ニュース フランスにおけるウマヘルペスウイルス脊髄脳症の発生(10)  

 2011年5月27日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、フランスで発生したウマヘルペスウイルス脊髄脳症(EHM)の続報が掲載されていましたので、以下にこれまでの発生概要を含めて紹介します。
 2010年12月14日〜17日の間にフランスのヴァル・ドワーズ県の4つの競技用馬の牧場で、EHV-1感染症の発生が報告され、このうちの2牧場のウマでEHMの発生が確認された。1つ目の牧場では最終的に100頭中68頭(68%)が感染し、16頭(16%)が運動失調等の神経症状を呈した。神経症状を呈した16頭中9頭(56%)は中等度の運動失調を呈し、5頭(31%)はより重篤な神経症状を呈して治療され、残りの2頭(12.5%)はさらに重篤な神経症状を呈して安楽死の処置が施された。12月14日に発症馬の鼻汁スワブを用いたPCR検査でEHV-1感染症と診断され、後日EHV-1分離株のPCR株タイピングでEHV-1のG
2254変異型の存在が証明された。2つ目の牧場では80頭中3頭が感染し、1頭のウマがPCR検査等によりEHMと診断された。その後2010年12月23日〜2011年4月15日までにオルヌ、ヴァル・ドワーズ、パ・ド・カレー、エロー、セーヌ・マリティーム、ヴァル・ド・マルヌ、カルヴァドス、マイエンヌの8県で合計11件14例のEHMの症例が診断された。すなわち、オルヌ県では1月13日までに1ヶ所の繁殖牧場で2頭が、ヴァル・ドワーズ県では1月25日までに2ヶ所の乗馬センターで3頭が、パ・ド・カレー県では2月11日までに2ヶ所の乗馬センターで3頭が、エロー県では2月14日までに2ヶ所の繁殖牧場で2頭が、セーヌ・マリティーム県では2月18日に1ヶ所の乗馬センターで1頭が、ヴァル・ド・マルヌ県では3月2日に娯楽用施設で1頭が、カルヴァドス県では4月15日に1頭が、マイエンヌ県では4月22日に1頭が、それぞれEHMと診断された。5月27日付のRESPEの続報によれば、フランスのセーヌ・エ・マルヌ県で神経症状を呈した14歳の競技用雌ウマが5月24日に脳脊髄液を用いたPCR検査によりEHMと診断され、新たに追加報告された。なお、EHV-1分離株の株タイピングおよび疫学調査は現在も継続実施されている。

参考情報
1. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2010. 12. 14 & 12. 15 & 12. 17 & 12. 20 & 12. 21 & 12. 24 & 12. 28 & 12. 31, 2011. 1. 5 & 1. 13 & 1. 26, 2011. 2. 4 & 2. 11 & 2. 14, 2011. 3. 2, 2011. 4. 15 & 4. 22.
2. International Collating Center, Interim Report-December 2010 #4, 2010. 12. 21, January 2011 #2, 2011. 1. 21, February 2011 #2 & #3 & #5, 2011. 2. 4 & 2. 11 & 2. 25, April 2011 #6, 2011. 4. 11.

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 5. 27, 鎌田正信, 2011. 5. 30)

 

ニュース イタリアにおけるウマのトリパノソーマ病の発生  

 2011年5月27日付のOIE World Animal Health Information Database(WAHID)に、イタリアにおけるウマのトリパノソーマ病の発生に関する記事が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。
 今回のイタリアにおけるウマのトリパノソーマ病の発生は1996年以来となるもので、2011年5月23日および24日にイタリア南部のシチリア州Cataniaの2つの牧場で各1頭のウマが本病を疑う重篤な症状を示し、5月24日にテラモの国立動物予防研究所(IZS)で補体結合試験によりTrypanosoma equiperdumによるトリパノソーマ病と診断された。現在のところ、発生源または感染源は不明であり、罹患馬の年齢、性別、品種などを含めて詳細な疫学情報は記載されていないが、防疫対応としては国内の移動規制やスクリーニング調査が実施されている模様である。

