Q&A


このコーナーは、馬に関する疑問や質問を話し合うためのものです。ここに寄せられた質問には、事務局でできる限り回答者を探し対応するように心掛けますが、対応できないことも予想されます。そのときには質問だけを掲載しますので、回答できる方がおられましたらお手数ながら事務局へ回答原稿をお送りください。
このコーナーの読者間のコミュニケーションを密にしたいと考えています。(日本ウマ科学会・ホームページ編集主幹)

◆馬の癖を知りたい

Q:馬の癖にはどのようなものがありますか(東京都、男性)

A:馬の癖には、1.さく癖(さくへき、俗にグイッポ):空気を飲み込む、2.熊癖(ゆうへき、俗に船ゆすり):体を左右にゆする、3.後退癖(こうたいへき、俗にあとびき):馬房や洗い場で後退する、4.咬癖(こうへき):噛み付く、5.蹴癖(しゅうへき):物を蹴る、6.その他、立ち上がる癖、たたく癖、抱く癖などがあります。詳しく知りたければ、馬の医学書などを参考にして下さい。(回答:久保勝義、編集主幹)

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◆馬の品種とその特徴を知りたい

Q:馬の品種とその特徴を教えてください。(帯広市、20歳、学生、女性)

A:現在、世界で飼育されている馬の品種は150とも200ともいわれていますが、その正確な数は不明です。代表的な品種として、1.サラブレッド(原産地イギリス、平均体高160-162cm) 2.アラブ(原産地中近東、体高142-150cm) 3.バルブ(原産地北アフリカ、体高142-152cm) 4.アンダルシアン(原産地スペイン、体高150-160cm) 5.シャギア・アラブ(原産地ハガリー、平均体高150cm) 6.クリーブランド・ベイ(原産地イギリス、体高160-162cm) 7.リピッツアーナー(原産地オーストリア、体高151-162cm) 8.クリオージョ(原産地南アメリカ、体高133-150cm) 9.ピント(原産地アメリカ、体高の規定はない) 10.アパルーサ(原産地アメリカ、体高142-152cm) 11.クオーターホース(原産地アメリカ、平均体高143-160cm) 12.スタンダードブレッド(原産地アメリカ、平均体高152cm) 13.テネシーウオーカー(原産地アメリカ、体高150-160cm) 14.シャイヤー(原産地イギリス、体高162-172cm) 15.ペルシュロン(原産地フランス、体高152-170cm) 16.ブルトン(原産地フランス、体高150-160cm) 17.(原産地フランス、体高152-170cm) 18.クライズデール(原産地イギリス、体高160-170cm) 19.シェトランド・ポニー(原産地イギリス、体高100-112cm) 20.日本在来馬(北海道和種、木曾馬、対州馬、トカラ馬、御崎馬、与那国馬、宮古馬、野間馬の8種が日本馬事教会で認定されている)などがあります。さらに詳しくはこちら。(回答:久保勝義、編集主幹)

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◆馬の知能はどの程度か

Q:馬はどれくらいの知能があるのでしょうか。(川崎市、44歳、専業主婦)

A:この質問はよく聞かれます。ただどの程度と言われても返答に困ります。いろいろな動物の知能を比較することはとても難しいからです。
とりあえず脳の大きさで比較してみましょう。人の脳は体重の約2パーセントを占めています。これに対して馬の脳は約600グラムで体重のおよそ0.1パーセントです。身近な動物で脳の体重比が馬より大きいのは、人、サル、ネコ、イヌなどです。逆に小さい動物としてはウシとブタがあげられます。知能から馬を格付けすれば大体その辺の位置、つまりイヌよりは劣り、ウシよりは優れているというあたりに落ち着くような気もします。ただ馬は記憶力が非常に良いということは言えます。
アメリカの研究者が20セットの図形を用いて馬の学習能力の検討を行ったことがあります。具体的には1セットずつ(たとえば丸と四角)の図形の一方を正解と決めておき、どれか1セットを馬の前に差し出したときに正しい方を鼻で指し示せば餌を与えるということを繰り返しました。この研究者が用いた馬は、毎日約20分、87日間この学習を繰り返したところ93%の正解率を示すようになりました。小学生でも20セット程度の図形の弁別ならば1日か2日もあれば完璧に覚えることができるでしょう。この点で馬は人に比べ、かなり学習の速度は遅いといえます。
ところがその後、馬にこれらの図形を一度も見せずにほおっておき、1カ月後、3カ月後、6カ月後にテストをしてみました。その結果、馬は6カ月後でも78%の正解率を示しました。馬の記憶力が長い間持続することを示した成績といえるでしょう。
実際、馬が一度覚えたことを忘れさせるのはとても苦労します。たとえばゲートの中で強い恐怖を経験した馬を、再び落ち着いてゲート内で静止させるためには長期間の再調教が必要となります。(回答:楠瀬良、馬学専門家)

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◆馬の好む香りとは?

