摘発を目的と
した輸入検疫等のスク
リーニング検査
日本生物科学
研究所

※キット名を押すと、その概要を表示します。  
(総研 Y.F. M.K. 2002.4.3)

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