(出典:OIE World Animal Health Information Database, 2011. 5. 27, 鎌田正信, 2011. 5. 30)

 

ニュース 米国におけるウマの東部馬脳炎の2010年発生概要  

 2011年5月25日付で米国農務省検査局から米国におけるウマの東部馬脳炎(EEE)の2010年発生概要が報告され、米国動物衛生サーベランスシステム(NAHSS)に掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。
 2010年の米国におけるウマのEEEの症例数は247例で、発生州は18州であった。各州の症例数の内訳は、フロリダ州が92例、ミシガン州が56例、ミシシッピー州が19例、ルイジアナ州が16例、アラバマ州、ジョージア州が各11例、インディアナ州、ニューヨーク州が各10例、ノースカロライナ州が6例、マサチューセッツ州、オハイオ州が各4例、サウスカロライナ州が2例、イリノイ州、ニューハンプシャー州、ニュージャージ州、テキサス州、バージニア州、ウィスコンシン州が各1例である。流行のピーク時は2010年8月11日から8月17日までの1週間で、2009年よりも約1ヶ月程早い。2010年のウマのEEEの症例数は2009年に比べて約50例程少なかったが、最近5年間では2009年の301例に次いで多い症例数であった。

(出典:2010 Summary of Eastern Equine Encephalitis Cases in the United States, NAHSS, USDA, 2011. 5. 25, 鎌田正信, 2011. 5. 26)

 

ニュース 米国におけるウマのWNV感染症の2010年発生概要  

 2011年5月25日付で米国農務省検査局から米国におけるウマのウエストナイルウイルス(WNV)感染症の2010年発生概要が報告され、米国動物衛生サーベランスシステム(NAHSS)に掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。
 2010年の米国におけるウマのWNV感染症の症例数は125例で、発生州は28州であった。各州の症例数の内訳は、フロリダ州が26例、カリフォルニア州が19例、テキサス州が12例、コロラド州が7例、インディアナ州、ケンタッキー州、ペンシルベニア州が各6例、アリゾナ州、ルイジアナ州、ミズーリ州が各5例、テネシー州が3例、ユタ州、ジョージア州、アイオア州、ミシシッピー州、ノースダコタ州、ニュージャージ州、ネバダ州が各2例、アーカンソー州、アイダホ州、イリノイ州、マサチューセッツ州、メリーランド州、ミシガン州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州、オハイオ州、ワイオミング州が各1例である。流行のピーク時は2010年9月29日から10月5日までの1週間で、症例数は25例であった。2010年のウマのWNV感染症の症例数は2009年に比べて半分以下と少なく、2008年と2009年に最も症例数が多かったワシントン州ではWNV感染症馬が1頭も検出されなかった。なお、米国疾病予防管理センター(CDC)の情報によれば、2010年のヒトのWNV感染症の症例数は1,021例で、発生州は40州およびコロンビア特別区であった。

参考情報
1. 2009 Summary of Equine West Nile Virus Cases in the United States, NAHSS, USDA, 2010. 5. 12 .
2. Final 2010 West Nile Virus Human Infections in the United States, CDC, 2011. 5. 13.

(出典:2010 Summary of Equine West Nile Virus Cases in the United States, NAHSS, USDA, 2011. 5. 25, 鎌田正信, 2011. 5. 26)

 