Q:馬の好む香りについて教えてください。(市川市、会社員、女性)

A:個体ごとに違いますが、一般に甘い香り(バニラエッセンスなど)を好み、刺激的なにおい(アンモニアなど)をきらいます。(回答:楠瀬良、馬学専門家)

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◆馬の生態に関わる参考書を知りたい

Q:馬の生態について、知りたいのですが、適当な参考書を教えてください。(東京都、28歳、公務員、男性)

A:以下のような本があります。
『ウマ社会のコミュニケーション』木村李花子著 神奈川新聞社刊 定価850円
『馬の動物学』近藤誠司著 東京大学出版会刊 3200円
『サラブレッドは空も飛ぶ』楠瀬良著 毎日新聞社刊 定価 1600円
『サラブレッドはゴール板を知っているか』楠瀬良編著 平凡社刊 定価1600円
(回答:楠瀬良、馬学専門家)

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◆蹄鉄の交換時期と回数は?

Q:蹄鉄は1年に何回取り替えるのですか。(浜松市、29歳、会社員、女性)

A:蹄が月に約8mmほど成長する一方で、蹄鉄が摩耗しますので、定期的に改装(削蹄して蹄鉄を取り替えること)してやる必要があります。取り替える回数は用役によって異なりますが概ね月に1回と考えるとよいでしょう。主な用役ごとの改装回数はだいたい次のとおりです。
乗 馬:40日程度で交換、年9-10回 (365日÷40日)
ばん馬:35日程度で交換、年10-11回 (365日÷35日)
競走馬:21日程度で交換、年17-18回 (365日÷21日)
(回答:宮木秀治、装蹄専門家)

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◆蹄鉄が欲しい

Q:蹄鉄が欲しいのですが、どこへ行ったら手に入るのですか。(浜松市、29歳、会社員、女性)

A:近くの競馬場の装蹄師(場)を訪ねて行けば古い蹄鉄を手に入れることが出来るでしょう。なお、インターネットでも購入することが出来ます。
(有)今井製作所
名古屋市港区小碓4丁目330番地
TEL052−383−4073
FAX052−384−0359
Eメ−ルアドレス:imaiss@guitar.ocn.ne.jp
(回答:宮木秀治、装蹄専門家)

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◆馬は中距離向き

Q:本来、馬はどのくらいの距離を走るのに適していますか。(東京都、26歳、大学院生、男性)

A:100、200mのような短距離をもっとも速く走ることのできる哺乳動物はチータで、秒速30mぐらいで走るといわれています。一方、このような短い距離であれば、ウマの走るスピードは秒速20m前後、ヒトは秒速10m前後であるといわれ、ウマはおよそヒトの2倍のスピードで走ることができます。また、1500mのような中距離になりますと、人の中距離選手の約2.3倍のスピードで走ることができることから、ウマはヒトより中距離向きの生理機能であると想像されます。
馬の競技には、400mのような短距離レースから180kmのような長距離レースがありますが、400mではクオーターホースが、1000-4000mあたりの中距離ではサラブレッドがどの品種の馬よりも速く走ることができます。また比較的長距離のレースになるとアラブが利用される傾向にあります。(回答:久保勝義)

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◆競走馬の無酸素運動と走行スピードとの関係は?

