★ 2007.1.5

 
 新年あけましておめでとうございます。本年も「北の研究室から」をよろしくお願いいたします。

 年末から年始にかけての北海道は穏やかな気候となりました(写真1、2、3)。札幌でもほとんど降雪がなく周辺のスキー場では雪不足で困っているようです。今日も昨日に続き、道内各地では3月頃の陽気らしく、これはこれで今後の帳尻あわせが心配です。
一方、今年は全世界的に観測史上最も温暖な年になるとの予測があり、自然環境への影響や異常気象による災害も懸念されるところです。気温上昇の主要な原因は、毎年クリスマス頃に赤道付近の東太平洋あたりで発生する海水温度の上昇が、数年に一度長期間にわたって継続するエルニーニョ現象によるものとされています。すなわち、今年はエルニーニョ当たり年というわけです。ちなみに、「エルニーニョ」はスペイン語で「神の子」を意味するらしく、クリスマスの頃に発生するからだそうです。

 そんななか、2月から3月にかけての出産を控えた繁殖牝馬たちは昨日からウォーキングマシーンによる常歩運動を開始しました(写真4)。今日はまだ開始2日目ですので速度は時速4km、時間は15分間ですが、徐々に時速5kmで30分間まで負荷を増加していく予定です。速度が速過ぎたり時間が長くなるとストレスを与えてしまうので、繁殖牝馬の様子を見ながら調節するのが重要です。

写真1:屋内坂路馬塲頂上付近から日高山脈を望む(1月4日撮影)   写真2:冬期間は閉鎖中の坂路グラス馬塲も小春日和状態
 

写真3:暖かさにつられてか、大きな角を持つ雄鹿が4頭現れた
※画像をクリックすると拡大できます
写真4:いずれもウォーキングマシーン経験馬なので安心
 



★ 2007.1.10

 
 先週末、太平洋岸を北上した低気圧は北海道に大きな被害をもたらしました。とくに7日未明の日高地方は強風に見舞われ、浦河では観測史上2番目という風速48mを記録しました。日高育成牧場内の倒木は54本に達し、駐車場の屋根や放牧地の牧柵が損壊しました(写真1、2)。浦河町の速報によると、軽種馬生産育成牧場のうち50軒以上が何らかの被害を受け、ビニールハウスなどの農業施設の被害総額は約1億円と報じられています。
 一方、道東では場所によって80cmを超える積雪量をもたらしました。この低気圧は九州南方沖で発生し、南海の高気圧に沿って北上、さらに大陸で発生した別の低気圧と合体し勢力を拡大したということです。南海の高気圧発生の原因は、先週紹介したエルニーニョ現象と考えられており、今後も予断を許さない気象状況が続きそうです。

写真1:寮の駐車場の屋根を直撃した手前の木は翌日には撤去されていた   写真2:馬が放牧地にいない真夜中だったのは不幸中の幸いだった



★ 2007.1.24

 
 大寒直前の先週18日、浦河にも久しぶりに雪が降り積もりました(写真1)。よく考えてみると今年初めての雪だったような気がします。札幌でも、雪の量は昨年の3分の1とのこと、例年ならこの時期、市内を走り回っている除雪、排雪車両の姿はあまり見かけません。
 東京では梅が平年より10日以上早く咲き、ワシントンでは桜が2ヶ月も早く開花したというニュースからも地球温暖化は着実に進行していることがうかがえます。

 こうしたなか、馬の出産シーズンが近づいてきました。今年は雪が少なく暖かいせいか、分娩前の繁殖牝馬も放牧地ではよく動いているような気がします。運動不足による難産は少なくなるかもしれません。
 日高地区では、この時期の繁殖牝馬に馬服を着せて放牧することが多くなりました(写真2)。かつては(今よりもっと寒かったころ)服を着た馬などめったに見ることはなかったのですが、その効用となると、実のところはっきりしていません。受胎率が向上すると言う人もいますが、出産後は子馬の授乳を妨げないよう馬服は脱がせなければならないことを考えると、1、2月の厳寒期に出産する馬にはとくに着用前後のギャップが大きくなり反動が心配になります。また、晴天の日には貴重な日光を全身に浴びさせ体内でのビタミンDの合成を促進させてやりたい、とも思います。
 ちなみに海外では寒冷地であっても馬服着用の習慣はあまりなく、温暖な地域から寒冷地に移動してきた馬や老齢馬、コンディションの悪い馬などに対して着用することがあるとのことです。

写真1:日高育成牧場正門付近の雪景色   写真2:素材はいろいろだが、防水加工は必須だ




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