2000年7月12日

軽防協ニュース速報 号外


京都府下の乗馬クラブにおける糜爛性口内炎を主徴とする疾病


 先般報告(6月27日付け軽防協ニュース速報号外)した中毒と考えられる不明疾病の集団発生に関し、原因と推測された木屑を用いた再現試験(投与実験)が、JRA競走馬総合研究所栃木支所において実施された。

本実験では、発生のみられた乗馬クラブで使用された敷料と同一の「ブラジル産カセッター」および「カメルーン産アユーズ」を原材料とする木屑を、各々2頭の実験馬にペレットと混餌投与(1日300g)した。カセッター投与群においては、投与の翌日から食欲不振となり、2日目には口内炎、流涎、口唇および鼻翼皮膚の糜爛が認められた。うち1頭は、4日目に重度の全身違和、沈鬱、発汗および間歇的な激しい強直性痙攣を示し、体温は36.5℃までに低下した。救うことの困難なショック状態に陥ったため、安楽死の処置がなされた。同馬の主な剖検所見は、全身性の黄疸、肝臓全域に及ぶ小葉中心性壊死、腎臓の著しい腫大および全身リンパ節などの免疫系組織の萎縮であった。今回の再現試験(カセッター投与群)で観察された臨床所見および剖検所見は、乗馬クラブで発生した疾病のそれらに酷似していた。一方、アユーズ投与群では、特に臨床的な異常所見は認められなかった。以上のことから、乗馬クラブで発生した疾病は、「カセッターを原材料とする木屑に起因する接触性皮膚・粘膜傷害および食餌性中毒」によることが確認された。

 このような背景から、馬関係者におかれましては、馬房内の敷料としてこの木屑を使用しないよう注意して下さい。なお、カセッター(Caixeta)とはブラジルにおける名称であり、一般にこの木材はシマルバ(Simarouba)と呼ばれています。主な呼び名は以下のとおりです。

 

ブラジル:

Caixeta、Marupa、Papanuba、Craiba

コロンビア:

Simaruba、Marouba

ガイアナ:

Simarupa

スリナム:

Soemaroepa

仏領ギアナ:

Acajou blanc

小アンティル諸島:

Bois blanc、Maruba、Acajou blanc

エクアドル:

Amargo、Cedro blanco

ベネゼラ:

Simaruba、Cedro blanco、Marupa、Casabita

英領ホンジュラス

Negrito

ガテマラ:

Cujitl

 


・世界の馬伝染病発生情報