Q:馬(競走馬)の有酸素運動と無酸素運動への切り替えの距離や速度を教えてください。(東京都、26歳、大学院生、男性)

A:品種の違いや同じ品種でも体力により異なりますので、ここでは日本のサラブレッド競走馬を例にとって回答します。一般的に1000-3000mのレースでは、分速800m(ハロン15秒)あたりのスピードで、平均的な競走馬の血中乳酸濃度は4mmol/lを示します(一流馬は分速800m以上)。このことは有酸素エネルギーに加えて無酸素性エネルギーが利用されるようになったことを意味しています。したがって、分速800mあたりのスピードまでは有酸素運動で、そのスピードを超えると無酸素運動がさらに加わるということができます。(回答:久保勝義、運動生理学専門家)

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◆馬の長寿記録を知ろう

Q:馬の寿命あるいは長寿記録を教えてください。(兵庫県、自営、男性)

A:世界の馬の長寿記録は、ギネスブックによると1760年英国で生まれた中間種の馬が記録した62歳ということになっています。日本のサラブレッドの最長長寿記録は5冠馬シンザン(1962年生-1999年没)の35年3ヶ月11日といわれています。もし、これ以上のことを知っている方がおられましたら、本学会事務局へご一報ください。(回答:楠瀬良、馬学専門家)

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◆馬もパンティングをする

Q:馬もイヌのようなパンティングをするのですか。(東京都、獣医学生、男性)

A:Evansetal(1957)の報告によると、犬や豚などでは、暑熱下または運動時に、浅速呼吸(パンティング)をしますが、呼吸性熱損失の占める割合が大きいためと考えられています。馬では通常、浅速呼吸はみられません。しかし、高湿度または無汗症により汗の蒸散が著しく妨げられるときには、頻呼吸あるいはパンティング(120−140回/分)がみられることがあります。(回答:久保勝義、運動生理学専門家)

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◆馬の汗が白く泡立つ理由とは?

Q:馬はなぜ鞍下などに白い泡のような汗をかくのか。(東京、獣医学生、男性)

A:Eckersallら(1984)の報告によると、馬の汗には他の動物よりも高濃度の糖蛋白が含まれています。この糖蛋白はラセリン1atherin)と呼ばれ、運動後の馬にみられる石けんを泡だてたような汗・泡汗(1ather)の原因になっています。このラセリンは、ちょうど汗が被毛を通って広がりやすくなる界面活性剤の働きをし、熱放散の促進に役立っているのです。(回答:久保勝義、運動生理学専門家)

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◆馬の被毛を刈り込む理由とは?

Q:被毛を刈り込んだ馬(クリッピング)を見かけるが、どのような目的で刈り込むのか。(東京、獣医学生、男性)

A:一つ目の理由は、冬季に発汗して被毛が濡れ馬体が冷えて風邪を引かないようにすること、二つ目には、手入れをし易くすること、三つ目には、逆に強運動中の熱放散を促進することです。しかし、いずれにしても運動していない時には熱が奪われ易くなっていますので、毛布などを用いて保温してやることが大切です。(回答:久保勝義、編集主幹)

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◆馬の学名を知りたい

Q:馬の学名を教えてください。(北海道、女性)

A:馬は学名をエクウス・キャバルス(Equus caballus )といいます。分類上は哺乳動物(網)、有胎盤哺乳類(亜網)、有蹄類(目)、奇蹄類(亜目)、馬科(科)、馬属(属)、馬(正しくはイエウマ)(種)となります。馬科には、馬(Equus caballus、染色体数64本、以下同じ)、モウコノ馬(E.przenwalskii、66本),アフリカノロバ(E.africanus、62本),アジアノロバ(E.hemionus、54-56本) グレビーシマウマ(E.grevyi、46本), ヤマシマウマ(E.zebra、32本),サバンナシマウマ(E.burchelli、44本)の7種の動物種が現存しています。雄のロバと雌のイエウマを交配するとラバが生まれますが、このラバには生殖能力はありません。(回答:久保勝義、編集主幹、馬の医学書より)

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◆酸素摂取量と酸素消費量の違い

Q:酸素摂取量と酸素消費量はどう違うのですか(東京都、獣医学生)

A:外呼吸(肺呼吸)によって、肺胞内で毛細血管の血液中に取り込まれた酸素量を酸素摂取量(oxygen uptake)といいます。内呼吸(組織呼吸)で、毛細血管中の血液から組織に取り込まれた酸素の量を酸素消費量(oxygen consumption)といいます。一般的には、酸素消費量と酸素摂取量はほぼ同じ値を示しますが、正確には、血液中に貯蔵されている酸素の量はある基準値から増減しており、次の式でその違いを説明することができます。酸素消費量=酸素摂取量±血液中の酸素貯蔵量。つまり、酸素消費量は、血液中の貯蔵酸素の増減分だけ酸素摂取量と異なるのです。 (回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆馬と人の心臓の比較した資料が欲しい

