★ 2005.1.4

 
 新年明けましておめでとうございます。今年も「日高だより」をよろしくお願いいたします。
 関東地方では雪が降って帰省の足に大きな影響を与えていた頃、北海道では比較的穏やかな新年を迎えました。とくに、昨日から今朝にかけて浦河では雨まで降るほどの暖かさでした。しかし、この雨がクセモノ、翌日には水溜りがスケートリンクのようにツルツルに凍ってしまうので大変です。とくに放牧地の出入り口など周囲に比べて低くなっているところは、馬も人も(車も)滑りやすく非常に危険です。このような場所には砂や融雪剤をまくなどしてまずは安全を確保してから馬を放牧します(写真1)。

 さて、日高の風物詩ともなっている浦河神社騎馬参拝が1月2日に行われました(写真2−4)。この新春恒例行事は、人馬の無病息災や馬産振興を願って明治40年ころから受け継がれているもので今年は95回目だそうです。今年も約500人の初詣客が見守る中、浦河高校馬術部員、日高育成牧場の職員や乗馬少年団の子どもたち、さらには町内の馬術愛好家たちが、乗馬8頭、ポニー14頭とともに浦河神社の101段の石段を蹄音高らかに駆け上がりました。参拝後は上りよりも困難な下りを慎重にこなし今年も無事に騎馬参拝が終了しました。
 今年こそ明るい年になってほしいと願うばかりです。




写真1:御用始めの日、まずは砂まきから始まった。 写真2:当場から約12kmはなれた浦河神社に向けて行進する騎馬隊。
 

写真3:一気に頂上の社殿まで上る。 写真4:見守る参拝客から拍手がおこる瞬間。



★ 2005.1.11

 
 先週末は2日間ほど雪が降りましたが、それまでは暖かい陽射しがさす日が多かった浦河町の天候でした。その影響もあってか、例年3月半ばに芽吹くネコヤナギが町内のある場所で芽を出したという記事を目にしました。それによると、確かに今月の気温は平年に比べ2-3度高く、1月7日の最高気温(
4.7℃)は3月下旬並みだったということです。自然センサーの精度の高さには驚かされるとともに、いずれどこかで帳じりあわせの気候がやってくるのでは、という心配もつかの間、昨日雪が積もり今日は真冬日(最高気温が氷点下)だそうです。

 今月の15日から全国の映画館で「北の零年」(吉永小百合主演)がロードショー公開されます。それに先立ち、この映画のロケ地であった夕張、静内、浦河で先週末先行上映会が行われ、いずれも大盛況だったようです。浦河町でのロケは昨年夏に当場敷地内(といてもほとんど利用していない奥地)でも行われ、静内町では北海道大学静内研究牧場で行われていました。それぞれのロケ地では地元の方々の多大な協力があったようで、当場での撮影にも多くのエキストラや近隣から集めた馬を山の稜線に沿って走らすシーンなど、馬産地ならではの収録が行われました。北海道の歴史を知るためにもご覧いただきたいと思います。

 ついでに、芸能関係の話題をもうひとつ。今月下旬に「浦河の夜」という新曲が全国発売されます。歌手はすがのゆたかさん、作詞は雨宮英子さん、作曲は「好きです札幌」の中川博之さんです。雨宮さんは、シンザンフェスティバルや浦河港まつり、堺町飲食店街などを見歩き感ずるままに詩を書いたそうです。日本全国のカラオケでこの曲が歌われるくらいヒットし、そして浦河の振興につながればと町の関係者は期待を寄せています。

写真1:「北の零年」チラシ、背景の馬が走っているシーンは当場で撮影されたもので、行定勲監督をして「奇跡的」と言わしめたシーン ※拡大できます 写真2:写真1のチラシ裏 ※拡大できます
 
 
 



写真3:昨年の夏、北大牧場での撮影風景(群集の中央に吉永小百合さんがいる)
 