ニュース 米国西部におけるウマヘルペスウイルス脊髄脳症の発生  

 2011年5月16日以降、米国西部で発生したウマヘルペスウイルス脊髄脳症(EHM)に関するニュース記事が連日多数掲載されていますので、2011年5月19日付の米国農務省動植物検査局(APHIS)のウマヘルペスウイルス(EHV-1)感染情報を中心に以下に発生概要を紹介します。
 今回の米国西部におけるEHV-1感染症またはEHMの流行は、2011年4月29日〜5月8日にかけてユタ州Ogdenで開催された全国カッティングホース協会(NCHA)公認の競技会に参加した競技馬を中心に発生したものである(カッティングとは、ウエスタン式馬術の一種で、人馬が短時間で子牛を群れから引き離す能力を競うもので、カッティングにはクオーターホースが多く使用される)。競技馬の一部は後日開催されたカリフォルニア州Bakersfieldでのカッティングホースショーなどに参加し、EHV-1感染症またはEHMの罹患馬または疫学関連馬の範囲がさらに拡大している。今回の発生源または感染源は不明であるが、最初の症例はワシントン州やコロラド州で確認され、5月16日に報告された。その後米国西部の各州やカナダの南アルバータでもEHV-1感染馬またはEHM罹患馬が次々と確認され、報告されている。5月19日付のAPHISのHPに掲載されたEHV-1感染情報によれば、EHV-1感染症馬またはEHM罹患馬は8州で合計33頭が確認され、そのうちの32頭がユタ州Ogdenで開催された競技会に参加したクオーターホースで、既に7頭が死亡または安楽死の処置を施されている。また、EHV-1感染症またはEHMに暴露された疫学関連馬は、全米18州の174施設で飼養されている997頭(ユタ州Ogdenでの競技会参加馬は308頭)と推定されており、EHV-1感染症と確定診断された症例が21例、疑似症例が41例、EHMと確定診断された症例が12例、疑似症例が12例である。2011年5月24日現在、疫学関連馬は19州の174施設で飼養されている1,037頭(Ogden での競技会参加馬は308頭)とやや増加し、EHM罹患馬頭数も微増しているものの、現在のところ発生は小康状態と推測される。なお、NCHAは、同協会公認の競技会を現在中止し、6月3日〜5日に開催予定の25ヶ所での競技会を含めて今後のスケジュール調整を行っている。

参考情報
1. Horsetalk-International horse news, 2011. 5. 16, 5. 17 (4編), 5. 18 (3編), 5. 19 (6編), 5. 20, 5. 21 (3編), 5. 22, 5. 23, 5. 24
2. TheHorse.com news, Article #18253, 2011. 5. 16, #18257, 2011. 5. 17, #18262, 2011. 5. 18, #18268 & 18269, 2011. 5. 19, #18277, 2011. 5. 20, #18278, 2011. 5. 21, #18272 & 18275 & 18280, 2011. 5. 22, #18258 & 18264 & 18286, 2011. 5. 23, #18258 & 18287, 2011. 5. 24.
3. ProMed-mail, Archive Number 20110519.1516, 2011. 5. 19, 20110524.1573 & 20110524.1577, 2011. 5. 24.
4. International Collating Center, Interim Report-May 2011 #3, 2011. 5. 19.

(出典:Equine Herpes Virus (EHV-1) Situation Report, May 19, 2011, Animal Health Monitoring & Surveillance, APHIS, USDA, 2011. 5. 19, 鎌田正信, 2011. 5. 25)

 

ニュース ハンガリーにおける馬伝染性貧血の発生(7)  

 2011年5月23日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、中央ヨーロッパのハンガリーで発生した馬伝染性貧血(EIA)の続報が掲載されましたので、以下にこれまでの発生概要を含めて紹介します。
 今回のハンガリーにおけるEIAの発生は、2010年9月14日に同国東部のサボルチ・サトマール・べレグ県の2牧場で飼養されていた各1頭のウマが中央農務省獣医診断研究所でコギンス試験およびエライザ法によりEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施されたのが発端である。これらの陽性馬は、2,000頭のウマを対象に実施された血清疫学調査でEIA陽性と診断されたもので、10月6日にはこの調査対象馬群からさらに6頭のウマがEIA陽性で摘発され、安楽死の処置を施された。その後も疫学調査が実施され、2011年4月29日までにハンガリー東部のハイドゥー・ビハール、サボルチ・サトマール・べレグ、中部のトルナ、西部のジェール・モション・ショプロンの4県で合計5頭のウマがEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施された。2011年5月23日付のRESPEの続報によれば、4月18日に南部のチョングラード県で175頭中2頭がEIA陽性と診断され、今回追加報告された。この結果、今回の発生で摘発されたEIA陽性馬は2010年が10頭、2011年が5頭の合計15頭となった。なお、今回の発生源または感染源は不明であり、その他の防疫対応としては、検疫、感染施設の消毒などが行われている。

参考情報
1. International Collating Center, Interim Report-September 2010 #6, 2010. 9. 22, 2011 #2, 2011. 1. 21.
2. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2010. 9. 22, 2010. 10. 14, 2011. 1. 20, 2011. 2. 3, 2011. 4. 7, 2011. 5. 11.
3. OIE World Animal Health Information Database, 2011. 2. 3, 2011. 2. 8.