Q:馬と人の心臓の比較した資料が欲しいのですが(東京都、獣医学生)

A:そのような文献的な資料は知りませんが、サラブレッド種と人の心臓を比較した筆者の資料でお答えいたします。人と比較し(あるいは比較生物学的にみて)、サラブレッドの心臓は大きく、大きい心臓にも関わらず最大運動時の心拍数が多いという特色があります。このことから,サラブレッドはヒトと比較し酸素を運搬するのに有利な心臓機能を備えていることになります。以下、主な比較したデータについて示します。
(1) 心(臓)重量:サラブレッドは4,500-5,000g、人は250-300g、サラブレッドの心臓体重比は約1%、人は約0.5%。
(2) 心拍数:サラブレッドの安静時心拍数は30-35拍/分(一流競走馬では25-30拍/分)、人は60-70拍/分(一流長距離選手:30-50拍/分)、サラブレッドの最大心拍数は220-240拍/分、人は180-200拍/分。最大心拍数/安静時心拍数は、サラブレッドでは7−8倍、人は3倍。
(3) 1回拍出量::サラブレッドでは800-1000ml、人は70ml。
(回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆馬と人の血液の比較した資料が欲しい

Q:馬と人の血液の比較した資料が欲しいのですが(東京都、獣医学生)

A:そのような文献的な資料は知りませんが、サラブレッド種と人の赤血球を比較した筆者の資料を紹介します。サラブレッド種の赤血球は人と比較し、下記の表のように小さいが数が多いため、総面積としては大きくなりますので酸素や炭酸ガスの交換には有利な機能となっています。
項目 ウマ ヒト
赤血球数(×10/ul 700-1.100 450-500
赤血球直径(um) 5.5 8.0
赤血球平均容積(fl 42-47 81-94
赤血球総面積(m 33,600 4,536
安静時ヘマトクリット(%) 35-45 35-45
運動時ヘマトクリット(%) 60-70 40-50
脾臓血(l 12.0 0.1-0.25
脾臓血ヘマトクリット(%) 65-85 50-70

この表は、馬と人の違いを比較するために、いろいろなテキストを参考に久保が作成したものである。脾臓血は著者らの測定値であり、そのヘマトクリットは推定値である。もちろん馬の品種、性、年齢、トレーニング歴などによりこれらの値は異なる(回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆馬の歩法・歩度・歩調・歩様とは

Q:馬において歩法・歩度・歩調・歩様など同じような言葉がありますが、その違いについて教えてください。(東京都、獣医学生)

A:人において、歩いたり、走ったりする歩き方があるように、馬にも歩き方すなわち、歩法があり、基本的には常歩なみあし(walk)、速歩はやあし、駈歩かけあしの三つに分けられます。速歩には、斜対歩しゃたいほ(trot)と側対歩そくたいほ(pace)があります。駈歩には、キャンター(canter)と呼ばれる緩い駈歩と、ギャロップ(gallop)と呼ばれる襲歩しゅうほ(あるいは競走駈歩)があります。
歩度とは、広辞苑では「(1)人馬の行進中の速度・歩幅の程度。(2)途歩みちあし・常歩・速歩・駈歩など。」となっています。我々が馬術用語として使う際、(1)の意味の場合は、同一歩法において「歩度を詰め」・「歩度を伸ばせ」というように使用し、(2)の意味の場合は「歩度の配分(配合)が良い、悪い」というように使用し、歩法の配分が良い、悪いの意味で使います。すなわち、歩度は戦前の陸軍時代から二つの意味で使用されています。しかし、用語の統一を考えますと歩法と歩度は明確に分けるべきだという意見もあります。私もこの意見に賛成です。
歩様とは馬の歩きぶり、運歩の状態をいい、「歩様検査」・「異常歩様」・「正常歩様」というように使います。
歩調とは、広辞苑では、「(1)歩行の調子。行進の足どり。(2)行動の調子。足なみ。」となっています。馬術用語として「常に正しい歩調を保つ」などと使います。それぞれの歩法において四本の肢の運歩の順序は決まっていますが、その運歩の調子のことです。(原秀昭、競走馬総合研究所)