 
写真4:北大牧場での撮影をふりかえる記事、影の助監督といわれた北大の秦先生が紹介されている(1月7日北海道新聞朝刊より) ※拡大できます
 

写真5:名曲となるか「浦河の夜」 ※拡大できます



★ 2005.1.18

 
 昨年末に発生したスマトラ沖津波被害はその後も収拾のつかないまま混乱が続いています。そんな中、世界中から寄付金や各種の援助が行われていますが、世界の競走馬生産界からもユニークな方法での援助が行われるそうです。たとえば、多くの有名種牡馬を繋養しているクールモアスタッドでは、40頭もの種馬の1回分の種付け料を世界赤十字を通じて寄付することを表明しています。また、世界中の競馬場でもファンや競馬関係者からの募金を集めているようです。

 ところで、被災地には意外に動物の遺体が少なく、地震や津波を事前に察知していた可能性があるという報道はされていますが、被災地における馬たちの状況はあまり知られていません。アメリカの馬情報雑誌が現地獣医師と連絡をとったところ、マレーシアのペナン島(タイのプーケットから南東に位置する)のペナンターフクラブに所属する馬たちはすべて無事だったことは判明したそうですが、他の地域の状況についてはまだよくわからないようです。しかし、イギリスを中心に組織された獣医師とボランティアのチームが被災地に派遣され、現地動物の救護や今後起こり得る疾病対策活動に従事しているそうです。
 
 さて、日高地方でも子馬が生まれた、という話が早くも聞こえ始めました。これから約1ヵ月が最も寒い時期になりますが、この時期に生まれる子馬は意外と丈夫でとくに感染症などは少ないようです。当場の研究用繁殖牝馬の最初の出産予定日は2月の14日で、予定日1ヶ月前になったことから運動不足解消のための引き運動を始めました(来月になったらウォーキングマシ−ンに切りかえる予定)。これから4月まで忙しくとも楽しい日々が続きます。

写真1:出産予定日が早いグループ、放牧地では草架のそばを離れない。   写真2:分娩前の運動は難産予防に効果がある。



★ 2005.1.25

 
 北海道農業の担い手である若者たちが一堂に会し、日頃の活動報告や情報交換を行う年に一度の「北海道青年農業者会議」が先週20、21日に北海道大学学術交流会館で開催されました。これには、日高地区を代表して浦河4Hクラブの代表が繁殖牝馬に対するライトコントロール法の効果について報告しました(昨年の12月6日、13日日誌参照)。日高管内での予選のときと同様入念な予行演習を行い、代表団一同意気揚々と札幌へ向かいました(写真1,2)が、残念ながら全国大会に駒を進めることはできませんでした。ちなみに畜産の部の最優秀賞は、宗谷地区の代表が発表した乳牛管理方法の改善に関する報告だったようです。しかし、科学的な側面から繁殖牝馬の効率的な管理方法を見直すとともに、その効果をわかりやすくまとめ、北海道大会にまで進出した浦河4Hクラブの努力は賞賛に値するものであると思います。胸を張って今後も強い馬づくりに励んで欲しいと思います。
 さて、昨年末以来、オーストラリアで原因不明の流産が流行しているという話題を耳にします。南半球に位置するオーストラリアでは北半球と繁殖シーズンが半年違うのですが、3月から11月にかけての妊娠中期から後期にかけて発生しているようです。広い地域に拡大しているわけではないようですが、25頭中15頭が流産した牧場もあるようです。繁殖牝馬には何ら外見上の異常は認められず、羊膜に炎症が認められるのは、2001年から2002年にアメリカのケンタッキー州で大流行した流産(MRLS:Mare Reproductive Loss Syndrome)と類似しているとのことです。また、胎子から分離されるバクテリアなどに特別変わったものは発見されておらず、今のところ原因は明らかではないようです。「流産」ということばについ敏感になってしまう今日このごろです。

写真1:本番直前の発表練習は日高支庁の農業改良普及センターで行われた。   写真2:会場前に集合した日高代表団。
 




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