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2011年1月24日付のTheHorse.com
newsに、2010年AAEP総会期間中に開催されたウマライム病小委員会の話題が掲載されていましたので、以下にその概要を紹介します。ライム病は北半球のあらゆる地域に存在する一般的な風土病であり、病原体を保有する野ネズミ、シカ、トリなどに吸血し病原性を有したマダニにより媒介され、ヒトを始めイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジなどの動物が罹患します。原因菌はグラム陰性嫌気性桿菌または螺旋菌のスピロヘータ科ボレリア属のライム病菌群(Borrelia
burgdorferi Sensu lato)で、現在までにB. burgdorferiを含む12菌種が分離同定されています。本病の症状は潜伏期、感染初期、播種期、慢性期によって異なりますが、ウマでは関節炎を始めとして発熱、汎ブドウ膜炎、糸球体腎炎、蹄葉炎、嗜眠、強直、脳炎などの症状を示します。本病の予防は飼い主がチェックしてマダニを24時間以内に除去するのがベストであり、マダニによる吸血時間が長くなるほど感染効率が高まるといわれています。
2010年12月4日〜8日にメリーランド州バルチモアで開催されたAAEP総会期間中にウマライム病小委員会が催され、多数の参加者が集った。ウマのライム病が米国のある特定の地域で他の地域よりも多く発生しており、特に北東地域で最も多くの症例が発生しているということについては、参加者の意見が一致した。診断はしばしば確定診断というよりも主観的なものであり、免疫解析にはエライザとウエスタンブロットの両検査法を含むことが重要である。他の診断的要素には、ウマの臨床症状、既往歴、ダニによる刺咬の程度、ライム病の適切な治療に対する過去の臨床応答などが含まれる。治療成功例に対して繰り返し実施された免疫解析の結果によれば、一般的に多くのウマでは初感染後にエライザ値は持続的に上昇して維持されるが、治療成功例ではエライザ値よりもウエスタンブロットの検出レベルにおいて低下を示すらしい。認可されたライム病(ボレリア感染症)に対するウマ用ワクチンは未だ無く、安全性および有効性を示すデータも存在しない。しかしながら、1つの実験的試みとして実施されたイヌのボレリア感染症のワクチンを接種されたウマは、引き続くボレリア菌による攻撃試験で本菌に対して有効な免疫を保有することを証明した。ライム病の治療は単に抗体検査での陽性結果ではなく、実際に臨床症状を有するウマに対して実施すべきである。風土病として本病が流行している地域のウマでは、その大部分が感染しても臨床症状を示さないに違いない。このことについては、購買者が購入前の検査の一部としてボレリア感染症の検査を獣医師に要求した際に、特に関連してくる。獣医師はそのような抗体検査については既往歴の一部として考慮するが、臨床的に異常が無い場合にはウマを購入または購入しないという理由の一つとして考慮しないように勧めている。異なる抗生物質をライム病の治療に投与する場合には、オキシテトラサイクリンを静脈内投与し、ドキシトラサイクリンを経口投与する方法が最も一般的な使用法である。ダニに吸血されるリスクからウマを完全に防御することは殆ど不可能であるということについては、参加者の意見が一致した。しかし、ウマの所有者はダニ媒介性疾病のリスクを最小限度にするためのある程度の対策を取ることができる。例えば、一日に2回の防虫剤の散布、有効域の広い45%局所ベルメトリン殺虫剤の使用、日々のダニ検査とダニ駆除、ブラシ掛けとウマが集る場所の草を刈り込むことなど。
(出典:TheHorse.com news, Article
# 17596, 2011. 1. 24, 鎌田正信, 2011. 3. 8)
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