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◆エミレーツ・ワールド・シリーズ・レーシングチャンピオンシップ

Q:エミレーツ・ワールド・シリーズ・レーシングチャンピオンシップについて教えてください(栃木県、男性)

A:エミレーツ・ワールド・シリーズ・レーシングチャンピオンシップ(Emirates World Series Championship)は1999年に創立された競馬の国際レースで、人のスポーツにおけるワールドシリーズのようなものです。UAE(United Arab Emirates,アラブ首長国連邦)のエミレーツ航空(Fly Emirates)の提供で行われている競馬レースのワールドシリーズで「競馬のF1」として注目を集めています。ヨーロッパ(アイルランド、イギリス、フランス、ドイツ)・西アジア(ドバイ)・極東(香港、日本)・北アメリカ(カナダ、アメリカ合衆国)・オセアニア(オーストラリア)の9カ国、10競馬場、11G1レースからなっています。将来は南アメリカやアフリカ大陸からの参加をつのる予定とのことです。2002年ジャパンカップもこの4年目のシリーズの一環として行われました。
(回答、久保勝義、編集主幹)

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◆3冠馬とは

Q:3冠馬について教えてください。(北海道、札幌主婦)

A:三冠競走(Triple Crown Race)に勝った馬を三冠馬(Triple Crown Winner)といいます。三冠競走とは、英国では2000ギニー(1809年)、ダービー(1780年)、セントレジャー(1778年)をいい、米国ではケンターキー・ダービー(1875年)、プリークネス・ステークス(1875年)、ベルモント・ステークス(1867年)、そして日本では、皐月賞、東京優駿、菊花賞をいいます。
(回答、久保勝義、編集主幹)

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◆最大心拍数と最高心拍数の違い

Q:最大心拍数と最高心拍数は、同じ意味の言葉ですか。(東京都、獣医学生)

A:通常、個々の馬が達することのできる最大の心拍数を最大心拍数(maximal heart rate、HRmax)といい、ある運動中に記録された最も高い心拍数を最高心拍数(peak heart rate)(極大心拍数と訳す人もいる)といっています。(回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆パフォーマンスとフィットネスとスキルとは

Q:パフォーマンスとフィットネスとスキルは、どう違うのですか。

A:スポーツ科学では、パフォーマンス(performance)とは「運動能力」、フィットネス(fitness)とは、「体力」「あるいは身体適正」という意味に使われることが多いようです。フィジカル・フィットネス(physical fitness:体力、身体適正),メンタ・フィットネス(mental fitness、精神的適性)という言葉も使われています。スキル(skill)とは運動技能であり、生理的には神経―筋の協調で、運動を巧みに行うことのできる能力をいいます。最近、各国の馬運動生理学者の間で、プアーパフォーマンス(poor performance)というタームがよく使われていますが、あえて訳すると運動能力低下ということになります。(回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆オーバーワークとオーバーロードとは

Q:オーバーワーク、オーバーロードの違いを教えてください。(東京都、獣医学生)

A:オーバーワーク(overwork、オーバートレーニングの1種)は、運動負荷が許容量(適正量)を超えて負荷され、心身に大きな負担がかかっている状態をいいます。回復が十分におこなわれず疲労に向かうことになります。「今日の運動はオーバーワークだった」などと用いられています。オーバーロード(overload、過負荷)は、適正な運動負荷量であり、疲労はするがすぐに回復し、生体は過負荷に適応してトレーニング効果としてあらわれことになります。「オーバーロードの原則」などと用いられています。((回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆トレーニングとコンディショニングの違い

Q:トレーニング、コンディショニングなどの類義語がたくさんありますが、その定義について教えてください。(東京都、獣医学生)

