★ 2005.7.5

 
 先週の1日、当場の当歳研究馬を使って個体識別用のマイクロチップを挿入する試験を行ないました。マイクロチップによる個体識別法は国際的に急速に普及しつつあり、現在10カ国以上の競馬開催国で利用されているようです。日本においても2007年以降に生まれる産駒は、マイクロチップが埋め込まれていなければ出走することができなくなるようです。マイクロチップは、頚部中央、たてがみの生え際から約5cm下方に埋め込みますが、出血もなく意外とスムーズに終了しました。今回挿入したマイクロチップは、体温を測定することも可能で、今後は直腸温とマイクロチップが発信する体温との差を検討していく予定です。

 先週2日は当場で夏季町民乗馬大会(JRA日高育成牧場、浦河町教育委員会、浦河乗馬クラブ共催)が行なわれました。牧草収穫が気になる晴天のもと、ポニー少年団に所属する子供たちから中学、高校生、社会人(JRA職員含む)まで、多くの乗馬愛好家が楽しい一日を過ごしました。閉会後は恒例のバーベキューパーティーで盛り上がったのは言うまでもありません。
 みんなが楽しんでいる間、牧草作業に励んでいた職員に感謝いたします。

写真1:マイクロチップ試験には大勢の獣医師が集まり、まず会議室で説明を受けた   写真2:埋め込む前のマイクロチップをまずスキャナーで確認する 
 

写真3:当場職員のL級障害飛越風景
 
写真4:バーベキューパーティーで紹介されるポニー少年団の子供たち



★ 2005.7.12

 
 先週の6日、「ホッカイドウ競馬を守るため、みんなで馬券を買いましょう」という非常にわかりやすいスローガンのもと、浦河ウエリントンホテルのホールで道営競馬のミニ場外「Aiba浦河」の応援イベントが行なわれました(写真1)。このイベントは、ビールを飲みながら旭川競馬場で行なわれているナイター競馬を楽しみ、ホッカイドウ競馬の売り上げ向上を目指すもので、今年で3年目の開催となりすっかり定着した感があります。会場は大勢の競馬ファンで埋まり、レースのたびに大歓声がわきあがっていました。この日の「Aiba浦河」での売り上げは390万円とまずまずとのことでした。本イベントは10月13日の最終日まであと4回開催される予定です。

 昨日と今日の2日間にわたり苫小牧市のノーザンホースパークでセレクトセール(日本競走馬協会主催)が行なわれました。このセールは優良な当歳馬が出陳されることで知られており、過去の取引馬からはディープインパクト(落札価格7000万円)、キングカメハメハ(同7800万円)、ゼンノロブロイ(同9000万円)、アドマイヤグルーブ(同2億3000万円)、マンハッタンカフェ(同1億3000万円)など多くのG1馬がでています。また、昨年の4億9000万円に比べると今年の最高落札価格2億1000万円(マストビーラヴドの2005、シンボリクリスエス産駒)は目立ちませんが、80.1%という落札率は非常に高いものでした。
 セール会場にはNHKが取材にきており、これはディープインパクトに関する番組制作のため、とのことでした。制作が順調に進むと、10月に52分間の特集番組として放映されるそうで、今からディープインパクトの三冠制覇に期待が高まります。

写真1:ビール飲む手を休め、レース映像に見入る参加者たち   写真2:最終レース終了後には浦河特産品などが当たる大抽選会も行なわれた
 

写真3:注目馬の1頭、アサクサデンエンの半弟ホワイトウォーターアフェアの2005(アグネスタキオン産駒)は9000万円で落札された


写真4:独特の雰囲気がするせり会場



★ 2005.7.19

 
 先週の13日、静内のウエリントンホテルで「第33回生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウム」が行なわれました。今年のシンポジウムのテーマは「馬感染症に関する最近の話題」で、4人の演者から話題提供がありました。また、午後からの一般講演では生産、育成に関連の深い8つの演題が発表されました。当場からは、「蹄充填剤を応用した子馬のX脚矯正法」と題し、先天的に認められる子馬のX脚(胎内での姿勢や発育異常が原因と考えられる子馬の不整肢勢のひとつ)に対し、蹄底の一部に速硬性にすぐれた特殊な液剤を充填することにより肢勢を矯正する方法を紹介しました(写真1、2、3)。

 昨日と今日、セレクションセール(日高、胆振、十勝の各軽種馬農業協同組合が主催)が静内の北海道市場で行われました(写真)。昨日は当歳馬178頭が上場、そのうち62頭が落札(落札率34.8%、平均落札価格1197万円)、今日は1歳馬191頭が上場、106頭が落札(落札率55.5%、平均落札価格1209万円)されました。このせりはセレクションの名が示すとおり、事前審査に合格した優良馬だけが上場されるせりで、来月22日から5日間にわたり開催されるサマーセールではさらに多くの馬が出陳されます。サマーセールでも今回を上回るような成績が期待されます。

写真1:生後15日齢のX脚(左)は本法により改善された(右、50日齢)   写真2:充填剤処置後の状態
 
 

写真3:蹄の内側に支持面を拡張する
 
写真4:午前中に上場馬がされ、せりは午後から行なわれた



★ 2005.7.26

 
 先週22日、十勝軽種馬農業協同組合種馬場において「第18回軽種1歳駒品評会」が行なわれました(写真1)。9頭のサラブレッドが出陳され、栄えある最高位賞には「ヒロのシャルマン」(雄、父ダイナマイトダディ、母エビスシャルマン、幕別町の朝川泰孝氏生産)が選出されました。なお、品評会前に行なわれた懇談会席上で、十勝地区における軽種馬専門の装蹄師不足により適切な蹄管理が行なえない、という実情を知らされましたが、出陳された各馬の蹄を見るにつけそのことが懸念されました。日高装蹄師会などとの連絡を密に効率よく同地区の削蹄を行なうとともに、研修会などによる護蹄に関する知識啓蒙の必要性を強く感じました。また、繁殖牝馬の発情から妊娠鑑定にいたる検査を的確に行なえる臨床繁殖獣医師の不足についても問題提起があり、これについても何らかの対策が必要と思われました。

 先週行なわれたセレクションセールでJRAが購買した1歳馬16頭(雄10頭、雌6頭)が本日入きゅうしました。特徴検査、外貌および歩様検査のあと、各生産者が見守る中数頭ずつの群れで放牧しました。馬たちにとっては、これから数ヶ月間ともに過ごす仲間たちとの最初の出会いとなる日です(写真2)。来年の4月までの育成期を無事に乗り切ってもらいたいと思います。

 

写真1:品評会はのどかな雰囲気のもとで行なわれた      写真2:しばらくは互いをけん制しながら放牧地を走り回る




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