「馬の温泉」常磐支所の役割
   競馬関係者は、競馬の主役である競走馬の健康管理に日頃より細心の注意を払っています。しかし、   競走馬は激しいトレーニングと競走によって故障を発症することも少なくありません。    競走馬総合研究所常磐支所は、これらの競走馬を環境の変化と温泉療法によって回復させること、   および温泉療法の効果に関する研究を行うことを目的とし、1963年5月に設立されました。    常磐支所に入所する馬の大半は、屈腱炎や骨折を始めとする運動器疾患によって休養を余儀なくされ   た競走馬です。これらの馬を競走に復帰させるためには、故障を治療するとともに、低下した関節や筋   肉の機能、さらにはトレーニングに耐え得る体力を回復させるためのリハビリテーションが必要です。    適切なリハビリテーションの実施には、獣医学的な検査によって故障の回復程度を把握し、これに応   じた治療と運動を実施することが重要です。    そこで当支所では、運動器疾患の診断と治療法、およびスイミングプール、ウォータートレッドミル、   ウォーターウォーキングマシンなどの施設を利用したリハビリテーションに関する研究に取り組んでき   ました。    この結果、従来は困難であった屈腱炎の予後判定と治療、さらには適切なリハビリテーション・プロ   グラムの作成が可能となり、早期の回復と再発の防止に寄与しています。    設立以来、当支所で療養した競走馬は約3200頭にのぼり、その大半がGI競走を含むレースで活躍し   ています。    今後も、傷ついた競走馬を競馬に復帰させ、ファンの皆様により質の高いレースを提供することが、   常磐支所に課せられた使命と考えています。
  支所長:額田紀雄  係長:田村周久
温浴風景
 湯本温泉の豊富な湯量と泉質を利用した温泉療養は、
 疲労回復を促進するとともに、屈腱炎・関節炎などの
 治癒に大きな効果をあげています。
スイミングプール
 水泳トレーニングにより、痛めた脚に負担
 をかけることなく、心肺機能を高め、
 基礎体力の向上を図ります。

ウォーターウォーキングマシン
 脚部のアイシング(冷却)効果を有し、リハビリの
 初期段階のトレーニングや調教後のクーリング
 ダウンに使用します。
 同時に4頭の馬が利用できます。
ウォータートレッドミル
 水中のベルトコンベア上を歩行させ、足腰
 の強化を図ります。 水の浮力により、
 脚部への負担が軽減されます。

放牧場
 当支所は、東北地方で最も温暖な地域にあり、入所馬は年間を通じて
 日光浴と新鮮な青草の給与を受けています。この恵まれた環境は、
 療養馬の心身のリフレッシュに大きく貢献しています。

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超音波検査(1)
 屈腱炎は競走馬の職業病ともいわれ、治癒には長期間の休養を必要と
 します。常磐支所では、屈腱炎を患った馬に対して定期的に超音波検査
 を行い、その検査結果に基づくリハビリテーションを実施しています。
超音波検査(2)
 浅屈腱の中央に黒く抜けて見える部分
 (緑の線に囲まれたところ)が
 炎症部位です。

常磐支所に入所した主な有名馬

 アドマイヤコジーン  H14安田記念
 テイエムオペラオー  H11皐月賞・H12天皇賞(春・秋)・H12宝塚記念・H12ジャ
 パンカップ・H12有馬記念・H13天皇賞(春)
 トウカイテイオー  H3皐月賞・H3ダービー・H4ジャパンカップH6有馬記念
 オグリキャップ  S63有馬記念・H1マイルCSH2安田記念H2有馬記念
 サクラスターオー  S62皐月賞・S62菊花賞
 オフサイドトラップ  H10天皇賞(秋)
 モンテファスト  S59天皇賞(春)
 ハギノカムイオー  S58宝塚記念
 ハギノトップレディ  S55桜花賞S55エリザベス女王杯
 グリーングラス  S54有馬記念
                            ※太字は、退所後の成績


トウカイテイオー


オグリキャップ
  ※各画像をクリックすると拡大画像が表示されます。




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