2000年第1四半期(1月−3月)の伝染病発生状況についての報告
(International Collating Center からの情報)
2000年4月13日
オーストラリア
腺疫−
北西部の2施設で発生(1頭中1頭および57頭中20頭)した。
クイーンズランド州の5施設で発生した。病勢の進行はスローで、頭頚部に膿瘍の形成がみられた。感染頭数は160頭中3頭、1頭中1頭、3頭中1頭、75頭中5頭および50頭中10頭であった。
馬ヘルペスウイルス−1施設で160頭中の3頭(いずれも若馬)が感染した。ウイルス分離により確認された。
カナダ
報告が未着であった。
デンマーク
報告事項なし。
フランス
馬インフルエンザ−
ELISA 法による診断。
速歩馬−Calvadosで発生した。その他−Dr冦e(2頭)およびHauts-de-Seineで発生した。
血清学検査による診断。
サラブレッド種:Calvados(異なる厩舎2ヶ所)、Mayenne、Oise(2頭)およびRhin(Bas)で発生した。
非サラブレッド種:速歩馬−Alpes Maritimes(4頭), Loiret、Mayenne, Vend仔で発生した。乗用馬−Eure-et-Loir(2頭),
Hauts-de-Seine, Loire-Atlantique(2頭)、Sa冢e-et-Loire,
Seine, Seine-et-Marne(2頭), VienneおよびYvelines(3頭)で発生した。その他−Essonne,
Hauts-de-Seine, Indre-et-Loire、Maine-et-Loire, Moselle, Seine-et-Marne,
VarおよびYvelinesで発生した。
馬ヘルペスウイルス(流産型)−すべてIF(免疫蛍光検査法)による診断。
サラブレッド種:MancheおよびOrneで発生した。
非サラブレッド種:速歩馬−Calvados(異なる厩舎2ヶ所)およびNordで発生した。乗用馬−Manche(4頭)で発生した。その他:Calvadosで発生した。
馬ヘルペスウイルス(神経型)−FinistereおよびPyr始仔s-Atlantiquesで発生した。
馬ヘルペスウイルス(呼吸器型)−すべて血清学的検査による診断。
サラブレッド種:Calvados(4頭)、Maine-et-Loire、Oise、Orne(2頭)およびYvelinesで発生した。
非サラブレッド種:速歩馬−IndreおよびNordで発生した。乗用馬−C冲es dユArmor、Essonne、Gers、Loire-Atlantique(2頭)、Sa冢e-et-Loire、Seine et Marne(2頭)、Vend仔およびYvelines(3頭)で発生した。その他−Essonne、Hauts-de-Seine、Moselle、YonneおよびYvelinesで発生した。
馬伝染性貧血−Vaucluseにおいてアラブ牝馬1頭が臨床症状を呈し、コギンズ検査法により陽性と診断されたため殺処分された。この牝馬は、Carce(Var)の馬術センターより移入されたものであり、馬術センターの馬36頭(ポニー、乗用馬、荷馬、アパルーサ、スペイン馬)が殺処分された。現在も獣医学的な追跡調査中であり、15厩舎が監視下にある。
狂犬病 − 事例なし
馬ピロプラズマ病−フランス南部の風土病である。
ドイツ
馬ヘルペスウイルス(1型)−3月に発生し、ハノーバーTU研究所で診断された。発生は限局的であり、1施設3頭のサラブレッド種繁殖牝馬が感染した。ワクチンは接種済みであった。
香港
馬ピロプラズマ病(バベシア症)−サラブレッド種1頭が、イギリスのウエイブリッジ獣医学研究機関の血清学的検査により診断された。
その後、香港内の調教きゅう舎25棟および 乗馬学校9校に所属する競走馬、乗用馬およびポニーから無作為に232頭を抽出し、3月14日から20日に採取した血清に対してB.EquiおよびB.caballiの抗体検査を実施したところ、いずれも陰性であった。この検査頭数は香港の14.85%を占めており、今回の成績はピロプラズマが香港に蔓延していないことを示唆している。なお、これらの検体はイギリスのウエイブリッジ獣医学研究機関で検査され、220件が補体結合反応(CFT)で陰性と判明した。残り12検体のうち、2検体がB.caballiに、10検体がB.equiに疑陽性であったが、間接蛍光抗体法(IFAT)ではすべてが陰性であった。
CFTのみで検査されたものを含め、香港の馬はすべてIFATで検査されている。シャティン競馬場、ハッピー・バレー競馬場およびその他の馬関連施設の初回調査では、ダニは検出されていない。また、香港のいずれのウマからもダニは検出されていない。
アイルランド共和国
サルモネラ感染症 − S.typhimurium ファージタイプ120。アボッツタウンの中央獣医学研究所で血清学的検査および菌分離によって診断された。発生は限局的であった。
腺疫 − S.Equi。アイルランド馬事センターにおいて菌分離により診断された。10施設83頭が感染した。
イタリア
インフルエンザ−報告事項なし。
馬ヘルペスウイルス−流産の症例が異なる施設で散発的に発生した。
馬ウイルス性動脈炎−臨床症例はない。
腺疫−散発的に発生した。
日本
