2000年第2四半期(4月−6月)の伝染病発生状況についての報告
(International Collating Center からの情報)
2000年7月19日
オーストラリア
クイーンズランド州:
腺疫−13頭中3頭から、純培養でS.equiが分離された。
流産−3件発生したが、菌分離されておらず、EHV-1の可能性はない。
Streptococcus zooepidemicus−乳房炎例から菌分離された。
馬伝染性貧血−北クイーンズランド州の流行地域において、20頭中2頭が陽性反応を示した。
ニュー・サウス・ウエールズ州:
流産−12頭中6頭に発生したが、EHV-1の可能性はない。2頭からStreptpcoccus
mutansが分離された。胎盤炎は認められなかった。レプトスピラ症およびEVAの血清検査成績は未入手である。
ヴィクトリア州:
流産−6件の流産が発生したが、EHV-1の可能性はない。1例においては、流産胎児の胃から純培養によるEnterococcusが分離された。他の1例においては、胎児の胃内でEnterococcusが増殖していた。さらに別の1例からは、Coryne
bacterium aquaticum/Aerobacterium sppおよびActinobacillus equuliが分離された。3例とも重症の慢性胎盤炎と胎児のび漫性肺炎が認められ、経膣感染が疑われた。なお、レプトスピラ症の力価については現在調査中である。
サルモネラ感染症−S.typhimuriumが、サラブレッド種(3歳、セン馬)の腹膜炎発症部位および右腹側結腸から分離された。
腺疫−北東ヴィクトリア州のスタンダードブレッド種繋養群の少数が感染した。
カナダ
報告事項なし。
デンマーク
馬ウイルス性動脈炎(EVA)−2施設で合計10頭未満が感染した。呼吸器症状と流産2例が認められた。
腺疫−数ヶ所の施設において、速歩馬と乗用馬が感染した。
フランス
馬インフルエンザ−
ELISA法による診断
非サラブレッド種:乗用馬にAlpes Maritimes、Dr冦eおよびLoire-Atlantiqueで発生した。その他のウマはAlpes
MaritimesおよびIs俊eでも発生した。
血清学検査による診断
サラブレッド種:Mayenne、Oise(3厩舎)、SartheおよびYvelines(2厩舎)で発生した。
非サラブレッド種:速歩馬にLoire AtlantiqueおよびVal dユOiseで発生した。乗用馬にCalvados、C冲es
dユArmor、Eure-et-Loir(2厩舎)、Loire-Atlantique、Manche(2厩舎)、Nord、SartheおよびYvelines(3厩舎)で発生した。その他のウマはEure-et-Loire、Seine-et-Marne、Yvelines(2厩舎)およびEssonneで発生した。
馬ヘルペスウイルス感染症(流産型)− 2000年第1四半期報告書への追加
IF法による診断:速歩馬はCalvadosで、乗用馬はManche(2厩舎)で、その他のウマはCalvadosでそれぞれ発生した。
馬ヘルペスウイルス感染症(呼吸器型)−
血清学検査による診断
サラブレッド種:Calvados、MayenneおよびOise(5厩舎)で発生した。
非サラブレッド種:速歩馬にCalvados、Val de MarneおよびVal dユOiseで発生した。乗用馬にCalvados
、Eure-et-Loire、Ille et Vilaine、Loire Atlantique、Manche、Nord(2厩舎)、Sa冢e-et-Loire、Seine-et-MarneおよびYvelines(3厩舎)で発生した。その他のウマはEure-et-Loir、Manche、Seine-et-Marne、YvelinesおよびEssonneで発生した。
馬伝染性貧血−非サラブレッド種が感染した。Varのプライマリー・センターにおいて、53頭中36頭が殺処分された。セカンダリー・センター5ヶ所(Varに3ヶ所、VaucluseおよびAlpes
de Haute-Provenceに1ヶ所)においては、検査59頭中7頭が陽性、6頭が殺処分された。また、疫学的に関係を有する38牧場(Var31ヶ所、Vaucluse4ヶ所、B冰ches-due-Rh冢e、Bas-RhinおよびAlpes
