★ 2008.1.9

 
 新年あけましておめでとうございます。今年も「北の研究室から」をよろしくお願いいたします。

 浦河では、年末に降った雪がいくらか残るなか穏やかな新年を迎えました。しかし、先日発表された昨年1年間の浦河の年平均気温は、平年より0.9度も高い摂氏8.7度とのことで、昭和2年の観測開始以来、平成2年に記録した9.0度に次ぐ暖かい年であったようです。とくに、6月は高温で月間平均気温の最高を記録したとのことです。北海道各地も同様の傾向であり、温暖化が数値となって表れ始めているようです。

 浦河町内のとある牧場では、予定日より1日早い元旦に子馬が生まれたというニュースもありました。今年は、あのディープインパクトを父にもつ子馬を何頭も見ることができると思うと今から楽しみです。

 さて、今年も浦河の新年は、人馬の安全を祈願する恒例の浦河神社「騎馬参拝」で始まりました(写真1〜4)。この「騎馬参拝」も今年で99回目、来年はいよいよ第100回目という大きな節目を迎えます。1年後の記念開催に向けて、早めの準備が必要です。

写真1:まずは育成牧場の守護である西舎神社にお参りをする   写真2:町内を馬に乗って移動し浦河神社を目指す
 

写真3:関係者が下から見上げるなか、101の石段を慎重に上る   写真4:下りは上り以上に慎重に      



★ 2008.1.23

 
 先週から今週にかけて、北海道でも寒い日が続いています。先週末の19日には、日高管内の数箇所でもマイナス20度を下回ったようです。また、最近の冬では珍しくなくなった降雨が今年はまだなく、乾燥状態が続いてます。
 そんな条件の中、心配されていた火災が21日の夜、育成場が密集している近隣の場所で発生しました。育成場従業員が利用している家屋一軒がほぼ全焼しましたが、人や馬に被害がなかったのは不幸中の幸いでした(写真1)。この消火活動において、当場育成調教場内の用水設備が大活躍し、翌日所轄消防署長から感謝されました。
 厩舎には寝ワラや牧草など燃えやすい物が多く、被害が大きくなる可能性があるので防火には細心の注意を心がける必要があります。

 一方、雨が降らず低温が続いているおかげで、放牧地は年末に降った雪がそのまま残っており、放牧馬にとっては良好な状態が維持されています(写真2、3)。雨が降るとぬかるむうえ翌朝には放牧地一面に氷がはり、馬は蹄異常(砂のぼり)を発生したり氷の上で動かなくなってしまったり、冬の雨は放牧にとってよいことはありません。
 欲をいえばもう少し雪が欲しいところですが、東京で今日降っているという雪をもらいたいくらいです。

写真1:すっかり焼けてしまった家屋   写真2:年初めの放牧地(1月4日撮影)
 

写真3:今年に入って降雪はほとんどないが放牧地にはまだ雪が残っている   写真4:施設内に現れたキタキツネ、あまり人を恐れない  



★ 2008.1.30

 
 北海道は冬真っ盛り、比較的雪の少なかった札幌では先週末にどっさり雪が降り、来週から始まる「さっぽろ雪まつり」の雪像づくりに向けた心配はなくなったようです。

 さて、この時期、気候に恵まれたアメリカのフロリダから競走馬の育成に関するトピックが届きましたので紹介します。
 最近実績を上げているフロリダのある育成場では、屋外に作った池のようなプール(写真1、2)を利用しトレーニングを行っているようです。もちろん通常の騎乗調教に加えて、ということですが、肢に負担をかけずに体力増強を図るという目的のほかに、馬のストレス発散という面で非常に効果があるとのことです。馬を精神的にリラックスさせる機会をつくってやるということは、調教効果を向上させ、ひいては強い馬づくりにつながります。また、円形プールではなく、直線的にまっすぐ泳がせるということも利点のようです。
 一方、放牧地の牧草生育状況は場所によってかなりバラツキがあるようです。ほとんど砂漠状態のパドックに乾草を入れているだけのところもあれば、暖地型牧草を適切に栽培しているところもあるようです(写真3)。

 人との信頼関係を作ることもまた重要です。このためにまず最初にすべきことは、出生直後の子馬に対する馴致(刷り込み)で、起立するまでの時間、濡れている子馬のいたるところを拭きながら刺激を与えます(写真4)。頭や腹はもちろん、蹄の裏や肢、耳、肛門(体温測定馴致となる)などを触り、馴れさせます。ただ、子馬もじっとしていないので、このときに人や触られることから逃げられるということを覚えさせてしまうと逆効果になる可能性があるので、二人で行うなどの工夫が必要かもしれません。また、刺激付与に専念するあまり、母馬をイライラさせてしまうことも避けなければなりません。こうした馴致から、人を信頼する精神的にタフな競走馬が生産育成されていくのだと思います。

写真1:プールの導入部   写真2:全長20〜25m程度という
 

写真3:良好な放牧地(1月中旬、フロリダ)   写真4:母馬の様子にも気を使いながらの馴致




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