★ 2009.1.7 

 
 新年明けましておめでとうございます。本年も「日高だより」「北の研究室から」をよろしくお願いいたします。

 さて、見事な晴天となった1月2日、新年恒例の伝統行事である浦河神社での騎馬参拝が行われました。馬産振興と人馬の安全祈願を目的として行われてきた騎馬参拝は今年で節目の100年目を迎えました。浦河出身の伏木田光夫画伯が描いた大絵馬(写真1)が奉納された後、例年よりも多い28頭の乗馬(ポニー含む)が3班に分かれて石段を駆け上がりました。頂上で各騎乗者が馬上から参拝した後、恐る恐る石段を降りていき、今年も無事に終了しました(写真2、3、4)。
 昨年は浦河産馬からダービー馬がでましたが、今年はどのような活躍馬がでてくるのでしょうか。

 昨年の最後の日誌で紹介したセイウンワンダー(写真5)が昨日「最優秀2歳牡馬」に選出されました。同馬は、繁殖牝馬繋養頭数わずか4頭という三石(浦河の隣町)の小さな牧場で生産された馬です。大牧場の生産馬が必ず活躍するとは限らない、というところも競馬の魅力の一面なのかもしれません。セイウンワンダーの今年のさらなる活躍を祈願した人も少なくなかったのではないでしょうか。

写真1:絵馬は「赤馬昇陽」と「白馬昇陽」の対で、前者は西舎神社に奉納される 写真2:さい銭を馬上から投げ入れる
 
 

写真3:石段は除雪、乾燥されているので滑ることはないが下りは困難だ 写真4:小学生はポニーに騎乗し親が付き添う
 
 

写真5:朝日杯フューチュリティステークスを勝ったセイウンワンダー(撮影は、Junji Fukuda氏) 写真6:セイウンワンダーの母、セイウンクノイチは3月出産予定という(1月6日撮影)



★ 2009.1.27 

 
 分娩のシーズンがやってきました!!

 皆様、こんにちは!新しく「北の研究室」からの一員に加わりました、ASHIと申します。よろしく願いします(この名前を見てピンと来た方・・・お久しぶりです!)。私からは、日高育成牧場にいる繁殖牝馬や子馬の日常の様子を書いていきますね。
 原稿を書いている今日は朝から大雪!!昨日は理由あって、真夜中に運転をしていたのですが、一番寒い地点で気温がマイナス15度とかなり冷え込んでおりました。北海道は広いとよく言いますが、たとえば苫小牧から浦河にかけて車を走らせると、苫小牧は例年になく雪深く道路はスケートリンクのように滑りやすい状態、高速日高道に入ると除雪されているということもありますが、道路は乾いていて鵡川あたりになると雪はほとんどなくなります。日高三石あたりで少し増えますが、すぐに少なくなり、日高育成牧場のある浦河西舎に来ると大雪。目まぐるしい変化です。つい1週間前は雨が降ったりして、馬も人も体調を崩しやすい気候と言えますよね。
 そんな天候の中、1月も終わり2月にはいると馬のお母さんたちは分娩シーズンをむかえます。日高育成牧場では今年9頭の出産予定があるんですよ!2月に5頭、3月に2頭、そして5月に2頭です。
 今日はその中から、2月10日に予定日をむかえるお母さん、「おフジさん」(写真1)をご紹介しましょう。
 「おフジさん、ちょっと失礼」
 「あら、カメラなんか構えて今日はどうしたんだい?」
 慣れない私の行動に、ちょっと不信の目でにらまれてしまいました。
 馬の妊娠期間は約11ヶ月と言われています。おフジさんの場合は3月10日に種付けをして妊娠が確認されたので、その11ヵ月後である2月10日を予定日としています。
 「おフジさんは、何回目の出産になるの?」
 「5回目よ。始めの頃は予定日から遅れ気味の出産だったんだけど、前回はおっぱいがいつもより膨らまない時期に産んで、担当の人がびっくりしていたわ。」
 出産が近づくと、私たちは当番を組んで24時間体制で分娩監視をします。広めの馬房に移して、寝藁をふかふか(写真2)にします。安産のために軽く運動をさせることが大切なのですが、特に寒い時期は、運動不足にならないようにウォーキングマシーン(写真3)などを利用して強制的に運動させたりもします。
 「おフジさんは少し太り気味だから、コンディションに気をつけないとね。」
 「あら、失礼ね!!そんなにはっきり言うことないじゃないの!でも、最近ちょっと気になっているのよね・・・。」
 体重測定とボディーコンディションは毎週末に欠かさず測定しています。理想の範囲を超えているおフジさんは、少し飼い葉の量を減らされている様子。
 「何か物足りないわねえ・・・。丈夫な子が産めるかしら。」
 ご心配なく!おフジさん。ちゃんと考えていますから。
 「おフジさん、おなかが少し膨らんできたけど、おっぱいはまだ小さい(膨らんで来て直前には白い乳ヤニを見るようになる)し、お尻も下がってないみたいだね。食欲も変わってないし・・・。もう少ししたら、おっぱいも搾らせてもらう(分娩が近いとカルシウムの濃度が高くなります。その測定をするため)ね。」
 このように、分娩が近づいて来たときのサインはいろいろあります。それを見逃さないように、普段の管理や分娩監視(写真4)はしっかりとやらなければなりません。
 「来週から忙しくなるわね。私も含めてみんなの出産、よろしく頼むわよ!」
 馬の出産は夜が多い(9割)と言われています。しっかりとした体制でこの春を乗り切っていきますよ!!
 
 久々の執筆でちょっと緊張しており、硬くなってしまったかな・・・少しずつ慣れていきたいと思います。(ASHI)

写真1:右から2頭目です
 
写真2:馬房は普通の2倍くらいの広さ。寝藁はたっぷりと
 

写真3:ウォーキングマシンです
 
写真4:記録表の一部。しっかりと情報を残して、今後に役立てます


 


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