A:最近、馬のトレーニングにおいても人のスポーツの影響を受けて、訓練、運動、調教、トレーニング、コンディショニング、時にピーキング、テーパリングなどの類義語が多く使用されるようになりました。人によって意味合いが異なり多少混乱しているようですが、いまだに正確な定義はなされていないようです。ヒトのスポーツを参考に整理して、筆者の考えを以下に示します。
一般用語
(1) 運動(exercise):体を動かすこと(広辞苑)。
(2) 練習(practice):一定の作業を反復して新しい習慣をつくること(広辞苑)
(3) 訓練(training, drill):馬、犬、または猛獣などを訓練すること(広辞苑)。
スポーツ用語
(1) トレーニング(training):スポーツにおいて、狭義には体の器官等の強化・発達を目指して訓練すること。広義には、心理的、技術的なものも含む。
(2) コンディショニング(conditioning):心身の状態をよくすること
(3) ピーキング(peaking):レースに向けてコンディションを整え、心身の状態を最高に高めること。コンディショニングに含めることも可能。
(4) テーパリング(tapering):十分にトレーニングした後、レース近くになって、トレーニングを徐々に減少させながら、万全の体制でレースに望めるように心身を調整すること。
(回答:久保勝義、運動生理専門家)

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◆屈腱炎における運動後のクーリングダウン

Q:装蹄に起因した屈腱炎、運動に起因した屈腱炎の運動後のクーリングダウンについて、腱を冷やすのが先か、クーリンダウンが先か?(長崎県、渡辺、女性乗馬愛好家)

A:競走馬の例について回答します。屈腱炎は人間が馬に競馬や馬術などの様々な運動を強いるために発生する、馬の職業病です。屈腱炎は突発的なものではなく、腱に蓄積した疲労が限度を超えた場合に発症すると考えられます。私たちは腱の疲労を「前駆病変」として捉えていますが、これは腱に栄養や酸素を供給する微小血管が障害を受け、腱線維が変性するためです。
 調教や競走、馬術競技などで屈腱に物理的ストレスが加わると、屈腱は発熱します。ある実験のデーターでは腱中心部の温度は運動中には44℃を超えています。この温度が腱内の微小血管を取り巻くコラーゲン繊維を変性させ、腱を疲労させると考えられることから、腱の熱を冷ますことが屈腱炎を予防する大きなポイントです。
 運動を終えたら、肢巻きやプロテクターを直ぐに取り外し、水をかけてやります。クーリングダウンをおこないながら、肢を冷やす手段を検討すべきでしょう。例えば、札幌競馬場では調教からの帰り道に脚浴場を設け、調教後の肢を直ぐに冷やす工夫をしています。
 装蹄は屈腱炎になりやすい不整蹄形、いわゆる「アンダーラーンヒール」を避けることです。競走馬や競技馬はキャリアを積むほど蹄尖が長く、蹄踵が巻き込んだ不整蹄形なりやすく、この蹄形は蹄や屈筋の円滑な運動を妨げ、屈腱に疲労を蓄積させる一因になっていると、私は考えています。(回答:競走馬総合研究所、臨床専門家、平野司郎)

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◆クーリングダウンは、騎乗したままかいいのか、引き運動がいいのか

Q:激しい運動後のクーリングダウンは、騎乗したままがいいのか、鞍と取って引き運動で行うのがいいのか。(東京都、女性乗馬愛好家)

A:競走馬の例について回答します。クーリングダウンには肉体と精神、両面のリフレッシュをはかる意味合いがあります。このことから、激しい運動を課した後には、速やかに脱鞍して、充分に給水しながら、馬の呼吸が整うまで、速めの常歩をおこなうべきでしょう。騎乗のままや鞍を置いた状態では馬への負担が持続し、リフレッシュの意味がありません。うるさい馬でも、引き馬で運動できるように調教しておくことは、非常に大切なことなのです。
 因みに、レース後の競走馬では、鞍は直ぐに取り除かれ、人間が小走りになるくらいの速度で、後肢を十分に踏込ませるようにしながら、クーリングダウン(競走馬では上がり運動という)を30分前後おこない、その間に水を与えます。日々の調教でも同様のことが繰り返されています。また、クーリングダウン中の歩様を観察することは運動器疾患の早期発見につながります。
 日本の馬術界では、馬の健康管理や体調維持を科学的に考えることが、欧米に比べて少ないようです。クーリングダウンは競技馬や乗馬のパフォーマンスを維持するために不可欠の手段です。競技や運動を終えた馬が心身ともにリフレッシュできるよう心がけましょう。(回答:競走馬総合研究所、臨床専門家、平野司郎)

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◎未回答項目(下記の質問に回答できる方は事務局までお知らせください。)

雌馬は雄馬より夏に強い、本当か。
芦毛は他の毛色の馬より夏バテに強い、本当か。
馬にも花粉症は、ありますか。