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 5. 23, 鎌田正信, 2011. 5. 24)

 

ニュース 米国におけるウマのウエストナイルウイルス感染症の発生  

 2011年5月12日付のInternational Collating Centerの中間報告に、米国ジョージア州におけるウマのウエストナイルウイルス(WNV)感染症の発生報告が掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。なお、今回のジョージア州における報告が米国での今年最初のウマのWNV感染症の発生報告となります。因みに、2010年の米国におけるウマのWNV感染症の症例数は114例で、フロリダ州が24例で最も多く、カリフォルニア州が19例で2番目、テキサス州が9例で3番目、ジョージア州は2例となっています。
 5月12日付の中間報告によれば、ジョージア州南東部で飼養されていたウマがWNV感染症に罹患し、今年最初のウマの症例として記録された。ウマの品種、性別、年齢などを含めて詳細な情報は記載されていない。今年は米国南西部以外の多くの州でも季節はずれの多くの雨量を経験したことから、蚊やダニのシーズンが例年よりも早めに到来し、これらの活動が直近の過去数年に比べて活発になっていると予想される。このことによって、蚊およびダニ媒介性感染症の症例数が平年よりも高くなるのかどうかについて見極めているところである。

参考資料
1. 2010 Preliminary Data: Draft Summary of Equine West Nile Virus Cases in the United States, NAHSS, USDA, 2010. 12. 31.

(出典:International Collating Center, Interim Report-May 2011 #2, 2011. 5. 12, 鎌田正信, 2011. 5. 17)

 

ニュース ドイツにおける馬伝染性貧血の発生(2)  

 2011年5月12日付のOIE World Animal Health Information Database (WAHID)に、ドイツで実施されている馬伝染性貧血(EIA)の疫学調査に関する続報が掲載されましたので、以下にこれまでの発生概要を含めて紹介します。
 ドイツにおけるEIAの発生は2006年以降毎年報告されており、2010年には4州で合計25頭のEIA陽性馬が摘発されている。今年も2月28日にドイツ南西部のバーデン・ヴェルテンベルグ州で2頭のウマが、国立リファレンスラボラトリーのFriedrich-Loeffler研究所でコギンス試験によりEIA陽性と診断され、安楽死の処置が施されている。2011年5月12日付の続報によれば、5月7日にドイツ中西部のノルトライン・ヴェストファーレン州の牧場で26頭中1頭のウマが新たにEIA陽性と診断された。このウマの品種、年齢、性別などの詳細については報告されていないが、既に安楽死の処置が施された。なお、感染源または発生源については不法な移動と考えられており、防疫対策として衛生昆虫の駆除、検疫、国内の移動制限、感染施設の消毒などが実施されている。

参考情報
1. OIE World Animal Health Information Database, 2010. 3. 16, 2010. 6. 25, 2010. 9. 2 & 9. 6 & 9. 8 & 9. 10 & 9. 16 & 9. 23, 2010. 10. 5 & 10. 13, 2010. 11. 10 & 11. 19.
2. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 3. 2.

(出典:OIE World Animal Health Information Database, 2011. 5. 11, 鎌田正信, 2011. 5. 17)

 

