★ 2007.11.7

 
 先週、青森の軽種馬生産牧場を訪問する機会がありました。昭和40年頃は、全国で生産される競走馬の10%以上が青森県で生産されていたようですが、現在のサラブレッド生産頭数は200頭に満たず、全国の2%程度でしかありません。しかし、南部馬で知られるように馬産の歴史は古く独特の飼養管理方法があるのでは、と期待して青森の地を踏みました(写真1)。

 3軒の牧場を訪問し、それぞれの繁殖牝馬、離乳後の当歳馬、放牧地などを見せていただいた上で、牧場の方と飼養管理方法の改善点について話しあいました(写真2、3、4)。当歳馬の発育は日高地区の平均的なものと大差なく、球節部の骨端症や日高地区で近年多発傾向にあるクラブフットの発症率は日高に比べ低いように思われました。また、青森の冬期間は相当量の積雪があるらしく、むしろ放牧時の運動を妨げないとのことでした。しかし、ひと区画あたりの放牧地面積は概ね小さく、とくに放牧地での運動量が活発となる1歳春以降の運動量が不足する可能性が懸念されました。
 給与されている飼料の種類は多く複雑であり、ミネラルのバランスを常に良好に保つためには、確かな飼料で構成したシンプルなものにする必要があると思われました。一方、飼料の嗜好性を向上させるために、当地名産のリンゴやニンニク(写真5)が馬に与えられていたのも共通点でした。

 青森は、日高に優るとも劣らない馬づくりの可能性を秘めていると感じました。また来年は、七戸種馬場に種牡馬シルバーチャームが静内からやってくるとのこと、青森馬産の活気付けに一役買ってくれることを期待します。

写真1:七戸道の駅にあるヒカルメイジ(1957年ダービー馬)とフエアーウイン(1962年ダービー馬)の銅像   写真2:繁殖牝馬のボディコンディションスコア測定
 
 

写真3:当歳馬の発育は順調だった
 
  写真4:馬を見終わったあとの意見交換はいずれの牧場でも熱心だった
 

写真5:放牧地の横で栽培されていたニンニク 写真6:紅葉に彩られた奥入瀬渓流



★ 2007.11.15

 
 先日発表された全国学力テストの結果によると、正答率と朝食を摂っている割合との間に相関関係が認められたそうです。すなわち、学力上位県は朝食を食べる割合が高く、沖縄、北海道、大阪などの下位の府道県は低いという傾向があり、「朝食を毎日食べる生徒の方が正答率が高い」と分析されました。単に、学力テストが行われた日のことだけでなく、日々の学校における集中力維持には朝食が欠かせない、と考えられます。

 さて、育成馬の調教、とくに、初めて経験することが次から次へと要求される初期馴致においては、馬の集中力維持が重要です(写真1、2、3)。運動後の飼い付けが疲労回復、体力増強の意味を持つのなら、朝の飼い付けは運動前の集中力を高める役割りがあると言えそうです。

 一方、競走馬のコンディション調整において、「運動の何時間前に飼料を摂取すればよいか」という課題があります。かつては、2−3時間前がよい、という考えが主流でしたが、最近は体内の血糖やホルモンの動態からもっと前の方が良い、との考え方が強くなってきました。現在当場では、この課題に対する明解な回答を得るための実験を行っているところです(写真4)。

写真1:ロングレーンによるランジングでは人からの指示を反復練習する   写真2:ドライビングでは正しい口向き教える
 

写真3:騎乗するようになるとゲート通過も教える   写真4:飼料摂取時間を設定し強めの運動を負荷する



★ 2007.11.22

 
 最近、北海道は急に寒くなってきました。浦河(西舎)でも今週、すでに真冬日(日最高気温が氷点下)があったり、雹(ひょう)、雷、強風など悪天候のオンパレードでした。いよいよ本格的な冬到来ですが、寒くても穏やかな冬になることを望みます(写真1)。

 そんな中、昨日、「北海道洞爺湖サミット道民会議プレスツアー」に参加している在日外国人記者の面々が当場を訪問しました。参加者の国籍は、スペイン、中国、ドイツ、カナダ、フランスとまさにサミットそのもの。当場に到着したのは、すでにあたりは暗くなりかけた夕方4時をまわった頃で、当場自慢の見晴台に案内できませんでした。そこで、屋内施設を中心に案内したのですが、誰もが感嘆の声を挙げ、何人かの方から、後日是非取材に来たいと言われるほどでした(写真2)。
 競馬担当ではない外国人記者が当場を訪れる機会は滅多になく、今回の訪問(今後の単独取材も含めて)によって、広く世界に日本の競走馬の育成施設を紹介してもらえれば、あるいはもしかするとサミット関係者の来場につながれば、と期待するところです。

写真1:すでに白くなった日高山脈(11月22日撮影)   写真2:寒く暗い中での屋内坂路コース見学




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