★ 2009.6.15

 
 青い草もたくさん生えて・・・、昼夜放牧の開始です!

 「ねえねえ、お母さん、もうお日様もしずんでくる時間なのに外に行くの?」
 「そうよ。今日から夜は外で過ごすことになるわ。たくさん遊んで、いっぱい眠って、体力をつけるのよ。」
 午後4時・・・、おフジさん親子(写真1)が放牧地に曳かれていくようです。
 北海道も今は過ごしやすい季節。放牧地にも青い草がたくさん生えてきました。通常放牧は早朝から夕方の時間帯に行われますが、健康で丈夫な馬を育てるための一つの方法として、昼夜(ちゅうや)放牧をする牧場が少なくありません(夕方に放して、翌日朝に収牧する方法です。写真2)。病気や足元に不安がないことが条件ですが、いろいろと利点があるんです。自発的に運動する時間が長くなり自然と体力が向上するとか、新鮮で栄養のある牧草を食べることで、丈夫な骨や腱靭帯を作ることなど・・・。前回も書いていますが、他の親子馬との接触機会も増えて、一緒に遊ぶ(写真3)ことで、群れ社会の中で精神面を鍛えることができます・・・。(もちろん、放牧方法の良し悪しについては、わからないこともたくさんあります。馬に詳しい人の意見をいろいろと聞くと面白いかもしれません!)
 「雨が降ったらどうするの?」
 「あっちに避難場所があるから、休むといいよ。」(写真6)
 「あの親子とは気が合わないんだけど、何とかならないものかしら。」(写真4)
 暑さ、天候の変化、暗闇への慣れ、野生動物の出現、害虫の発生などなど外的な要因も考慮しながら放牧形態を考えることが重要ですが、親の性格や生まれた月を考えることも大切です。とにかく馬は神経質。ストレスをためないようにしないとね。
 収牧は朝になります。
 「お母さん、ちょっと怖かったよ。」(写真5)
 「うちの子、熱が上がったり怪我したりしてないかしら?」
 牧草だけでは足りない栄養を補給するために飼い葉を与えながらボディーチェックもきちんとやります!
 「大丈夫みたいだね。」
 体力をつけながらすくすくと大きくなることを願うばかりです。

(ASHI)

写真1:はじめての昼夜放牧を察してか、いつもは自由奔放に駆け回るおフジさんの子も、べったりお母さんにくっついているように見えます。 写真2:今日は16時に放牧開始となりました。  
 
 
 

写真3:「夜は怖いかなあ」「大丈夫だよ、きっと」なんて会話をしているのかも。
 
 
 
  写真4:組み合わせを考えた末、はじめてこの群れで放されることとなったおハギさん親子。しばらく観察していましたが、おマキさん親子とは慣れ親しんでいるものの、おイチさんやおフジさんとは慣れるのに時間がかかる様子・・・、なんとなく不安そうです。
 

 

写真5:朝収牧直前の様子です。初日ということでお母さんたちも疲れている子馬を見て心配しているように見えました。 写真6:「雨が降ったら、ここに避難するのよ」なんて、教えているのかも。
 



★ 2009.6.18

 
 微妙な距離

 6月も後半だというのに曇りの日が多い日高・・・。なんとなく寒い日が続いております。しかし馬たちはというと、寒さは気にならない様子で、元気に放牧地を駆け回っております。わが子を守り(写真4)つつ、おいしい草を求めてあっちに行ったり、こっちに行ったり。思い出したかのように1頭が動き出せばいっせいに皆移動するようです。まあ、中にはマイペースなお母さんもいて、子供にかまわず草を食べているのもいるのですが・・・。
 さて、ある日のこと。昼間放牧組を見にいくと、何やら騒がしい様子・・・。よく見ると、おセキさん、サクラさん親子が逃げ回っているではありませんか!
 「どうしたの。」
 「あの親子、何とかしてくれないかしら・・・。やたらと機嫌が悪いみたいで、追いかけられるのよ。」
 あの親子とは・・・キンさん親子です。いらいらの理由は・・・。いつもは隣の昼夜放牧組のおフジさんのグループで一緒に放牧されていたのですが、子馬の体調の都合でグループを変えなければならなくなったのです。
 「私たちはあっちの放牧地がいいのよ!」
 柵越しに行ったりきたりして落ち着きません。とりあえずは慣れてもらうしかないと思う私たち。
 数日後、少し慣れて草を食べるようにはなったのですが、まだ隣の放牧地が気になる様子・・・。おセキさん、サクラさんとは微妙な距離をとっております。
 「何されるかわからないから、あっちにいきましょ。」と両親子。キンさんの子供はなんとなく寂しそう。
 また、数日後。今度はキンさんと同じく、子馬の体調の関係で様子を見ていたおトモさん親子をキンさん親子のいるグループで放牧することになりました。
 「キンさんと仲良くしてもらえないかなあ・・・。」と願う私たち。
 グループに入れると・・・、おトモさんとは気が合うようで、キンさんに落ち着きが見られるようになったのです(写真3)。おセキさん、サクラさんとは依然として距離を置くのですが・・・、微妙な距離をとりつつ2組対2組で草を食べておりました(写真1、2)。
 以前おセキさん、おハギさん、サクラさんで放していたときは、おセキさんが仲間はずれになることがありました。おハギさんが昼夜放牧組に移ってキンさんが入ると、今度はおセキさんとサクラさんが急接近・・・。一緒に行動するようになりました。いったい女の心の仕組みはどうなっているの?人間関係ならぬ馬間関係の難しさをあらためて認識するのでした。

(ASHI)

写真1:マイペースのおトモさん親子(左)に近づいてきたキンさん親子(中央)を見て、そっぽを向き離れて行こうとするサクラさん親子(右)。
 
写真2:新しい場所を見つけたのに、またキンさん親子(中央)がやってきて頭を抱える?サクラさん(右)。この日のおセキさん(左)はサクラさんからも距離をおいていました。今日は一人でいたいわ、って感じなのでしょうか。
 

写真3:キンさん、おトモさん親子。子供たちは思い切り遊べる友達ができてうれしそうです。
 
 
 
 
 
 
  写真4:この写真を見て、皆さんはどう感じるでしょうか?気持ちよく風に吹かれて外を眺めているように見えるかも知れませんね。実はそうではなく危険を感じているのです。変な音でも外から聞こえたのでしょうか、何かに警戒している様子のおセキとサクラさん。不安を察知しているのか子供たちはお母さんにピッタリくっついています。でも、そんな姿が可愛かったりするんですよね。



 


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