★ 2006.1.4

 
 新年おめでとうございます。今年も日高から馬に関する情報や周辺のできごとについて発信していきますので、ご愛読よろしくお願いいたします。

さて、全国各地での大雪情報とともに新年が明けましたが、浦河地区も例外ではありませんでした。昨年12月の累積の降雪量73cmは、観測記録が残っている昭和28年以降では最大量、積雪量は27cmに達し、記録が残っている昭和2年以降では、昭和6年の33cm、昭和2年の32cmに次ぐ量であったと報道されています。しかし、おなじみの強風は影を潜めているせいか、寒さはあまり感じませんが、これからも予断を許さない気候が続きます。

こうしたなか、1月2日には新春恒例の騎馬参拝が浦河神社で行なわれました(写真1)。この行事は、人馬の安全と馬事振興を祈願して明治43年以来行なわれているもので、今年で96回目を迎えます。当場をはじめ、浦河地区の乗馬愛好家が乗馬やポニーに騎乗したまま、大勢の参拝客が見守る中、社殿までの石段を一気に上り下りします。21頭全馬が無事に参拝を終え、馬関係者には幸先のいいスタートとなりました。

2歳になったJRA育成馬も今日から本格的な調教が再開されました(写真2)。この馬たちの中から、昨年の12月の中山競馬場で黒松賞、フェアリーステークス(GIII)を連勝したダイワパッション(父フォーティナイナー、写真3)のような活躍馬が何頭もでてくることを期待しています。

写真1:除雪された石段を一気に駆け上がるが、下りはヒヤヒヤものだ   写真2:JRA育成馬専用の屋内800m馬場で調教する
 

写真3:フェアリーステークスゴール前のダイワパッション 写真4:場内1600mコース手前から見える日高山脈



★ 2006.1.10

 
 先週5日から例年同様、軽種馬育成調教センター(BTC)研修生たちが育成馬の騎乗実践研修のため、当場でJRA育成馬の調教に参加しています(写真1)。この実践研修は、研修生たちが卒業する4月まで続けられ、彼らにとっては就職先で非常に役立つカリキュラムとなっています。育成馬の成長をからだで感じ取りながら、最後までがんばって卒業していってもらいたいと思います。

 1歳になったばかりの研究馬たちは今年初めての削蹄を行ないました(写真2)。肢勢や蹄形が不安定な時期はもう過ぎましたが、雪や氷の上だけでなくウォーキングマシーンでの常歩運動も行うこの時期にも、1ヶ月間隔程度の削蹄は必要と考えられます。冬期の蹄の成長は緩慢となる(図1)ので削蹄をおろそかにしがちですが、これから春先に向けて、天候によって放牧地の状態も変化し、1歳馬の蹄の状態もそれに合わせて変化します。一昨年の春先、1歳研究馬に次々と白線裂が発症したことがありました。これは、放牧地の雪が融けては凍ることを繰り返し、液状になった泥が少しずつ白線(図2)のすきまに入り込んでいったことが原因であったと考えられます。今のところ放牧地には雪が多いので心配はあまりないのですが、いずれにしても最善の予防策は蹄を清潔に保つことと定期的な削蹄によって小さな裂蹄などを早めに修復しておくことです。
 「蹄なければ馬なし」を肝に銘じて、すべての馬の管理を行ないたいものです。

写真1:調教前に行なうゲート通過を行なうBTC研修生   写真2:削蹄前後で行なう歩様検査
 




図1:1歳から2歳にかけての蹄の伸長量は冬期に低下する ※拡大できます 図2:図の白線(白帯)の部分に空隙が生じることによって白線裂となる ※拡大できます



★ 2006.1.17

 
 昨日、えりも町軽種馬生産振興会の第41回通常総会がえりも町で開催されました。例年、各地区の軽種馬生産振興会の総会は2月から3月にかけて行なわれるのが一般的ですが、今回えりもでの総会がこの時期に開催された理由は、同振興会が解散を余儀なくされたことによるものでした。昭和40年に設立され、一時期は30名を越える会員数がいたえりも町軽種馬生産振興会も近年、会員は数戸にまで減少し、振興会の維持が困難となってしまいました。今回の解散は、役員の方々にとっては苦渋の決断であったことと思いますが、解散宣言の中では、軽種馬生産を継続する牧場では今後も強い馬づくりに励む、との力強いことばも聞かれました。