de Haute-Provenceそれぞれ1ヶ所)、約520頭を対象とした検査が実施された。
馬ピロプラズマ病−フランス南部の風土病である。
ドイツ
馬ヘルペスウイルス感染症(EHV-1)−2000年4月1日に発生し、最終報告は4月24日であった。TVハノーバー研究所において診断された。発生は限局的であり、3施設4頭のサラブレッド種繁殖牝馬が感染した。
香港
「食欲不振/発熱症候群」−
2000年4月17日から5月15日の間、シャティン競馬場の調教厩舎25棟のうち概ね22棟に繋養されていたサラブレッド種競走馬133頭に食欲不振、31頭に僅かな体温上昇が認められた。総繋養頭数は1,033頭であり、異常例はそれぞれ13%および3%に相当した。
同期間中に、地方の乗馬学校9校中6校の54頭に食欲不振、18頭に僅かな体温上昇が認められた。乗馬学校に繋養されている引退競走馬、乗用馬およびポニーなどの総頭数は483頭であり、異常例はそれぞれ11%および4%に相当した。競走馬および乗馬学校繋養馬の両方において、同様の症例が数例継発したが、臨床症状は軽微であり、食欲不振および発熱のみが観察・報告された。感染馬は1〜2日以内に通常の食欲を回復し、体温も平熱に戻った。香港においては念のため一時的な移動制限が講じられたが、現在は解除されている。
感染馬の鼻咽頭スワブから採取された材料の初代培養においては、馬ヘルペスウイルス-1型の関与が示唆されたが、再検査およびペア血清の検査では確認できなかった。香港大学微生物学部、イギリス・ニューマーケットのアニマル・ヘルス・トラストの2ヶ所において実施された検査から、原因微生物を特定することは困難であった。ペア血清のうち数例から馬ライノウイルスおよびアデノウイルスの活性が認められており、現在も調査が継続されている。
馬ピロプラズマ病−
前回の報告書において、1999年1月、馬バベシア症の抗体陽性馬が摘発されずに、南アフリカから香港へ輸入された事例、その後2000年3月にオーストラリアに輸出された事例を詳しく報告した。この原因は、南アフリカにおける当該馬の輸出検査時の補体結合反応(CFT)の結果が陰性であったこと、オーストラリア向けの輸出検査において抗体陽性を見逃したためと判明した。その後、香港のすべての繋養馬を対象とし、馬ピロプラズマ病(B.equiおよびB.caballi)に対する間接蛍光抗体検査(IFAT)を実施したが、いずれも陰性であった。検査は、イギリスのウエイブリッジにある獣医学研究機関、および南アフリカ共和国Onderstepoortの獣医学研究所の両機関において実施された。香港の繋養馬からダニは発見されていない。また、馬関係施設と設備の調査(継続中の)において、乗馬学校1ヶ校周辺の植物から1件、クリイロコイタマダニ(=
the Brown Dog Tick)が同定されているのみである。このことから、香港への輸入馬に対しては、輸送前に殺虫剤の使用が必須である。
現在、香港への永久輸入馬において、輸出国の馬ピロプラズマ病の無病証明が得られない場合、IFAT法による検査が陰性である必要がある。また、香港への一時的輸入馬が輸出国で無病証明されない場合は、IFAT法による検査を受ける必要があり、抗体陽性の場合は香港滞在中、厳格な手続きと獣医学的監視がなされる。滞留期間中、一時的輸入馬は防虫処理された隔離厩舎に繋養される。
血清学的B.equi陽性馬が、感染源とならずに1年間にわたり飼養群と同居した事実は、ピロプラズマ病の抗体陽性馬が香港へ「一時」輸入された危険性が、厳然として存在することを示唆している。
馬原虫性脊髄脳炎(EPM)−1999年10月6日にアメリカ合衆国から輸入された4歳のサラブレッドの牡馬が、重度の運動失調とdysmetria(測定障害)のため、12月14日に殺処分された。血清および脳脊髄液のウエスタンブロット法では、EPM陽性と判定されたが、PCR法ではEPM陰性であった(エクイン・バイオ診断学、ケンタッキー大学)。病理組織学的所見はEPMのそれと一致しており、リンパ性脊髄炎を示した。
アイルランド共和国
アイリッシュ・エクワイン・センターにおいて診断された。
