★ 2007.2.7

 
 浦河測候所の発表によると、1月の浦河の降雪量は観測史上最低の1cmだったそうです。平年値の57cmからはほど遠い量となりました。平均気温も平年よりも2℃も高い氷点下0.8度だったとのこと、そこまで暖かかったかなあ、という印象もありますが、少なくとも当場が位置する浦河町西舎ではもう少し雪が多く、また寒かったとは思います。

 先週初め、昨年のケンタッキーダービー馬バーバロ(Barbaro)が8月間にわたる闘病の末、併発した蹄葉炎のため安楽死しました。現在考えうる最高水準の獣医技術をもってしても不治の病、蹄葉炎を克服することはできなかったようです。しかし、バーバロが残した闘病記録は今後の獣医技術のさらなる発展に貢献するはずです。日本では時を同じくして、有馬記念(1981年)や天皇賞(1982年)を勝ちメジロライアンなどの父でもあるアンバーシャダイとエリザベス女王杯(1982年)勝ち馬で日本を代表する名牝ビクトリアクラウンが天寿を全うしました。

 一方、新しい生命の誕生も周辺の牧場から聞かれるようになりました。例年より少しだけ暖かい分、今年の早生まれの子馬は幸せかもしれません。昨年本日誌(3月7日付け)で紹介した牧場では、早生まれ子馬用の屋内パドックを増設したうえ、敷料にゴムチップを利用していました(写真1)。廃タイヤを利用した適当なサイズのゴムチップはクッションがよく、ウッドチップで認められるような塵埃発生がありません。また、熱吸収性にすぐれ子馬にとっては快適なベッド素材となります。そういえばケンタッキーでは、子馬用パドックだけでなくウォーキングマシーンや種付け場の床材にも使われていました。いずれ日本でも普及すると予想されます。

 この時期、各地区の軽種馬生産振興会総会が行われます。昨日は、浦河町の振興会総会と「平成18年度重賞競走優勝牧場を祝う会」が行われました(写真2)。昨年は、浦河産馬からメイショウサムソンを初め12頭の重賞勝ち馬をだし、いつになく盛大な会となりました。今年も昨年のような活躍馬が登場することが期待されます。


写真2:表彰を受ける生産牧場の方々




写真1:屋内パドックで快適に過ごす親子馬  



★ 2007.2.14

 
 先週から、この時期恒例の日高各地区における軽種馬生産振興会総会が順次始まりました。総会では事業や予算の報告、審議、役員の改選などについて討議されたのち、日高軽種馬農協との懇談会が行われます(写真1)。地区によっては、さらにその後「重賞勝ち馬生産牧場祝賀会」も催されます。とくに、日高軽種馬農協との懇談会では、いずれの地区においても生産者側に立ったせり規定の見直しや財政状況に関する質疑など、厳しい情勢にある競走馬生産を反映した質疑が行われました。

 今年から日本軽種馬協会静内種馬場で共用される新種牡馬2頭が先週相次いで到着しました。1頭は先週6日に到着した昨年のヨーロッパ中距離チャンピオンであるデビッドジュニア(2002年生、アメリカ産、写真2)、そしてもう1頭はヨーロッパでG气戟[スを7連勝したザ・ロックことロックオブジブラルタル(1999年生、アイルランド産、写真3)で9日に着きました。
昨年のメイショウサムソンのように、同種馬場で繋養する種牡馬を父に持つ日高産馬の活躍が期待されます。

 当場の繁殖研究馬2頭が先週末出産しました(写真4)。いずれも安産で子馬は元気に育っています。今年、早生まれ子馬と遅生まれ子馬の発育を検討するために2月と5月にそれぞれ5頭ずつ誕生するよう調整したところ、神のご加護があったようです。

写真1:三石での懇談会風景、後方の横断幕は2月1日に大井競馬場で行われた「現役外国馬導入反対総決起大会」で用いられたもの   写真2:若さあふれるデビッドジュニア(2月6日撮影)
 
 

写真3:馬体の柔らかさと風格が目を引くザ・ロック(2月9日撮影) 写真4:11日に生まれた子馬、装い正してパドックへ向かう(本日撮影)



★ 2007.2.21

 
 本日誌でも数回にわたって紹介(昨年の2月21日、7月11日、11月14日付け各日誌)したアメリカ人飼養管理技術者による牧場巡回指導が19日から24日までの予定で始まりました(写真1)。牧場によってはすでに子馬が生まれているところもあり、体重や体高の測定を行いました(写真2)。

 この期間中、指導者のひとりであるペイガン博士(ケンタッキー・イクワイン・リサーチ社)に「強い馬づくりのための発育と飼養管理」について講演をしていただきました。聴講者数は異例ともいえる280名にも達し、この話題についての関心の高さにあらためて驚かされました(写真3、4)。予想以上の来場があったため、急遽椅子を並べたり、200名分用意していた配布資料を急ぎコピーに走ったり事務局はおおわらわでした。
 講演では、ケンタッキーで生産されたサラブレッドの発育と競走成績との関連や丈夫な骨格をつくるための栄養などが紹介され、質問も活発に行われました。

写真1:1歳馬の発育状況を1頭ずつ確認する   写真2:2月2日生まれの子馬、すでに体重は73kgに達していた
 




写真3:約2時間にわたり講演したペイガン博士 写真4:会場からあふれた人もいた
 




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