 本日、韓国の長水郡というところから視察団がやってきました。視察の目的は、これまで果樹栽培と畜産がおもな産業であった長水郡に、あらたに建設された競走馬の育成施設を有効に利用するためだそうです。この日のために除雪した道路を通って案内した調教場の前景を見渡せる展望台では、あまりの寒さのため一同声も出ませんでしたが、屋内調教場やBTC人材養成施設、JRA育成馬の調教風景、研究施設などを案内すると目を見張って見学していました(写真1、2)。

写真1:晴天だったが寒さは厳しかった展望台   写真2:屋内1000m直線馬場で調教風景を見守った



★ 2006.1.24

 
 先週の20日、静内で「サラブレッドクラブラフィアン・ラフィアンターフマンクラブ20周年記念パーティー」が盛大に行なわれました。このパーティーを主宰した同クラブの代表である岡田繁幸氏は開会のあいさつのあと、地方所属馬へのための中央競馬出走枠拡大が「夢」を生み、結果的に軽種馬生産地を救うという持論を展開し、大勢の参加者から支持を受けていました。また、岡田氏が導入した種牡馬ロージズインメイ(Roses in May)の紹介がデモビデオを使って行なわれました。聞いている人々を引き込む語り口で、あっという間に最初の1時間が過ぎました(写真1)。

 本日、浦河町総合文化会館で馬(バ)ラエティ町民講座(日高支庁、浦河町共催、日高育成牧場後援)が開催されました(写真2)。プログラムは、馬に関する講座として、北海学園大学の古林英一先生による「ばんえい競馬の歴史」、北海道開拓記念館の船山直治氏による「北海道の民族芸能と馬のかかわり」が行なわれ、また浦河民謡愛好会による「日高馬方三下り」や「十勝馬歌」などが披露されました。約2時間、馬の新たな側面に接することができました。第2回目は、今週27日に行なわれます(「日高だより」の「イベント開催のお知らせ」でご確認ください)。

写真1:閉会では後継者の岡田紘和氏があいさつした    写真2:町民講座会場には町内小学生が書いた馬の絵も展示された ※拡大できます



★ 2006.1.31

 
 先週の24、25日、JRA育成馬の発育状況を関係者全員で1頭ずつ検査する恒例行事、育成馬検査が行なわれました(写真1)。JRA本部の職員を始め、当場の獣医師や装蹄師、研究室員など多くの目で歩様や馬体をチェックしていきます。いずれの育成馬たちも概ね順調に発育しており、4月に中山競馬場で開催されるブリーズアップセールに向けて、さらなる成長が期待されます。

 27日には、24日に引き続き第2回目の馬(バ)ラエティ町民講座が行なわれました。今回は、帯広畜産大学の柏村文郎先生(写真2)による「海外のドラフトホースを訪ねて」、北海道大学の秦寛先生(写真3)による「馬と森のお話し」の馬講座2題と、浦河町立図書館朗読ボランティアの蛭川みどり氏によるエッセイの朗読が行なわれました。普段はサラブレッドしか見ることのない私たちにとって、海外の雄大な馬や頑強なドサンコの話しに心洗われる思いがしました。

 町民講座が行なわれた浦河町総合文化会館では、来月26日に行なわれる浦河町民ミュージカル「浦河行進曲」(写真4)の練習が行なわれていました。昨年夏のオーディションに合格した多くの小学生や中学生が登場するこのミュージカルは、夢をあきらめずに馬産に励む姿がストーリーになっているとのことです。子供たちがどんな演技を見せてくれるのか、楽しみです。

写真1:BTC研修生たちも検査の様子を見守った      写真2:ヨーロッパの重種馬を豊富な写真で紹介していただいた柏村先生
 



写真3:ドサンコには豊かな森を作る能力があることを紹介していただいた秦先生
 
写真4:ミュージカル「浦河行進曲」は浦河町総合文化会館開館10周年事業として行なわれる
※拡大できます




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