★ 2009.5.12

 
 お待たせしました!

 ゴールデンウィークが終わりましたね。北海道、こちら浦河町の西舎(「にししゃ」が正しいらしいのですが、私は幼い頃から「にしちゃ」と言ってました。)には、ちょっとした桜並木(写真1)があります。ちょうど日高育成牧場に向かって走る道路沿い。北海道のサクラはエゾヤマザクラが主流。GWの半ば頃から咲き始めて、このブログが掲載される頃は散っているかもしれません。休みを利用してこちらに足を運んだ方もいらっしゃるでしょうか・・・。新ひだか町の二十間道路の桜やえりも町の庶野の桜のほうが有名かもしれませんが・・・。
 そんな人間たちが休みを満喫しているさなか、きゅう舎では2頭のお母さんサクラさんとランさんが出産を間近にひかえておりました。予定日はサクラさんが5月1日でランさんが4日。この2頭が無事に出産を終えると、
きゅう舎もひと段落というところです。さてさて、結果はと言うと・・・どうなったと思います?なんとサクラさんが1日(写真2、3)に、ランさん(写真4、5)が4日に出産したんです。予定日どおりに生まれるなんて素敵だと思いませんか!そして、端午の節句が近いことを知っていたのか、2頭とも男の子でした!!
 「どちらも予定日どおりとはお見事だね!」
 「そうかしら・・・とにかく元気に生まれて一安心よ。」とサクラさん。
 「私は出てくるのに時間がかかったから疲れちゃったわ・・・。」とランさん。
 「サクラさんの子は鹿毛?それとも芦毛になるのかなあ?」
 毎年、芦毛を多く出産するサクラさん。(遺伝が関係しますが、いわゆる「芦毛の法則」など毛色のことは、別に機会を作ってお話しましょうか・・・。)お母さんに似てやんちゃで元気いっぱいの様子・・・。
 「ちょっと、お母さんに似てというのが、ひっかかる言い方じゃないの!」
 「それは失礼しました。」
 いろいろありましたが、9頭無事に生まれて何よりです。これから暖かい季節になってきますが、皆すくすくと大きくなって欲しいものです! (ASHI)

写真1:親子馬のいるきゅう舎前から撮影するとこんな感じです。もっと綺麗に撮れる場所があるんですけど・・・。この日は寒くて花びらも散りはじめ、寂しい感じでした。
 

写真2、3:サクラさん親子をサクラをバックに撮ってみましたよ。偶然ですがお母さんが目を瞑っているところを・・・。普段は落ち着きのないサクラさんなので、ちょっと不思議な感じがしました。
 

写真4、5:ランさん親子。大人しそうに見えるんですけど・・・。この日は収牧時に遊びに来たのですが、いざ帰るとなるとつかませないやんちゃ振りを発揮するようで・・・、苦労させられそうです。



★ 2009.5.20

 
 私たちだって負けないわよ!!

 今日は少し早めに収牧の様子の各親子たち・・・。
 「お母さん、今日は少し遊ぶ時間が短いみたいだけど何かあるの?・・・あれ?あっちに見たことのないお姉さんたちがたくさんいるよ!」
と、会話しているのはおハギさん親子です。
 「そうね、見学のお客様かしら?」
 「今日のお客様はね、研修で来た人たちなんだ。馬のことをいろいろ勉強したいんだって。参加者は、なんと女性ばかり!皆にも協力してもらうのでよろしくね!」
 今日は女性を対象にした研修会(写真1)。競走馬の生産に関わる女性スタッフ自らが、経営に積極的に参画したい、これらの研修を通して仲間づくりをしたい・・・、そんな思いを胸に様々な活動をしている彼女たち。その手助けになりますように・・・ということで、講習会や実習などを引き受けまして、いろいろなことを身につけてもらおうと企画したものです。
 「今日は皆にお乳を搾る練習や、子馬を曳く練習などで協力してもらいたいんだ。」
 「そうね、同じ女性として協力しないわけにはいかないわね。」
 「お母さん、いつものおじさんの方がいいなあ、なんだか怖いよ。」
 「大丈夫よ。昨年もね、短期の研修で来ていた女の子がいたけど、すごくやさしくて感じが良かったわよ。」
 「さてさて、講習会が終わったみたいだね。実習が始まるみたいだよ」
 まずは、お乳を搾る練習からです。(写真2)。
 牛と違って、乳房は小さいですから、体を触りながら声をかけながらやさしく搾ります。(注意:危険な馬もいますので、必ずやるものではありません!慣れていない馬では絶対にやらないようにお願いしますね。)搾る目的はいろいろあるのですが、一番大事なのは出産の目安を知ることでしょうか・・・。なかなか確実なところまでは難しいのですが、出産予定日が近づいたら、お乳を搾って、いろいろな検査をします。どんな検査が有効か・・・少しずつわかってきていますが、現在も検討中です。(写真3・4)。それと子馬に重要な初乳
(しょにゅう。詳しくはHPの用語辞典を参照してください。生まれてはじめに飲むお乳のことで、体の健康に関係する重要な物質がたくさん含まれており、生まれてからしっかり飲んでおかないと虚弱な子になってしまいます。)について調べることもあります。
 続いては・・・親子馬を曳く練習です(写真5・6)。
 「お母さん、お姉さんと一緒に歩くんだって。」
 「皆にほめてもらえるように、しっかり歩きますよ。」
 いろいろなやり方があると思いますが、今回はアイルランドで勉強して技術・知識を習得してきた獣医さんの指導で行われました。
 あっという間の2時間でしたが、皆さんの研修に取り組む真剣な姿勢に感心しました。
 「皆さん、一所懸命だったわ・・・。」とベテランお母さんのおハギさんも感心の様子。このように競走馬生産に夢を持って働かれている女性の皆様には、「私たちだって負けないわよ」精神で、知恵と腕を磨くことで、女性が輝きを放ちながら、競馬界が盛り上がっていくように活動していただきたいですね。(ASHI)

