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2009年6月13日付のThehorse.com newsに、poison
hemlock(ドクニンジン)に関する話題が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。ドクニンジンはせり科の2年草の植物で、1m〜2m以上の高さに育ち、7月から9月にかけて白い花を咲かせます。英語でhemlock(ヘムロック)と呼ばれますが、米国ではpoison
hemlock(ポイズンヘムロック)と呼ばれています。ドクニンジンは全草に有毒なアルカロイドの神経毒性のコニインやコニセインを含んでおり、ヒトや家畜にとって有害な植物です。文献によれば、中毒に陥った動物は筋肉の弛緩、運動失調、震顫、ナックリング、唾液分泌過多、チアノーゼ、麻痺、頻尿などの症状を示し、重篤な症例では死亡します。ドクニンジンはかって日本には自生していませんでしたが、近年ヨーロッパと気候が似た北海道の山野では帰化植物となっており、このためシャクと誤認して採取され、摂取された結果の死亡事故も報告されています。北海道のほか、東日本でも帰化植物となった例が報告されております。
紀元前399年の古代ギリシャの哲学者、ソクラテスの死とドクニンジンとの関係からはこの植物の毒に関わる歴史をちらりと垣間見ることができる。20年前に、アーカンソー州において1本のドクニンジンの標本を見つけ出すには、その前に精力的な調査が必要とされたが、現在ではどこでも近距離にこの植物はたくさん増殖している。
近縁な仲間であるニンジン、セロリ、イノンドと野生ニンジンであるドクニンジンはその親密な関係により同列に位置づけられている。しかしながら、それらの殆どの仲間と違って、ドクニンジン自体はギリシャの歴史に記録されているようにヒトや家畜に対する毒として認識されている。
幸運にも動物にはドクニンジンを避けることができる十分な賢さがあると思われるし、また、少なくとも牧草地はドクニンジン以外の好ましい餌を提供してくれている。どんな家畜衛生書物でも、生産者はまだ動物がドクニンジンを食べると報告しているし、地域獣医師も最小限ではあるがそのような報告をしている。過剰な牧草の採食は、家畜が食べないと分かっているものを無理やり食べさせている一つの見本でもある。例えば、ドクニンジンは偶然、家畜がその植物の一部を食べた後でもフィールドに沢山あるため、干草を作る過程で取り込んでしまうと論理的には考えられる。
ウシの致死量はウマより少なく、体重1000ポンド当たり2〜5ポンド以上と報告されている。致死量には相当な量を取り込むことが必要であるし、また、ドクニンジンが食欲をそそるような飼料用植物とは思われないことが、死亡事故による損失が生じない一つの理由なのかもしれない。
隠れた損失には硝酸塩中毒によって起きる損失と同様に、重大な心配があるかもしれない(硝酸塩中毒は動物種によって差があり、ブタが最も中毒に侵されやすく、ウシ、ヒツジ、ウマの順でこれに続く。ウシは死亡例を含む急性中毒の重症例が多く報告されている。ウマではビタミンA欠乏や流産など、比較的軽度な慢性中毒例しか見当たらない)。多くの毒は低レベルでは実際に死亡事故を引き起こすような事態になる前に体重、泌乳、出産の低下およびその他の家畜生産における損失を生じる。硝酸塩中毒の事例と同様に、ドクニンジンの問題はその原因を本当の原因でない他のものにしてしまう可能性がある。
ドクニンジンは問題のある主要雑草としてのアザミに取って代わる可能性がある(アザミは亜硝酸塩中毒の原因植物の一つとして知られており、これらの植物による家畜の損失は大きいと云われている)。アザミと違い、ドクニンジンの種は風で運ばれにくいので近隣のフィールドに群がって落ちている。水、鳥、道具が運び屋になる可能性があるが、ほとんどのドクニンジンは親草の近くに種を落とし、その場所で発芽する。アザミのようにドクニンジンは増大する非牧場地で沢山増殖し続けている。
ドクニンジンはかなり寒さに強く、2月初旬には鉄道用地の道路、フェンス沿い、小川の低地を最初の緑やシダ類のような葉で飾るので、新しいドクニンジンの若木に気づかないわけにはいかない。6〜8フィートに発育したドクニンジンは夏季シーズンを通じてその存在を私達に忘れさせることはない。
参考情報
1. Conium (http://en.wikipedia.org/wiki/Conium)
2. Cicuta (http://en.wikipedia.org/wiki/Water_Hemlock)
3. Water dropwort (http://en.wikipedia.org/wiki/Water_dropwort)
4. ドクニンジン(http://www.naoru.com/dokuninjin.htm)
5. ドクニンジン(http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/poisoning/plants/p-hemlock.html)
6. 臼井和哉、本好茂一、臨床獣医学、1060−1063、1981、文永堂
7. 中村良一ら、新編獣医ハンドブック、新編第1版、396−397、養賢堂
(出典:TheHorse.com news,
Article#14355, 2009. 6, 13, 鎌田正信, 2009. 7. 2)
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