ドイツで野外試験に供されるR. equi感染症の試作ワクチン 
 

 インターベット・シェリングプラウ家畜衛生(オランダ)は2011年1月27日付の自社ホームページで、「ドイツで実施予定の野外試験に供する子ウマのRhodococcus equi感染症の試作ワクチン」に関するニュースを掲載しました。この試作ワクチンは4つの遺伝子を欠損させた特別なR. equiの非病原性株を使用しており、ドイツで野外試験を行う予定であることを公表しました。この発表を受けて、2011年2月2日付のTheHorse.com newsに、その関連記事が掲載されましたので、以下にその概要を紹介します。
 子ウマに感染してしばしば重篤な感染症や肺炎を起こし、時には死亡させる通常細菌であるR. equiに対するワクチンが、開発の最終段階にある。ISPAHは、1月27日にR. equiに対する試作ワクチンについては近い将来ドイツで野外試験を行う予定であることを公表した。R. equiという細菌は、米国のウマの生産牧場では大きな問題の一つであり、3週齢から5ヶ月齢の子ウマに肺炎や種々の感染症を起こす。感染した子ウマの治療には時間と費用がかかり、感染子ウマの約30%が肺炎やその他の感染症で死亡する。研究者は未だR. equiの抑制および予防戦略を開発するために研究を続けている。ISPAHのRene Aerts博士の話によれば、R. equiに対する安全で有効なワクチンの利用は数々の恩恵をもたらす。ウマにとっての恩恵は、重篤かつ致死的な疾病に罹るのを防御できることであり、ウマ所有者や生産者にとっての恩恵は、本病の予防によって大きな経済的損失を防ぐことができることである。また、安全で有効なワクチンの利用は、最終的にはウマでの抗生物質の使用を減少させるであろう。一方、カナダのゲルフ大学獣医学部のJohn F. Prescott教授は次のように話している。子ウマのR. equi肺炎を抑制する最良な方法である、R. equiに対する免疫法について研究を行っている。2週齢乃至3週齢までに、肺の貪食細胞の中で生きているタフな病原体から非常に幼い子ウマを防御するという難題であり、それだからこそ挑戦しがいのある問題である。試験は実験感染レベルでは非常にうまくいっていると思っているが、最終的な証明は幼駒での野外試験でよい結果が得られることであり、これらの研究がうまくいくように祈っている。公表された情報によれば、野外試験はドイツおよび欧州共同体の法律で要求されている厳格なバイオセーフティ対策の下で実施されるであろう。この試験研究の第一段階は、R. equi感染症に罹患した子ウマの数をワクチン接種子馬群と非接種子馬群で比較することである。もし成功すれば、R. equiに対するワクチンは、ウマの生産界に喜んで迎えられ、生産者に広く受け入れられるだろう。R. equi感染症の抑制および予防で抗生物質を使用するという我々の最近のアプローチは、長期的に見れば失敗が運命付けられている。何故なら、殆どの細菌は時間の経過とともに抗生物質に対して耐性となる。

(出典:TheHorse.com news, Article # 17715, 2011. 2. 2, 鎌田正信, 2011. 2. 21)

 
 

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