ニュース フランスにおける馬ウイルス性動脈炎の発生  

 2011年5月11日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、フランスにおける馬ウイルス性動脈炎(EVA)の発生報告が掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。なお、フランスでは2010年11月にブーシュ・デュ・ローヌ県とカルヴァドス県で各1頭の非サラブレッド種牡馬がEVA陽性で摘発されています。
 フランスにおけるEVAの発生は今年最初となるもので、2011年4月14日および4月29日に南部のオート・ピレネー県と北部のマンシュ県で飼養されていた各1頭のルシターノ種およびフレンチ・サドルブレッド種の種牡馬が、研究所で精液のPCR検査によりEVA陽性と診断された。また、5月5日には東部のドゥー県でも5歳の種牡馬(品種は不明)が研究所で精液のPCR検査によりEVA陽性と診断された。現在のところ、発生源または感染源については不明であり、これらのEVA陽性馬の交配歴なども明らかにされていない。なお、競馬賭事賦課公社(HBLB)はEVAについても行動規範を毎年繁殖シーズン前に作成・公表し、本病の流行防止を協定5カ国(イギリス、フランス、アイルランド、ドイツ、イタリア)で徹底させており、今回の防疫対応についても2011年EVA等行動規範に沿って実施されるものと思われる。

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2010. 5. 11, 鎌田正信, 2011. 5. 12)

 

ニュース フランスにおける馬伝染性子宮炎の発生(2)  

 2011年5月11日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、フランスにおける馬伝染性子宮炎(CEM)の発生報告が掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。フランスでは、サラブレッド以外の品種の馬群で毎年CEMの発生が報告されており、2009年には12例、2010年には4例のCEM菌陽性馬が摘発されています。
 今回のフランスにおけるCEMの発生は今年2例目および3例目となるもので、2011年2月1日および2月23日にフランス北部のパ・ド・カレー県とピレネー・アトランテイックで14歳のポアトゥー種の雄ロバと17歳のアラブ種の雄ウマが、研究所で細菌培養検査によりCEM菌陽性と診断された。分離菌の性状については明らかにされていない。なお、今回の感染源または発生源は不明であり、分離菌の性状を含めて詳細な疫学情報については記載されていない。

参考情報
1. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2010. 3. 10, 2010. 8. 30, 2010. 10. 18, 2010. 12. 24, 2011. 2. 25,.
2. International Collating Center, Interim-Report February 2011 #5, 2011. 2. 25.

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 5. 11, 鎌田正信, 2011. 5. 12)

 

ニュース ハンガリーにおける馬伝染性貧血の発生(6)  

 2011年5月11日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、中央ヨーロッパのハンガリーで発生した馬伝染性貧血(EIA)の続報が掲載されましたので、以下にこれまでの発生概要を含めて紹介します。
 今回のハンガリーにおけるEIAの発生は、2010年9月14日に同国東部のサボルチ・サトマール・べレグ県の2牧場で飼養されていた各1頭のウマが中央農務省獣医診断研究所でコギンス試験およびエライザ法によりEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施されたのが発端である。これらの陽性馬は、2,000頭のウマを対象に実施された血清疫学調査でEIA陽性と診断されたもので、10月6日にはこの調査対象馬群からさらに6頭のウマがEIA陽性で摘発され、安楽死の処置を施された。その後、2011年4月7日までにハンガリー東部のハイドゥー・ビハール、サボルチ・サトマール・べレグ、中部のトルナ、西部のジェール・モション・ショプロンの4県で各1頭、合計4頭のウマがEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施された。2011年5月11日付のRESPEの続報によれば、4月29日に東部のサボルチ・サトマール・べレグ県で4頭中1頭が新たにEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施された。この結果、今回の発生で摘発されたEIA陽性馬は合計13頭となった。なお、今回の発生源または感染源は不明であり、その他の防疫対応としては、検疫、感染施設の消毒などが行われている。

参考情報
1. International Collating Center, Interim Report-September 2010 #6, 2010. 9. 22, 2011 #2, 2011. 1. 21.
2. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2010. 9. 22, 2010. 10. 14, 2011. 1. 20, 2011. 2. 3, 2011. 4. 7.
3. OIE World Animal Health Information Database, 2011. 2. 3, 2011. 2. 8.