写真1:実習風景。この前には親子馬の管理に関する講習会も行われました。おハギさん親子を前に獣医さんの説明を聞いているところです。 写真2:初めての乳搾り。よく慣れているおハギさんなので、抵抗なくできますが、できない馬もいますのでご注意を!必ず経験者などの指導を受けましょう!
 

写真3,4:搾った乳を使って検査の実演。やり方は簡単です。分娩監視はどこの牧場にとっても重要な業務であり重労働でもあります。皆さん、参考になることはないかと、真剣な表情で説明を聞いておりました。
 

写真5,6:おハギさんに協力してもらって、親子馬を曳く練習です。講習会で習ったようにできていました。子馬の大きさ、成長の段階で曳き方も変わってきます。



★ 2009.5.27

 
 友情と成長を感じるとき!

 今日はおハギさんとおセキさんの放牧地にお邪魔しております。馬たちが食べるおいしい牧草がちゃんと生えているのかな(写真1〜4)・・・、なんてチェックしながら歩いていると・・・、おやおや、お母さんたちが草を食んでいるところから少し離れたところで、2頭の子馬がすやすや寝ておりました。(写真5)
 「起きないように気をつけて・・・、ちょっと近づいてみようかな。」(写真6)
 「まだ、大丈夫だ。」(写真7)
 「もう少し近づけるかな?」(写真8)
 といい気になっていると・・・、
 「誰だい、僕たちの睡眠を邪魔するのは!」
 おっと、起こしてしまいました(写真9,10)。素早く立ち上がって、さてどうするのかなと観察していると、なんと、少し離れて寝ている友達を起こしに行くではありませんか。
 まるで、
 「危ないから、お母さんたちのところへ行こうよ。」
 と知らせに言っているかのように・・・。2頭の友情を感じた瞬間でした。
 子馬の放牧には、いろいろな目的があります。競走馬として重要な骨や腱・靭帯の発育を促すだとか、栄養たっぷりの牧草を食べたお母さんから乳をたくさん飲んで丈夫な体を作り、「寝る子は育つ」(睡眠中に成長に関係するホルモンが出される)と言われるように、たっぷりと睡眠時間をとってあげるなど・・・。そして、もともと群れで行動する習性を持つことから、社会性を身につけさせる目的もあります。母親にべったりとくっついて行動していたのが、他の子馬と遊びを通じて自発的に運動する機会を増やす・・・。そして次第に母親との距離が置かれるようになり、やがては離乳をむかえる・・・。今日観察した光景は、子馬間のコミュニケーションが取られていて、しっかりと社会性を身につけている、成長していると感じる一コマのように思えました。
 「お母さん、お母さん、あのおじさん変なんです・・・。」
 「・・・。」
 「そうです私が・・・、じゃなくって!」
 わたしは、・・・なおじさんではありません!人間とも仲良くしてよね!(ASHI)
 
注意:皆様へのご紹介のため、特別に許可をいただいて撮影しております。

写真1:おいしそうな草ばかりが生えていると思いますよね。
 

写真2〜4:よく観察すると雑草もあります。写真の最初はご存知タンポポ。食べたことありますか?キク科に属するだけに苦いですよ〜。そして味噌汁に入れるとおいしいミツバも見つかりました。セリの仲間です。栄養はありそうですが・・・。その次はギシギシ、若葉は酸味が強くて、人でも食用にはなりません。
 

 

 

写真5〜10:6コマ漫画風に撮影しました。皆さんはどのような会話がされていると想像するでしょうか?吹き出しを作って考えると楽しいかも!



 


Back