AAEP 2010の話題:子ウマのR. equi肺炎の抑制と予防 
 

 2011年1月26日付のTheHorse.com newsに、2010年12月5日〜8日の間にメリーランド州で開催された第56回AAEPの年次総会期間中に発表された「子ウマのRhodococcus equi肺炎の抑制と予防」がAAEP2010の話題として掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。
 子ウマの所有者は、R. equiという細菌や数年間にわたり継続発生するR. equi感染症を抑制しようと懸命に努力している。いくらかの牧場では、本病のリスクを減少させるために厳格な牧場管理戦略を行っているにもかかわらず、毎年発生を見ている。子ウマはしばしば肺炎や下痢症で死亡し、例え治療して生き残ってもその経費や労力は甚大である。Noah Cohen博士によれば、R. equi感染症を予防し抑制することは、いくらかの牧場のR. equi感染症の再発問題を処理する究極的な方法かもしれない。しかし、第56回AAEPの年次総会での発表では、彼はつぎのように述べた。R. equi感染症の抑制および予防方法を見つけることは研究者にとって未だ難問である。R. equi感染症の抑制および予防についての2つの選択肢が最近発表された数編のレトロスペクティブな研究のテーマであり、科学予防法または免疫予防法である。科学予防法は、R. equi感染症の予防の一つの選択肢として考えられている。Cohenは、R. equi感染症の予防の試みとしてアジスロマイシンを使用した2つの研究を引用し、片方の研究では感染症に罹る危険性が76%も減少し、もう一方の研究ではアジスロマイシンで治療した子ウマとしなかった子ウマでの感染のリスクにはほとんど差が無かったことを示した。この結果の差異の理由についてはわからないが、この差異の理由については議論の余地があり、R. equi感染症の予防のためにアジスロマイシンを使用することについては、子ウマやその環境中に耐性菌を出現させることから、一般的に臨床使用されるべきではない。もし子ウマが引き続いてR. equi感染症に罹れば、予後は耐性菌の出現によって悪くなる。また、彼はR. equi感染症の予防の選択肢としての免疫予防法についても考察した。R. equi感染症のワクチン開発のための広範な研究にもかかわらず、本病に有効な生物製剤はまだない。現在臨床的に唯一許容される予防法は、生後短時間および出来れば3〜4週齢に再び輸血により、幼駒にR. equiに対する高い抗体価を含有する高度免疫血漿を投与することである。高度免疫血漿はR. equi感染症の治療中の子ウマに受動免疫を供給し、本症による肺炎の発生を減少させる。観察研究では一様な有効性が得られていないが、これまでに公表された研究についての累積的な解釈では、高度免疫血漿の輸血は子ウマがR. equi感染症に罹患するリスクを軽減させている。非常に効果的な予防戦略の開発に対する大きなニーズがある。確固たる予防戦略が無い状況では、更なる調査試験の応用、評価、進展がこの重要な子ウマの衛生問題に対処するために必要である。

(出典:TheHorse.com news, Article # 17604, 2011. 1. 26, 鎌田正信, 2011. 2. 16)

 
 

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