ProMED(アメリカの科学者組織による感染症モニタリングプロジェクト)からの情報
1999年8月7日、米国ミシシッピー州において東部馬脳炎の発生が報告された。ミシシッピー州家畜衛生局は、同州の12の郡(アルコーン、クラーク、ジョージ、グリーン、ハリソン、ローダデイル、リンカーン、ニュートン、パールリバー、スコット、スミス、ウインストン)から、10例以上のウマの発症がみられたとしている。また、今回の発生に先立つ6月に、ブルックヘイヴェン市で多数のエミューの感染が報告されている。ヒトでの発生はない。
一方、8月10日、ミシガン州農務省は、同州のバーリー郡のウマ1例にEEEが発生したとしている。この診断は、臨床症状とミシガン州立大学家畜衛生研究所における脳組織の病理学的検査によるものであった。また、グラッドウイン郡の蚊およびカラマズー郡の野鳥ひなから、EEEウィルスが検出された。これらのことから、ミシガン州南部の他の地域におけるEEEウィルスの存在も予測されている。ミシガン州では1980年以降、EEEの感染により253頭(今回の症例が254頭目)のウマが死亡しており、最近では1996年に発生している。1980年以降のヒトの感染は8人であり、このうち4人が死亡している。最近の症例は、1997年が最後である。
EEEは、眠り病として知られている。ウマの臨床症状は発熱、進行性の筋肉性運動能力の低下、麻痺、起立不能および失明であり、致死率は90_95パーセントに達する。ヒトは感染しても無症状、あるいは軽いインフルエンザ様症状を呈するのみである。しかし、ウィルスが中枢神経系に侵入した場合は、急性の発熱、激しい頭痛に続き、発作と昏睡状態に陥り約半数が死亡する。生存しても、脳障害などの後遺症が残る。
ウマやヒトは、ウィルスを保有しているトリを吸血した蚊を介してEEEに感染する。トリは病状を示さず、ウイルスの保有宿主となる。感染馬が、他の動物やヒトに伝播させる程度の多量のウイルスを血中で増殖することはない。ウマではワクチン接種が有効であるが、ヒトでは有効なワクチンがない。このため、蚊に刺されない予防措置を講じる必要がある。
<追加報告>
8月24日、アラマバ州南部の8郡でウマおよびエミューにEEEが急増していることから、州衛生局により媒介蚊に関する警告が発せられた。また、フロリダ州の10郡(そのうち4郡はアラマバ州に隣接している)においても、同様の警告が発せられた。
一方、ルイジアナ州では8月27日までに66頭の感染馬が、テキサス州の6郡では8月31日までに7頭の感染馬が報告されている。いずれの州も、ヒトの感染例は報告されていない。