2004年10月27日
軽種馬防疫協議会 事務局
(JRA馬事部防疫課)
アラブ首長国連邦(ドバイ)で鼻疽が発生いたしました。発生の概要は以下のとおりです(OIE:国際獣疫事務局の情報)。
発生の概要:
2004年4月8日に中東から陸路でドバイに輸入された馬10頭のうち3頭が、輸入検疫の検査終了後、隔離施設内で着地検査中に鼻疽を発症した。加えて、6月29日に同じ着地検査施設に繋養されていた地元馬4頭に感染したことが明らかとなった。ドバイの中央獣医研究所とドイツ、MunichのInstitute
fur Mikrobiologi der Bundeswehrで臨床症状、剖検、検査室診断(CF検査、細菌培養、PCR検査)により検査が行われ、鼻疽と診断された。発生頭数7頭のうち6頭が屠殺処分された。
ドバイでは輸入されるすべての馬は、輸入検疫後に隔離施設内での着地検査と獣医省の検疫官の輸入検疫証明書の発行が義務付けられており、もし地元の馬が着地検査施設に繋養されている時は、輸入馬が解放されるまで輸入馬と同様に移動を制限される。当該馬の輸入以降、この着地検査施設における馬匹の出入りは無く、今のところドバイの馬群に侵入した形跡はない。
過去18ヶ月の間、OIEへの鼻疽の発生報告は無い。競馬先進国では米国で1942年、カナダで1938年、日本で1935年、フランスで1965年、英国で1928年に発生している。
鼻疽は細菌(Burkholderia mallei)によって起こる感染症であり、家畜伝染病予防法で法定伝染病に指定されている。馬のほかロバ、ラバなど広く馬属に感染するほか人にも感染する人獣共通伝染病である。馬が感染した場合の症状は、急性型で発熱、膿性鼻汁の排出、皮下リンパ節に沿った念珠状結節であり、進行すると敗血症に移行して3〜4週間で死亡する。慢性型では、体表リンパ節の潰瘍、四肢などの部位をはじめとしたリンパ節の硬化・腫脹・結節形成である。