新しい徐放性セフチオフル製剤が肺炎罹患馬にもたらす恩恵 
 

 2011年2月21日付のTheHorse.com newsに、2010年AAEP総会で発表されたセフェム系抗生物質のセフチオフルの徐放性製剤に関する記事が掲載されていましたので、以下にその概要について紹介します。徐放性製剤は、放出制御製剤の一つで、製剤からの有効成分の放出を遅くすることにより、投与回数を減らし、血中の有効成分濃度を一定に長時間保つことにより、副作用を回避すると薬学用語解説では説明されています。すなわち、徐放性製剤は、通常の速放性製剤に比べて、投与回数を減少させ、薬効を持続させたり、副作用または毒性の発現を低減させることができる等、有効性、安全性上の利点も多いと考えられています。
 セフェム抗生物質のセフチオフルの新しい徐放性製剤が米国食品医薬品局(FDA)で肺炎罹患馬に使用するために承認され、罹患子馬の治療に対して容易に使用することができるようになった。アイオワ州立大学準教授のScott McClure博士は、2010年12月4〜8日にメリーランド州バルチモアで開催されたAAEP総会でセフチオフルの研究成果について発表した。Streptococcus zooepidemicusはウマの肺炎の一般的な原因細菌であり、1994年に初めて導入されたセフチオフルはS. zooepidemicusに対する有効性を維持している。最近本剤はウマに使用することが認可されたが、臨床症状の改善後48時間目まで24時間毎に最大10日間にわたって投薬しなければならない。FDAの承認手続きの過程で、彼らはS. zooepidemicus感染馬に獣医師が2回の投与が必要な徐放性セフチオフル製剤について試験を行った。本剤は、簡単に使用可能な製剤であり、効果が持続し、顧客の同意を得やすくなるであろう。McClureらは4日間隔で2回、筋肉中にこの徐放性製剤を投与した。S. zooepidemicusによる肺炎に罹患したと診断された合計201頭のウマが今回の研究に供された。本剤で治療された145頭のウマでは、66.9%が臨床的に治癒し、偽薬で治療された56頭では32.1%のみが治癒した。この研究は試験された徐放性セフチオフル製剤の単独療法がS. zooepidemicusによる肺炎に効果的であることを証明している。この製剤は安全かつ効果的で、使用が簡単である。McClureらは獣医師が罹患馬を治療する際に抗炎症剤や気管支拡張器を使用すれば、これらの成功率はさらに改善されるであろうと仮定している。

(出典:TheHorse.com news, Article # 17817, 2011. 2. 21, 鎌田正信, 2011. 2. 23)

 
 

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