★ 2005.6.7

 
 低温続きだった5月が終わり、牧草生育のために何とか6月は気温が上昇してほしいと願うばかりの今日この頃です。例年に比べ明らかに生育が劣る牧草を尻目に、タンポポは早くからはびこり、すでに綿毛の準備も完了してしまったようです(写真1、2)。
 今はタンポポの黄色に引き続き、ヤマツツジの淡いオレンジ色がいたるところで目を楽しませてくれます(写真3)。

 本日はアジア競馬連盟(ARF)に所属する各国代表者10人が定期研修の一環として当場を見学に訪れました(写真4)。毎年の恒例行事となったこの訪問は、前夜のウェルカムパーティーに始まり、翌日半日間の見学までリラックスした雰囲気となるよう心を込めて迎えています。メンバーは、インド、フィリピン、韓国、香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、マカオ、マレーシアの競馬主催者団体に所属する人々で、互いの友好と日本の競馬や競走馬生産についての理解を深めていければ、と思います。

写真1:5月中旬には早くも咲き誇ったタンポポ(5月20日撮影)   写真2:うかうかしているうちに綿毛を付けてしまった(6月7日撮影)
 

写真3:当場内のヤマツツジ(6月7日撮影)      写真4:2歳研究馬のトレッドミル走行を見学するARF関係者



★ 2005.6.14

 
 先週の6月8日、三石軽種馬育成管理品評会(三石町農協、三石町、三石町軽種馬生産振興会共催)が行なわれました(写真1、2)。この品評会は今年で第49回を数え、最近は品評会を取りやめる地区が多い中、三石地区の軽種馬生産にかける情熱と世代交代が比較的スムーズに行なわれている表れと考えられます。雄、雌それぞれ11頭、合計22頭の1歳馬が出陳され、審査員はじめ参加者一同がバスで各牧場を移動し、立ち姿、歩様などを見て回る伝統的な方法で行なわれました。馬もさることながら、放牧地の状態や牧場の様子を見ることができるので、時間はかかりますがいろんな面で参考となります。出陳馬の選定や名簿の準備など苦労もあるかとは思いますが、今後も途切れることなくこの品評会を継続していってほしいと思います。

 本日は、JRAのテレビ用コマーシャルフィルムの撮影が当場で行なわれました。現在放映されているものの続編(夏競馬バージョン)で、ふだんは研究馬の親子が放牧されている放牧地で、馬(2歳雄研究馬)が駈けるシーンを撮影するものでした(写真3)。馬の動きにあわせてカメラも移動できるよう放牧地にレールを敷き、それに沿って馬が走ってくれれば大成功、というシナリオでしたが、意外と短時間でOKがでました。明日はグラス坂路馬場でその他のシーンを撮るようです。これらの映像をテレビで見られる7月上旬が今から楽しみです。

写真1:雄の部で最優秀賞を受賞したルックダガースの2004(マヤノトップガン産駒産、土田農場生産)      写真2:雌の部で優秀賞を受賞したきなこ(マジックガールの2004、キャプテンスティーヴ産駒、平野牧場生産)
 

写真3:好天のもと行なわれたCF撮影          写真4:先週紹介したヤマツツジは周辺の牧場でも花盛りだった(6月11日撮影)



★ 2005.6.21

 
 先週の17日、平取町の第38回軽種馬1歳育成管理品評会(平取町軽種馬生産振興会主催)が行われました。町内11戸の牧場から19頭の1歳馬が出陳され、先々週の三石での品評会同様、審査員はじめ関係者が各牧場を巡回する方法で見てまわりました。昨年は出陳馬の不足により中止に終わったとのことですが、関係者の努力により今年復活したとのことです。最優秀賞の栄誉に輝いたのは、フィンラディアの2004(雄、高橋幸男牧場生産)、金賞を受賞したのはローズレッドの2004(雄、びらとり牧場生産)でした(写真1、2)。いずれも7月に開催される北海道セレクションセール(日高・胆振・十勝軽種馬農協主催)に上場される予定で、高値で売却されることを期待します。
 
 さて、先週から早いところでは1番刈り牧草の収穫作業が始まっています。今年は春先の低温と雨不足で牧草の生育は例年に比べやや劣るように思えますが、先週から今週にかけては天候が安定するとの予報を信じて、いたるところでトラクターが動き始めました(写真3)。主要草種であるチモシーの出穂(しゅっすい:穂が出ること)時期は6月中旬ころですから栄養価の高いチモシー乾草を収穫するには今がもっともよい時期といえます。しかし、多くの採草地にはあいかわらずメドウフォックステール(昨年の5月17日、6月7日付け日誌参照)が繁茂しており、乾草に含まれるチモシーとの比率が気になるところです(写真4)。さすがに昨年秋に更新した採草地にはメドウフォックステールの侵入は見られませんが、まだ収穫するほども生育しておらず(写真5)、今年も悩み多い牧草時期になりました。

写真1:フィンラディアの2004、父はエリシオ   写真2:ローズレッドの2004、父はデヒア  
 

写真3:好天のもと、反転作業がはかどる
 
写真4:黒い穂をつけるメドウフォックステールは黒穂とも呼ばれる

写真5:昨年9月に更新したチモシーの採草地
 
 
写真6:かつて工事用車両通行のために設けた通路あと(写真中央部手前から奥に向けて)には、なぜかメドウフォックステールの侵入は認められない



★ 2005.6.28

 
 先週の月曜日から親子馬の昼夜放牧を開始しました(写真1)。昼夜放牧は、朝から夕方までの日中だけの放牧に比べ放牧時間が長くなり、運動量も増加するので馬の基礎体力を向上させるためには有効な放牧方法であると考えられます。欧米では一般的な哺乳期の子馬の昼夜放牧は、日本では鹿など野生動物の出没が原因と考えられる夜間の事故を心配するため実施例は多くはありません。しかし、1歳馬の昼夜放牧は最近、近隣の牧場でも始めているようで、以前に比べやや増えているように思われます。「やってみれば、意外に何ともないもんだ」というのが初めて昼夜放牧を行なってみた牧場の人たちの感想のようです。牧柵や放牧地面を整備し、十分な放牧地面積を確保することが昼夜放牧成功の秘訣と思われます。また、鹿が放牧地に侵入してきても驚かない母馬となら哺乳期子馬からの昼夜放牧も問題なく行なえると思います。

 先週半ばの3日間、2名の浦河高校3年生が就業体験学習のため当場にやってきました(写真2)。いずれの学生も実家が軽種馬生産牧場だけあって馬の扱い方は慣れているように見えました。しかし、トレッドミルを使ったパフォーマンステストの見学では、馬の走る様子をすぐそばで見ることができ感動していました。

写真1:初めての昼夜放牧を経験した子馬たちの収牧、意外と疲れはなさそうだった   写真2:1歳研究馬を引く浦河高校生
 




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