インドにおける馬インフルエンザの発生経過(2009年1月) 
 

 2008年11月17日付および12月8日付の総研HPニュースに、インドにおける馬インフルエンザの発生状況を紹介しましたが、その続報が2009年1月15日付のOIE World Animal Health Information Database(WAHID)に掲載されました。その詳細な発生経過はいまだ不明ですが、発生から6ヶ月以上も経過していることから、これまでに得られた情報を整理して以下にその経過概要を紹介します。
 今回のインドにおける馬インフルエンザの発生は約20年振りのことで、2008年6月20日に流行が始まり、赤血球凝集抑制試験によりインド国内で本病と診断されたのは7月7日で、WAHIDには11月28日付で掲載されています。流行ウイルスは、ウマインフルエンザA2型ウイルス(H3N8)ですが、それ以外の性状については報告されていません。現在も、国内の移動は制限されており、疫学調査を継続し、発生施設などの消毒を行っているが、ワクチンは接種しておらず、発症馬には対症療法を施していると報告されています。
 11月28日付の最初の情報によれば、インドの最北部にあるジャム&カシミール州において、6月20日からのカトラでの発生では5,424頭の馬属(ラバ、ポニー、ウマ)が罹患して15頭が死亡し、7月7日からのアナントナグでの発生では12,543頭が罹患して1頭が死亡したと報告されています(N. Virmaniらの報告によれば、罹患率は約72%)。つぎに、12月18日付の情報では、デリー州、マハラシュトラ州、西ベンガル州の4つの村落や牧場における、それぞれ9月26日(10月2日に診断)、10月8日及び26日(11月19日に診断)、11月7日(11月29日に診断)からの発生が報告され、4,696頭のうち、791頭が罹患し、罹患率は16.84%と報告されています。2009年1月15日付の情報では、ラジャスタン州の多くの村落における、いづれも11月8日(2009年1月7日に診断)からの発生が報告されており、1,136頭のうち27頭が罹患し、罹患率は2.38%と報告されています。
 これまでの報告から推測すると、今回インドで発生した馬インフルエンザは、最北部のジャム・カシミール州で6月から8月にかけて大流行し、その後南下していったと考えられます。既に発生から6ヶ月以上が経過しておりますが、現時点ではさらに南下しているのか、或いは終息しつつあるのかなどについては情報が無く不明です。今回のように広大な国土を有し輸送手段も末端まではそれ程発達しているといえないインドでの馬インフルエンザの発生において、最終的にどのような発生経過を辿るのかは非常に気になるところであり、今後の詳細な報告が待たれます。

参考情報
1.OIE World Animal Health Information Database, 2008. 11. 28.
2.OIE World Animal Health Information Database, 2008. 12. 18.
3.OIE World Animal Health Information Database, 2009. 1. 15.
4.N. Virmani et al., Vet. Rec., 163, 607-608, 2008.

         (総研栃木支所 鎌田正信 2009. 2. 10)

 
 

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