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米国の馬伝染性子宮炎(CEM)の発生については、2008年12月17日付の記事で初めて紹介して以来、8回に渡りその続報を掲載しており、現在までに米国全土で13頭の種牡馬と3頭の牝馬がCEM陽性馬として摘発されています。2009年3月16日付のUSDA−APHISのnewsroomの最新の記事によれば、米国全土でCEMの陽性及び感染が疑われる馬は46州に694頭存在し、8頭を除いて686頭の所在が明らかとなっており、現在検査及び治療のプロトコールに準拠した作業が続けられているようです。このように、CEMの陽性及び感染が疑われる馬の所在に関する調査はほぼ終わりに近づいた感があると考えられることから、今後は清浄化に向けてCEMの発生源に関する調査が精力的に進められていくものと思われます。
今回のCEMの発生源については、未だ調査を継続中とのことで詳細は不明ですが、2009年1月16日付のtheHorse.com
News中では、オランダから米国に輸入されたフリージアン種の種牡馬が発生源として疑われておりました。この馬はウィスコンシン州で最初にCEM陽性と診断されたNanning
374という種牡馬で、2004年末にオランダから米国へ輸入され2005年1月に検疫から解放された後、2006年10月までカリフォルニア州に滞在しその後ウィスコンシン州へ移動しております。2007年の繁殖シーズン中には、インディアナ州でCEM陽性と診断された1頭のペイント種の種牡馬と接触する機会のあったことが判明しております。このペイント種の種牡馬はウィスコンシン州を去った後、2008年には今回最初にCEM陽性馬が摘発されたケンタッキー州の当該牧場に滞在し、その後インディアナ州へ輸送されています。この事実から、今回のCEMの感染ルートとして、フリージアン種の種牡馬→ペイント種の種牡馬→当該施設の種牡馬という図式が推測され、Nanning374がケンタッキー州にCEMを導入した発生源であると説明する根拠となっておりました。
しかし、2009年3月9日付のhorsetalkのニュース記事の中では、ウィスコンシン州で4頭目となるCEM陽性種牡馬が摘発され、それにより少なくとも最初に発生源と疑われていたこのフリージアン種の種牡馬、Nanning374は、発生源ではないと説明されています。すなわち、今回CEM陽性となった馬は、ウィスコンシン州のWinnebago郡で飼養されていた26歳のサドルブレッド種の種牡馬で、既に陽性と診断されている3頭の種牡馬と同じように人工授精センターでCEM菌の感染を受けていましたが、Nanning374とは接触の機会はなかったと説明されています。この記事の中で、「発生源は未だ分かっていないが、我々がウィスコンシン州で最初にCEM陽性と報告した種牡馬のNanning374が発生源であると言っているヒトもいる。しかし、今回の結果は、このNanning374という種牡馬は発生源ではないということを、明確に示している」とウィスコンシン州獣医官であるDr.
Robert Ehlenfeldtは述べています。また、「今回のCEMについては2006年乃至、可能性としては2005年まで遡るのではないか。1頭目のCEM陽性種牡馬であるNanning374は、異なる人工授精施設で感染しており、2007年乃至それ以降に感染したことを我々の調査は示している」とも述べています。
何故、2006年乃至2005年に遡るのかということについては、その理由が記載されていないので詳細は不明ですが、米国では2006年にリピッツァナー種の種牡馬が東欧から輸入され、輸入後にCEM陽性と診断されています。この時には陽性と判明したのは繁殖前であったと記載されております。しかし、今回のCEMの発生経過をみれば、直接的な繁殖行為がなくとも検査や飼養管理などの行為によりCEM菌を間接的に伝播させる危険性は非常に高いと考えられ、この事例についても当然再調査がなされるものと思われます。いずれにしても今回の発生源の特定には、数年間は遡って調査をする必要があるようで、今後の調査の成り行きが気になるところです。
参考情報
1.theHorse.com News (http://www.thehorse.com/),
Article#13279, 2008. 12. 16.
2.Contagious equine metritis, news (http://www.aphis.usda.gov), 2009. 3. 16.
3.theHorse.com News (http://www.thehorse.com/),
Article#13463, 2009. 1. 16.
4.Contagious equine metritis, news (http://www.aphis.usda.gov), 2009. 3. 5.
5.Horsetalk, news (http://www.horsetalk.co.nz/news/), 2009.
3. 9.
6.Horsetalk, news (http://www.horsetalk.co.nz/news/), 2009.
1. 15.
(総研栃木支所 鎌田正信, 2009.
3. 17)
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