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)− 1月5日に発生し、最終報告は3月20日であった。4施設で8頭の繁殖牝馬が感染し、うち2施設2頭はワクチン接種済みであった。
オランダ
流産−EHVに起因するとみられる流産が複数の牧場で発生した。診断は確認されていない。
ニュージーランド
報告事項なし。
ノルウエー
インフルエンザ−非サラブレッド種のみで、発生は限局的でありいずれも軽症であった。
腺疫−南部の1施設で数例が発生した。
シンガポール
報告事項なし。
南アフリカ共和国
報告が未着であった。
スウェーデン
腺疫−18施設で感染が確認され、すべて隔離処置がとられた。
インフルエンザ−30施設で感染が確認され、すべて隔離処置がとられた。
馬伝染性子宮炎−非サラブレッド種4頭が感染した。
サルモネラ感染症(腸炎)−2頭が診断された。
スイス
馬ヘルペスウイルス1型−
3月、2施設で流産(10ヶ月)症例が2件発生し、うち1頭はワクチン接種(妊娠中3回)済みであった。ワクチン未接種の牝馬は発熱から9日後に流産した。胎児および胎盤からウイルスが分離された。
また、ワクチン未接種の乗用馬2頭(13歳の去勢馬)を含め、同一厩舎で8頭が同時に感染した。重度の麻痺が認められたため、数日後に殺処分された。ウイルスは軟膜から分離された。牛の狂牛病(海綿状脳障害)が知られていることから「狂馬病」との噂が流れたが、これは獣医らがワクチン接種を奨励するため、畜主へ送ったレターの内容にも一因があったと考えられる。国内のワクチンは売切れ状態となった。我々は詳細をすべての獣医師に周知し、一般の報道陣に対しても説明する必要に迫られたが、幸いICCを経由して、世界中から最新情報を獲得し、防疫規則に従った迅速な指示を発することができた。
馬ヘルペスウイルス3型−臨床例1件であった。
馬ウイルス性動脈炎−血清学的検査で4件が確認された。
腺疫−中部地方で7件の個別症例が発生した。
馬ピロプラズマ病−血清学検査でB.equi1例、B.caballi2例、B.equiおよびcaballi1例が確認された。
エールリヒア症−血清学的検査で1件が確認された。
その他−クリプトスポリジウム症による仔馬の下痢、レプトスピラ症およびClostridium perfringensに起因する腸性毒血症(5歳牝馬がショック状態となり、安楽死処分)がみられた。
トルコ
報告が未着であった。
アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ症−Babesia equiおよびBabesia caballiがみられた。いずれも風土病である。
白癬症−散発的に発生した。
イギリス
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−
2月8日に発生し、アニマル・ヘルス・トラストにおいて胎児組織のPCR法により診断された。サラブレッド種繁殖牝馬1頭が感染した。
2月10日に発生し、アニマル・ヘルス・トラストにおいて胎児組織のPCR法により診断された。サラブレッド種繁殖牝馬1頭が感染した。Duvaxyn
EHV1×4回(4回目は妊娠中に接種)のワクチン接種歴があった。当該牝馬は昨年、EHV-1麻痺性流産が発生した牧場で交配されていた。
2月15日に発生し、1施設10頭の妊娠ポニー群が感染した。流産が1例、高抗体価馬に接触した事例が9例であった。
馬ヘルペスウイルス4型(流産型)−3月8日に発生し、アニマル・ヘルス・トラストにおいて胎児組織のPCRにて診断された。サラブレッド種繁殖牝馬1頭が感染した。
馬ヘルペスウイルス(呼吸器型)−1月11,22日に個別に発生し、アニマル・ヘルス・トラストにおいて血清学的検査により診断された。発生は限局的であり、サラブレッド種が感染した。
腺疫−Streptococcus equi(馬連鎖球菌)−アニマル・ヘルス・トラストにおいて菌分離により診断された。鼻咽頭スワブ検査により3検体が陽性反応であった。
インフルエンザA/エクイン-2−1月19日発生し、アニマル・ヘルス・トラストの血清学的検査により診断された。発生は限局的であり、発熱およびリンパ節の腫脹がみられる軽症例のみであった。1施設で4頭のサラブレッド種および非サラブレッド種が感染した。ワクチン接種歴はなかった。
アメリカ合衆国
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−ケンタッキー州を中心とし、EHV-1に起因するサラブレッド種の流産例および仔馬の死亡例が26件発生した。1牧場においてワクチン接種牝馬が多数死亡した事例(8頭)も含まれている。いずれもケンタッキー大学家畜疾病診断センターで診断された。
馬伝染性貧血(EIA)−ニューメキシコ州の牧場において、EIA検査で8頭が陽性と診断された。
馬ウイルス性動脈炎(EVA)−3月27日付報告書以外に、さらにEVAが発生したとの報告はない。
西ナイルウイルス感染症−疾病管理予防センター(CDC)は、1〜2月にニューヨークで収集された越冬蚊(イエカ属)3プールのうち、1プールの組織培養から西ナイルウイルスが分離されたと報告した。
インターナショナル・コレイティング・センター