馬伝染性子宮炎の訴訟が可能な締切期限 
 

 2010年12月3日付のTheHorse.com newsに、米国ケンタッキー州のクオーターホース繁殖施設で2008年12月初旬に勃発した馬伝染性子宮炎(CEM)の発生に伴う「アメリカ合衆国連邦政府に対する損害訴訟」に関する記事が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。なお、この発生では、23頭の種牡馬と5頭の繁殖牝馬からCEM菌が分離され、合計1,005頭の疫学関連馬が検査または治療を受けており、まだ約40頭の種牡馬または繁殖牝馬について検査が継続されています。
 2009年の繁殖シーズン中にCEMの発生によって罹患したウマの所有者は、米国農務省動植物検査局(APHIS)に対する損害訴訟を正式に申し入れる選択権があるかもしれない。連邦政府当局は通常特別免責の原則に基づき、訴訟に対しては免除されているが、いくらかの例外がある。例えば、連邦不法行為請求権法は個人がいくつかの状況において金銭の損害について政府に訴えることを認めている。
 連邦不法行為請求権法は1946年に制定され、政府または連邦職員による過失行為、不法行為、不作行為によって生じた損害の回復を認めている。CEMの発生によって生じた損害の回復には、ウマ所有者は米国農務省やAPHIS側の過失を証明しなければならないし、また実際に過失が損害を及ぼしたことを示さなければならない。いくらかの生産者は連邦の検疫所やウィスコンシン州の検査施設における過失がアメリカのウマ生産市場へCEMを導入させたと信じており、この過失に対して連邦不法行為請求権法を適用できると確信している。
 連邦不法行為請求権法には、自由裁量職務行為または非行為や動物検疫行政を含めて多数の免責がある。これらの免責がCEM関連訴訟に適用されるかどうかについては、本文の範囲を超えている。
 この連邦不法行為請求権法に基づく訴訟には2年間の締切期限に関する規定があり、政府が個人の権利を侵し、また個人が害された時から適用が始まる。今回の事例では、締切期限の規定がいつから適用開始されるのかということについて、米国で初めてCEMが確認された時(多分2008年12月初旬)なのか、各々のウマが陽性と検査された時なのか、陽性診断または隔離されたウマが交配できなくなった時なのか、明確でない。締切期限の規定が終了後に提出された訴訟については考慮されないだろう。
 連邦不法行為請求権法に基づく訴訟は書面で行わなければならず、レター様式やSF-95様式(損害または傷害訴訟用)で提出することができる。しかしながら、法律は複雑であり、ウマ所有者は訴訟を申し入れる時期や訴訟を申し入れるべきかどうかについて、訴訟手続きに熟知している弁護士に相談すべきである。

(出典:TheHorse.com news, Article # 17331, 2010. 12. 3, 鎌田正信, 2010. 12. 8)

 
 

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