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 5. 11, 鎌田正信, 2011. 5. 12)

 

ニュース 南アフリカにおける馬伝染性子宮炎の発生  

 2011年5月9日付のOIE World Animal Health Information Database(WAHID)に、南アフリカにおける馬伝染性子宮炎(CEM)の発生報告が掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。
 今回の南アフリカにおけるCEMの発生は、WAHIDへの初めての報告となるもので、2011年5月3日に同国北東部に位置するハウテン州ミッドランドの民間種馬場(精液採取および人工授精センター)の輸入種牡馬およびその試験交配牝馬各1頭が、CEM菌陽性で摘発された。この種牡馬の輸入元、品種、年齢などについては記載されていないが、2011年2月22日に輸入検疫所から解放され、その後交配のために種馬場へ搬送された。4月4日にこの種牡馬およびその試験交配牝馬から採取された検体スワブが民間研究所で細菌培養検査によりCEM菌陽性と診断されたことから、確定診断のためにOIEリファレンスラボラトリーの英国動物衛生獣医学研究所(AHVLA)に検体等が送付された。その結果、5月3日にAHVLAでPCR検査によりCEM菌陽性と確定診断された。この種馬場には合計20頭のウマが飼養されており、全ての同居馬については追跡調査が行われ、検疫下に置かれた。これらの同居馬については今後検査及び治療が実施される予定である。なお、今回の防疫対応としては、検疫、移動規制、疫学調査、感染施設の消毒、感染馬の治療(競馬賭事賦課公社の行動規範に準拠)などが実施されている。

参考情報
1. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 5. 10.

(出典:OIE World Animal Health Information Database, 2011. 5. 9, 鎌田正信, 2011. 5. 11)

 

ニュース オーストラリア獣医師会がヘンドラウイルスに対する注意喚起  

 2011年5月4日付のTheHorse.com newsに、ヘンドラウイルス感染症に関する記事が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。
 オーストラリア獣医師会はヘンドラウイルス感染症の発生時期が近づいてきたので、本ウイルスに対する防止策を取るようにウマ所有者に注意を呼び掛けている。Barry Smyth会長の発言は次のとおりである。我々がヘンドラウイルスの伝播方法を十分理解するまでには未だ多くの壁があるし、最近の記録的な湿度の高い天候がどのような影響を及ぼすかについても分からない。ウマに関わる仕事をしている者は誰もがこれから数ヶ月間に亘ってヘンドラウイルス感染症のどんな疑わしい症例にも注意を払い、迅速に報告しなければならない。注意をすべき一般的な臨床症状は呼吸困難、泡沫性の鼻汁、体温上昇(40℃)、心拍数の増加などであるが、本感染症に特異的な症状は無いということも理解しておく必要がある。ヘンドラウイルス感染症の症例は今まではクイーンズランド州やニューサウスウェルズ州に限定されているが、ウイルスを保有し伝播するオオコウモリがいる場所であればどこでも本病は発生可能である。防止策としては、出来れば屋根の下で餌や水を置くこと、オオコウモリが居るときには木の下に餌や水を置かないこと、オオコウモリの好物となるフルーツや野菜を餌として使用しないこと、出来ればオオコウモリが活動しているフィールドからウマを遠ざけること、オオコウモリがねぐらにしている樹木の周りを柵で仕切ることなどが含まれる。感染馬との非常に濃厚な接触によって発生したヒトのヘンドラウイルス感染症例は稀である。感染動物の体液や分泌物にはウイルスが含まれている。日常の対策として良好な衛生習慣を身に付け実行することやどのような病馬に対しても厳格な予防策を取ることによって感染リスクをより低減できる。ウマを取り扱う前後や途中に習慣として石鹸や水で手を洗うことや具合の悪いウマとの接触を最小限度にすることも重要である。1994年以降、ヘンドラウイルス感染症は40頭のウマと7名のヒトで確認されている。これらの事例では、全てのウマは死亡するか、人道的に安楽死の処置が施されており、ヒトでは4名が死亡している。オーストラリア獣医師会は、健康障害が所有馬で認められたり、これらのウマがヘンドラウイルスに感染しているかもしれないと疑われた場合には、直ちに担当獣医師に連絡するようにウマ所有者に忠告する。

(出典:TheHorse.com news, Article # 18200, 2011. 5. 4, 鎌田正信, 2011. 5. 10)

 

