★ 2007.3.1

 
 先週、静内地区にある種馬場で繋養されている種牡馬の展示会がありました。この展示会は、本格的な種付けシーズンを目前に控えた軽種馬生産者に、その種場場の種牡馬を配合相手に選んでもらおうとピカピカに仕上げた種牡馬を1頭づつ見てもらい、その馬の成績や特徴を紹介するものです(写真1)。とくに、本年度から供用される新種牡馬には熱い視線が注がれます(写真2、3)。

 昨日、浦河町で「馬(バ)ラエティ町民講座inうらかわ」(北海道日高支庁・浦河教育委員会主催)が約80名の参加者のもと開催されました(写真4)。北海学園大学教授の古林先生による「ばんえい競馬のその後」では、ばんえい競馬廃止から急転直下存続へと動いた背景にはギャンブルとは無縁の地域住民の支援が大きかったこと、このことは財政競馬からの脱却へとつながる可能性があるという部分が印象的でした。また、当場職員の朝井による「サラブレッドの速さのひみつ」では、浦河産馬であるテイエムオペラオーの心臓がいかに優れていたか、ディープインパクトの走行フォームがいかに効率的か、について紹介されました。
 本講座の目的は、地域の個性を形成する貴重な財産である「馬」に対する町民の理解を深めることであることから、当場としては今後も協力していきたいと考えています。

写真1:今年で22歳になるフォーティナイナーも元気な姿を見せた(JBBA種場場で)   写真2:なりものいりで日本にやってきたザ・ロックことロックオブジブラルタル(JBBA種場場で)
 

写真3:今年種牡馬デビューの天皇賞馬スズカマンボ(アロースタッドで) 写真4:ばんえい競馬存続の経緯を裏話を交え説明していただいた古林先生



★ 2007.3.7

 
 最高気温が0℃未満となる真冬日が1日もなかった2月が終わって早くも1週間が過ぎ、国道には種付けに向かう馬運車の姿が目立つようになりました。

 先週2日、ひだか東農協が出資して設立した優駿サポートが主催する技術講習会が開催されました。この講習会は昨年春から開始され、今回で第5回目を数えます。「土壌分析結果のみかたとその利用」(講師:日高農業改良普及センターの淺石氏)では、日高東部地区の土壌の特性や土壌の物理性、化学性の改善方法について説明され、「子馬の肢軸異常」(講師:NOSAI日高の佐藤氏)では、子馬に認められる肢軸異常の紹介と最近の治療方法が症例写真とともに説明されました。参加者は浦河地区の生産者約50名で熱心に聴講していました(写真1)。

 今日、浦河の川越ファームで2001年の桜花賞、秋華賞を勝ったテイエムオーシャン(写真2)を見てきました。とてもおとなしく元気そうで、お尻の大きさに驚きました。残念ながら今年は子馬を出産しませんが、来年にはまた元気な子を産んでくれそうです。また、1歳になるテイエムオーシャンの子(父はテイエムオペラオー、写真3)も順調に発育しているようで、来年のデビューが楽しみです。

写真1:最近の研修会同様、若い人が目立った   写真2:収牧直後だったので馬体は汚れていたが、これも元気な証拠
 

写真3:父よりは母親に似ていた
 
写真4:2月生まれの子馬たち、好奇心の強い子馬が他の親子に近づく



★ 2007.3.21

 
 昨日、東京では全国に先がけ桜の開花が宣言されました。これは平年より8日早く、暖冬の影響とのことです。日高地方でも、陽射しの明るさが春の訪れを感じさせるようにはなりましたが、まだしばらくは朝晩、寒い日が続きそうです。

 周辺の放牧地はそろそろ「しばり」が緩み始めています(写真1)。冬期間、乾燥し白線部分にわずかな隙間ができた馬の蹄(写真2)は、凍結と解凍を繰り返し泥濘化する放牧地でその隙間から水分とともに土砂が押し上げられ、これが蹄壁に沿って上昇し、いわゆる「砂のぼり」となります。暖冬の今年、放牧馬の「砂のぼり」の多発が心配されましたが、案の定あちらこちらの牧場で1歳馬の「砂のぼり」が多いという話を聞きます。

 「暖冬の年に生まれた馬は走らない」という古いことわざがあるようですが、「砂のぼり」などの蹄疾患の多発に加え、冬期間の牧草を保護する雪が少ないことによる春先の放牧草の生育不良などが影響し、馬の発育に微妙な停滞を引き起こすのかもしれません。

写真1:日中、地面はやわらかく蹄は土中にめり込む
 
  写真2:白線部分から蹄壁内側に土砂が入り込み内部で炎症を起こすと跛行する ※拡大できます



★ 2007.3.28

 
 冬期間閉鎖していた場内1600mダート馬塲が今週26日に開場されました(写真1、2)。例年、路盤の凍結がおさまるのを待って開場するのですが、昨年の路盤改修と今年の暖冬のおかげで例年よりは若干早く3月のうちに開場することができました。
 今後はこの馬塲を使って、4月10日のJRA育成馬展示会での騎乗供覧、また5月21、22日のトレーニングセールなどが行われ、春の訪れを実感するためには必須の場所となります。

 当場の研究馬もすでに5頭が無事誕生し、元気に放牧地で遊んでいます。
今年から、近年増加傾向にあるといわれている子馬の運動器疾患の発生状況に関する調査を近隣の牧場や開業装蹄師、獣医師にも協力をいただきながら始めることになりました。発育にともなって発症する骨疾患や腱拘縮がどのような子馬に認められるのか、を検討するためには生まれてすぐからの状況を定期的に把握しておく必要があるため、多大な労力を要する調査となります。まずは、当場の当歳研究馬を対象として、歩様検査に基づく削蹄および装蹄療法の実践をじっくり行っているところです(写真3、4)。

写真1:開場を待ちわびた近隣育成場の2歳馬たち   写真2:馬塲状態は良好、手前から斜めに続く足跡は早朝に歩いた鹿の仕業だ
 

写真3:やすりによるちょっとした矯正が子馬の歩様を改善させる 写真4:右前肢の内側をひとこすり、ふたこすり




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