AAEPが競走馬の診療指針を公表 
 

 2010年10月29日付のTheHorse.com newsに、全米馬臨床獣医師会が競走馬の診療指針を公表したというニュース記事が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。なお、この指針は、「Clinical Guidelines for Veterinarans Practicing in a Pari-Mutuel Environment」というタイトルで、AAEPのHP(www.aaep.org/white_papers.htm)に掲載されていますので、興味のある方は原文を一読されることをお勧めします。
 AAEPは10月28日付で、競走馬を診療する獣医師のための指針を発表した。この指針は、「パリミューチュエル方式競馬(フランス競馬の勝ち馬に賭けた人に手数料、税金を差し引いた全賭け金を分配する方式で、発売枚数が確定するまで払戻金が確定しない。日本の競馬もこの方式である)環境における開業獣医師のための臨床指針」であり、競走馬の健康、安全および福祉に適切な重きが置かれているとAAEPが確信する医療処置を推進するものである。指針の主な焦点は、次回の競走への登録日に基づいて馬の治療を行うことである。競走馬のすべての治療は、獣医師の診断に基づいて実施されるべきであり、その診断は、再び出走する前に馬の回復を確認するための追跡評価が行えるだけの適切な時間をかけて実施すべきである。馬に対する治療の必要性を評価する際に、登録日が第一要因であってはならない。AAEP会長のNat White博士の説明によれば、「AAEPの目的は、競馬という特有の環境の中で、健全な医療の原則を強固にすることである。競馬の安全性向上が継続して追求されていることから、我々は獣医師としての自分たちの必要性を理解し、薬物使用と治療行為における自らの役割を検討している。これらの指針は、多くの獣医師によってすでに行われている優れた医療を支持するものである。」この指針は、薬物治療に加えて、ショックウェーブ療法や高圧酸素療法のような治療法の実施にも対応している。また、医療記録の保管や、現在の競馬場獣医師のビジネスモデルを、調剤や薬物の投与よりはむしろ、提供した専門的サービスの対価に基づいたビジネスモデルへ変更させるための提言も含まれている。この指針は、研究により競走馬の医療に関する新しいデータが提供されるにつれて更新される。臨床指針の文書は、競馬場の開業個人獣医師、監督獣医師および専門獣医師の集まりであるAAEP競馬委員会によって作成された。ニュージャージー州、クラークスバーグのDr. Scott Palmer、ケンタッキー州、ルイビルのDr. Foster Northropがそれぞれ議長と副議長を務めた。Palmer獣医師の説明によれば、この指針は獣医師のために書かれたが、我々の提言がトレーナーとオーナーの注意を‘登録日のジレンマ’に向けさせることに期待している。オーナー、トレーナーおよび獣医師が率直に意見交換し、ひとつのチームとして意思決定を行うときにはいつでも、競走馬は最も成功し、最も健全でいられる。この関係内での透明性と統合性が良好な医療行為を強固なものとする。」

(出典:TheHorse.com news, Article # 17165, 2010. 10. 9, 奥 河寿臣, 2010. 11. 8)

 
 

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