ニュース 米国ニュージャージ州におけるウマヘルペスウイルス脊髄脳症の発生(2)―最終報告  

 2011年5月6日付のTheHorse.com newsに、米国ニュージャージ州で発生したウマヘルペスウイルス脊髄脳症(EHM)の最終報告が掲載されていましたので、以下にこれまでの発生概要を含めて紹介します。
 今回の米国ニュージャージ州におけるEHMの発生は、モンマウス郡コルツネックのOverbrook牧場で6頭のウマが神経疾患を発症し、4月13日に1頭の雌子ウマが安楽死の処置が施されたのが発端である。この牧場の残りの5頭のウマについては担当獣医師による治療が功を奏し、その後回復している。ニュージャージ州農務省は4月14日にこの牧場を、また4月15日には疫学関連牧場であるTourelay牧場をそれぞれ検疫下に置き、本病の広がりを確認するための追跡調査と、牧場内でのウイルス伝播防止策および検査活動を開始した。5月6日付のTheHorse.com newsによれば、これらの2牧場の全てのウマについては4月14日または4月15日以降担当獣医師および州農務省獣医官の臨床監視下に置かれ、3週間にわたって継続観察がなされた。その結果、今般最終チェックで全てのウマがEHMに罹患していないと確認されたことから、5月6日付で移動規制を含めて検疫が解除された。なお、今回の防疫対応としては、検疫、移動規制、疫学調査のほか、消毒踏込槽の設置、防護服の着用、手指の洗浄消毒などが行われている。

参考情報
1. Horsetalk-International horse news, 2011. 4. 15.
2. TheHorse.com news, Article # 18115, 2011. 4. 15 & # 18118, 2011. 4. 18.

(出典:TheHorse.com news, Article # 18216, 2011. 5. 6, 鎌田正信, 2011. 5. 9)

 

ニュース ハンガリーにおける馬伝染性貧血の発生(5)  

 2011年4月27日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、中央ヨーロッパのハンガリーで発生した馬伝染性貧血(EIA)の続報が掲載されましたので、以下にこれまでの発生概要を含めて紹介します。
 今回のハンガリーにおけるEIAの発生は、2010年9月14日に同国東部のサボルチ・サトマール・べレグ県の2牧場で飼養されていた各1頭のウマが中央農務省獣医診断研究所でコギンス試験およびエライザ法によりEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施されたのが発端である。これらの陽性馬は、2,000頭のウマを対象に実施された血清疫学調査でEIA陽性と診断されたもので、10月6日にはこの調査対象馬群からさらに6頭のウマがEIA陽性で摘発され、安楽死の処置を施された。その後、2011年1月7日および1月28日にはハンガリー東部のハイドゥー・ビハール県と西部のジェール・モション・ショプロン県の血清疫学調査で各1頭のウマがEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施された。2011年4月27日付のRESPEの続報によれば、3月30日にドナウ川西岸のトルナ県で6頭中1頭、4月7日に東部のサボルチ・サトマール・べレグ県で8頭中1頭がそれぞれEIA陽性と診断され、安楽死の処置を施された。この結果、今回の発生で摘発されたEIA陽性馬は合計12頭となった。なお、今回の発生源または感染源は不明であり、その他の防疫対応としては、検疫、感染施設の消毒などが行われている。

参考情報
1. International Collating Center, Interim Report-September 2010 #6, 2010. 9. 22, 2011 #2, 2011. 1. 21.
2. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2010. 9. 22, 2010. 10. 14, 2011. 1. 20, 2011. 2. 3.
3. OIE World Animal Health Information Database, 2011. 2. 3, 2011. 2. 8.

