★ 2006.11.8

 
 先週1日、日高育成牧場において獣医師を対象とした「生産地獣医技術向上のための研修会」が行なわれました。今回のテーマは「馬の上気道疾患と内視鏡検査」(講師:頃末憲治職員)で、日高、胆振地区の獣医師約40名が熱心に受講しました(写真1、2)。近年のせりでは、上場馬の個体情報が開示されるようになってきましたが、競走馬のプアパフォーマンスの原因として上位にある上気道疾患の適切な診断は、軽種馬生産地の獣医師にとって不可欠な技術になるものと考えられます。そのような意味から、今回の研修は非常にタイムリーで意義深いものであったと思われます。

 昨日の道内はいたるところで暴風が荒れ狂い、道東の佐呂間町では竜巻により9人もの犠牲者がでました。同じ日、道内では他の2ヶ所でも竜巻と見られる突風が観察され、うち1ヵ所は日高管内の厚賀町でした。地上付近を寒冷前線が通過するなか、東からの暖かい空気と西からの冷たい空気が北海道上空でぶつかって上昇気流を生み、渦のある積乱雲を発生したことが原因と考えられているようです。竜巻予報システムの開発が待たれます。

写真1:第1部ではスライドで症例ごとにメカニズムなどが紹介された   写真2:第2部ではトレッドミル運動中の上気道の様子を観察した



★ 2006.11.14

 
 11月4日から9日にかけて、本日誌でも何回か紹介(2月21日付け日誌、7月19日付け日誌参照)したアメリカの飼養管理技術者を招聘しての牧場巡回指導が行なわれました。2月、7月に続き第3回目となる今回は、日本軽種馬協会が準備した携帯可能な体重計を軽トラックに積んで持ち歩き、調査対象馬である離乳後当歳馬や繁殖牝馬の体重を測定しながら、発育状況や栄養状態をチェックしました。
 今回の講師のうちのひとりは10月のケンタッキーでの研修で発育チェックのテクニックを披露してくれたスティーブ・カデル氏(10月23日付け日誌の写真4で体高の測定をしている人)で、ケンタッキーでの再現を見ているような錯覚を覚えました。カデル氏は、過去10年以上もの間ケンタッキーで毎月20以上もの牧場を巡回し、馬のボディコンディションや栄養チェックをしている大ベテランです。今回、とある牧場にいたアメリカから輸入された繁殖牝馬のボディコンディションスコアを測定していたところ、その馬が子馬のときにアメリカで発育チェックしたときのことをちゃんと記憶していたことに一同驚かされました。また、彼は装蹄師としての技術も持っていることから、今回は実践的な研修を受けることができました。

写真1:廊下の左側に設置された携帯型体重計   写真2:ひと段落すると牧場の人たちを交えてディスカッション
 

写真3:蹄管理は今回のテーマのひとつだった 写真4:夜のミーティングも恒例となった    



★ 2006.11.23

 
 昨日は日本全国でも大荒れの天候だったとのこと、北海道でも各地で暴風雪警報がでていました。ここ浦河でも昨夜37mを越える強風が吹いたと報道されていました。また、若干雪も降ったようで、うっすらと周辺が白くなったのはこの秋以降初めてのことです(写真1)。

 昨夜は、日高支庁の有志による呼びかけで、馬の育成に携わっている外人と町民との交流会がありました。今回が初めての試みだったので、まずは少人数でこじんまりやってみようと、オーストラリア、ニュージーランド、ウクライナから来ている外人5名と町民有志6名が集まりました。手作りの料理を前にいろいろな話題が飛び交い、楽しいひと時を過ごすことができました(写真2)。今後も続けていければ、と思います。

 昨日、「ばんえい競馬存続危うし」の報道がなされました。現在、旭川、北見、岩見沢、帯広の4市による北海道市営競馬組合が運営している「ばんえい競馬」は、累積赤字がかさみ、すでに旭川市と北見市が撤退を決定しています。一方、継続を希望しているが1市のみでの開催は困難としている帯広市に対し、判断を保留していた岩見沢市の動向が注目されていました。そんな中、先日行なわれた岩見沢市による市民を交えた存続に関する会議で、撤退の方向性が示されたとのこと、近々岩見沢市も撤退を決定する見込みとなりました。

 経済優先とはいえ、北海道遺産にも指定されている世界でも唯一の「ばんえい競馬」を何とかして存続する方法はないものでしょうか。帯広市を応援したい気持ちで一杯です。

写真1:昼夜放牧中の離乳後の当歳研究馬   写真2:おおいに盛り上がった交流会



★ 2006.11.29

 
 今年の7月から着工されていた場内にある屋内坂路馬場の延長工事(写真1、2)は、先週無事に竣工し、本日その馬場清め式が執り行われました(写真3)。
 屋内坂路馬場は平成11年12月に完成して以来、屋内1000m直線馬場とともにもっとも利用頻度の高い馬場として若馬の育成に貢献してきました。しかし、その構造はスタート地点からすぐに傾斜が始まり頂上はほぼ行き止まり状態となっていることから、実質の調教距離は全長700mのうちの400-500m程度と考えられていました。そこで、坂路部分を有効に利用した調教が行なえるよう、傾斜が始まる地点にいたるまでの平坦部分を300m延長し、十分な助走距離を確保する工事を行なうこととなったのでした。なお、坂路部分はこれまでどおり、2.5%(200m)、3.5%(350m)、5.5%(50m)と変更はありません(写真4)。
 一般調教馬へのオープンは12月1日を予定しています。今回の工事により、これまで以上に効果的な坂路調教が行なえるものと期待されます。

写真1:工事最終段階の様子(10月2日撮影)   写真2:平坦部分が今回の工事で延長された
 

写真3:無事故を祈願する 写真4:馬場断面図 ※拡大できます




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