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生産地シンポジウム
本州では大雨の被害が各地で報告されていますが、先日7月17日に九州から関東にかけてほぼ全国的に梅雨明けが宣言されました。写真1は、岐阜大学への研究に関する出張の帰りに上空から撮影した、梅雨明け当日の立山連峰とその向こうにみえる富山湾の様子です。日本は本当に美しい国であると思います。四季豊かな国、日本の本格的な夏の到来となります。

梅雨明け当日に撮影した立山連峰の様子
一方、北海道には梅雨がないといわれておりますが、衛星からの雲の動きをみるとしっかりと北海道地方にかかっていることもあり、7月は「エゾ梅雨」と呼ばれるシーズンが存在しております。テレビでもおなじみ、気象予報士の森田さんによれば、東北地方には梅雨があり、北海道にはない、という事実は、梅雨がモンスーンに由来するという科学的判断と、じめじめした梅雨は古来から続くもので、北海道にはなじみがないという日本人の情緒に沿った定義の問題だそうです。6月から7月は、牧場では1年分の良質な乾草をつくる大切な時期であり、連続した4日間、最低でも3日間の晴天の日が必要でなります。繁殖シーズンもひと段落する6月中旬からは、お天気と相談しながら、乾草づくりのタイミングを計っています。

どんよりとした日がつづく日高育成牧場、馬たちにとっては快適のようです。
先週7月15日には、新ひだか町静内にて、「生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウム」が開催されました。この中で、JRAが生産地獣医師団体と協力して行う研究である「生産地疾病等調査研究」の報告会を兼ね、「妊娠期の損耗を防ぐ管理法・検査方法」というセッションの中で以下4名の先生方の発表がありました(敬称略)。
日高管内1476例の早期胚死滅および流産の実態調査
宮越大輔(日高軽種馬農協)
カラードプラおよび3D超音波装置を用いた新しい胎子発育診断について
琴寄泰光(JRA総研)
周産期雌馬にみられる致死的な子宮広間膜血腫について
上野孝範(JRA総研)
分娩前後の栄養管理と繁殖成績について
石井三都夫(帯広畜産大学)
この発表の中で、せっかく馬が妊娠しても、早期胚死滅、流産の発生が起こり、100頭のうち15頭が産まれてこないという事実が明らかとなりました。10000頭の中で1500頭が産まれてこないということは、この中にG1馬がいたかもしれませんし、あるいは第二のディープインパクトがいたかもしれません。日本から強い馬を生産することは、競馬番組の充実や、日本馬の海外競馬への挑戦の機会を増すことにつながります。そのためには、単に繁殖牝馬の頭数を増やすばかりでなく、損耗を減らす、すなわち受胎率を向上させ、妊娠期、育成期の損耗率を軽減させることが重要であると考えられます。発表では、早期胚死滅率を低下させるためには、1)分娩後初回発情での交配をできるだけ見送る、2)分娩後の養分要求量に見合った栄養管理を行う、3)超音波診断装置を用いた精度の高い妊娠鑑定を行う、ことが重要であることが示されました。これらの結果を踏まえ、妊娠中の損耗を減らすために、超音波装置やホルモン測定を用いた診断・治療法の確立や、飼養管理方法の改善による予防策について研究を進める必要があると思われます。

4名のシンポジスが総合討論の場で会場からの質疑に応答しました
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