競走馬として鍛練されたサラブレッドは地球上で最も優れたアスリートです。    サラブレッドはその走行パフォーマンスを限界にまで高め、それを維持してゆくために日々厳しいトレー   ニングを続けなければなりません。そのため、身体に様々な障害を発生することが多く、競走馬の管理は疾   病の予防であると言っても過言ではありません。    JRAでは高品位の競走馬による良質な競馬をファンの皆様に提供し、競馬で培われた貴重な血統を次の   世代に伝えてゆくため、臨床医学研究室では競走馬に多発する様々な疾病の本態を解明し、その予防法や治   療法に関する研究を国内外の研究機関と連携しておこなっています。    競走馬の疾病のうち、運動器疾患は競走馬の職業病と呼ばれ、その対策がこの研究室の最重点課題となっ   ています。さらに、競走能力に多大な影響を及ぼす呼吸、循環器系統や生命維持に深く係わっている消化器   系統の疾患についても研究を進めています。    現在、当研究室では不治の病と恐れられた屈腱炎と致命的な障害である蹄葉炎の研究を重点的におこない、   これらの予防、治療に大きく貢献しています。    その他、これまでの研究成果を国内外の競馬関係者に普及、啓蒙するとともに、外部組織からの病性鑑定   依頼に応じ、疾病の予防法、治療法等の助言を積極的におこなっています。
  室長:和田信也  主任研究役:桑野睦敏、笠嶋快周  研究役:守山秀和  主査:琴寄泰光
  (プロジェクト研究)   ・競走馬臨床における再生医療技術の導入に関する研究   (一般研究)   ・競走馬のスポーツ障害等に関する臨床医学ならびに病理学的研究   (委託研究)   ・ウマ間葉系幹細胞の腱細胞への分化誘導に関する研究(東京農工大学)
手術の風景
 これは、骨折治癒の促進を図るため、
 実験的に骨形成促進剤を骨折部に注入
 しているところです。
疾病の病理診断と解明
 病気になった臓器をホルマリン固定
 し、非常に薄い(約3ミクロン)標本
 を作製しているところです。
組織標本の染色風景 
 病理診断のために必要な染色法
 を選び染色しているところです。
屈腱炎の予防
 速く走る能力の高い競走馬ほど障害を
 受け易いのが腱です。屈腱炎の予防に
 は運動直後の腱組織の冷却が有効であ
 ることをサーモグラフィーにより検証
 したものです。
腱線維の断面の電子顕微鏡像
 運動直後に腱組織を冷却すると
 ダメージが少ないことが明らか
 となりました。
呼吸器疾患の診断
 内視鏡で気管内を観察しながら、気管
 洗浄液を採取しているところです。
気管洗浄液の細胞の観察
 上は、正常像で、異物を貧食す
 るマクロファージなどがみられ
 ます。
 下は、炎症性気道疾患に陥った
 例です。好中球や肥満細胞が多
 くみられます。
蹄の病気
 蹄の病気である蹄葉炎に陥っ
 た蹄の縦断面です。蹄葉炎が原因で死
 亡した有名馬(テンポイント、トウシ
 ョウボーイ、ミスターシービーなど)
 は少なくありません。
  ※各画像をクリックすると拡大画像が表示されます。




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