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 4. 7, 鎌田正信, 2011. 5. 7)

 

ニュース バーレーンにおけるウマの馬疽の発生  

 2011年4月26日付のOIE World Animal Health Information Database (WAHID) に、バーレーンにおけるウマの鼻疽の発生報告が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。鼻疽はBurkholderia malleiによって引き起こされる細菌性疾病で、非常に伝染力が強く、わが国では家畜伝染病に指定されています。本病は人獣共通感染症で、主としてウマ、ロバ、ラバなどに感染しますが、ヒトにも感染します。バーレーンでは2010年4月に北部県Shakhouraで6頭のウマが鼻疽陽性で摘発され、最終的には49頭のウマ科動物(ウマが45頭、ロバが4頭)が鼻疽と診断され、安楽死の処置が施されています。その後ラクダでも鼻疽の感染が確認されましたが、2010年12月22日にOIEにこの一連の発生に関する最終報告が提出されています。
 今回のバーレーンにおけるウマの鼻疽の発生は、2010年12月7日に同国鼻疽委員会が欧州連合(EU)の承認を得た鼻疽撲滅戦略に沿って開始した2回目のサーベイランス調査で確認されたものである。この調査ではバーレーンを北部と南部の二つに分け、同じ厩舎に飼養されているウマ科動物(ウマ、ラバ、ロバ、ポニー)とラクダを対象に実施している。今回の調査は先ず1回目のサーベイランス調査で感染馬が認められた地域から開始され、検体はドバイの中央獣医学研究所(CVRL)とバーレーン国立獣医学研究所で補体結合試験、競合エライザ、マレイン反応により検査された。その結果、南部では2回の検査を行い、全てのウマが陰性結果を示した。北部でも同様に全てのウマに対して検査が実施され、2011年1月19日および24日にShakhouraの3つの牧場とJanosanの1つの牧場で各1頭のウマが血清学的に鼻疽陽性と確定診断された。これら4頭の感染馬は2010年12月末までは明確な臨床症状を示さず、また血清学的にも明確な検査陰性結果が得られなかったことから、隔離され監視下に置かれていた。4頭中2頭の感染馬は2011年1月末までに死亡し、残りの2頭はCVRLで鼻疽菌の同定がなされた後で、2011年2月17日に安楽死の処置が施された。なお、鼻疽菌は4頭中3頭の検体スワブまたは剖検組織から分離された。感染馬は全て同じ厩舎に所属していた履歴があり、感染馬が飼養されていた厩舎は6ヶ月間の検疫下に置かれている。

参考情報
1. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 4. 28
2. ProMed-mail, Archive Number 20110430.1350, 2011. 4. 30.
3. OIE World Animal Health Information Database, 2010. 5. 10, 2010. 12. 22.

(出典:OIE World Animal Health Information Database, 2011. 4. 26, 鎌田正信, 2011. 5. 2)

 

ニュース イタリアにおける馬伝染性貧血の発生(4)  

 2011年4月8日付のフランス馬感染症疫学監視ネットワーク(RESPE)に、イタリアで実施されている馬伝染性貧血(EIA)の疫学調査に関する続報が掲載されましたので、以下にこれまでの調査結果を含めてEIAの発生概要を紹介します。なお、イタリアにおけるEIAの発生は2008年以降毎年報告されており、2010年には16州で合計178頭のEIA陽性馬が摘発されています。また、ウマ以外にもロバでは7,433頭中12頭(0.16%)、ラバでは861頭中92頭(10.7%)がEIA陽性で摘発されています。
 イタリア政府は毎年約20万頭のウマ科動物を対象にEIAの疫学調査を実施しており、今年も2011年1月4日〜3月11日までに中部のウンブリア、ラツィオ、南部のアブルッツオ、カラブリア、カンパニア、バジリカータ、モリーゼ、プーリアの8州で22頭のEIA陽性馬が摘発されている。4月27日付のRESPEによれば、4月4日までに中部のラツィオ州、南部のアブルッツォ州、カラブリア州、プーリア州で各1頭のウマが新たにEIA陽性と診断され追加された。この結果、2011年にイタリアで摘発されたEIA陽性馬は8州で合計26頭になった。

参考情報
1. International Collating Center, Interim Report-January 2011 #2, 2011. 1. 21, April 2011 #4, 2011. 4. 8.
2. Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 1. 20, 2011. 3. 1 & 3. 29, 2011. 4. 8.

(出典:Reseau d' Epidemio-Surveillance en Pathologie Equine, 2011. 4. 27, 鎌田正信, 2011. 5. 2)

 

 
 

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