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−ウイルス分離により診断された。発生は限局的であり、4施設4頭のサラブレッド種が感染した(第1四半期−2月に2例、第2四半期−5月に1例、6月に1例)。
ロタウイルス感染症(仔馬)−凝集反応により、15施設のサラブレッド種28頭の感染が確認された(第1四半期−4施設6例、第2四半期−11施設22例)。
腺液−S.equiの分離により、11施設26頭の感染が確認された。
サルモネラ感染症−3施設3頭の感染が、菌分離により確認されたが、型は同定されていない。
イタリア
報告が未着であった
日本
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−2000年4月21日に発生し、最終報告は4月23日であった。2施設3頭の繁殖牝馬が感染した。
馬伝染性子宮炎−繁殖牝馬1頭が感染し、PCR法および菌分離により診断された。
オランダ
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−少頭数の繋養牧場において、数例の流産と脆弱産駒がみられた。ワクチン接種歴は不明である。
ニュージーランド
報告事項なし
ノルウエー
報告が未着であった
シンガポール
報告事項なし
南アフリカ共和国
報告が未着であった
スウェーデン
腺疫−20施設で感染が確認され、すべての施設が隔離された。症状は軽度であった。
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−2施設で感染が確認され、隔離された。
馬インフルエンザ−4施設で感染が確認されたが、症状は軽度であった。すべての施設が隔離された。
スイス
馬ヘルペスウイルス1型−届出3件のみであり、通常の発生数であった。なお、第1四半期に報告した麻痺例に関連する死亡あるいは問題は皆無であった。
馬ヘルペスウイルス3型(媾疹)−届出2件。農耕馬(Freiberger種)に典型的な臨床症状がみられた。
馬インフルエンザ−届出8件。Jura(フランスとドイツに接するスイス国境沿いの北西地域)で3月末に発生し、Freiberger種約200頭が感染した。この種のウマはワクチンが接種されていないことが多く、感染は重篤であったと報告されているが、蔓延はみられなかった。これは、これらのウマが農作業用として農家に飼育されており、移動しなかったことによると考えられる。ロンドンのWHO研究所において、A/equine-2/Sussex/89、A/equine-2/Newmarket/2/93およびA/equine-2/Italy/3142-14/99
(モEuropean-likeモ株)のウイルス型が同定された。
腺疫−届出1件のみであった。
馬ピロプラズマ病−臨床例2件(B.equiおよびB.caballi)と6例に血清学的所見(B.equi1例、B.caballi
2例、B.equiおよびcaballi3例)がみられた。
リケッチア病−臨床症例の届出2件であった。
トルコ
○第1四半期○
馬インフルエンザ−1985年以来、馬インフルエンザの発生は全く確認されていなかったが、2000年冬の競馬シーズンにイーズミーアとアダナで発生した。イーズミーアでは2000年1月、総頭数1、000頭の約25%が感染し、競馬場の診療所に搬入された重症例は3%であった。症状は発熱、食欲不振および咳であり、休養および対症療法を実施した結果、すべてのウマが10日から20日後に回復した。アダナでは2000年1月〜2月、総頭数950頭の約70%が感染し、約12%(115頭)が診療所に搬入された。症状、治療法、回復期間などはイーズミーアと概ね同様であった。ニューマーケットのアニマル・ヘルス・トラストにおいて血清学検査が実施され、A/equine-2ウイルス感染の可能性が示唆された。ウイルスは、ヨーロッパ・ディセンバー・ブリーディング・ストック・セール後に、幼駒を介してトルコに運ばれたと考えられる。馬インフルエンザワクチン接種が義務付けられているが、供用されたワクチンにA/equine-2株は含まれておらず、現在ワクチン株を改良中である。
馬鼻肺炎(馬ヘルペスウイルス)−散発的に発生し、ワクチン接種が勧告された。
馬ウイルス性動脈炎−臨床例は確認も報告もされていない。1998年に1,400頭を検査したが、血清学的に陽性を示した牝馬は5頭であり、陽性種牡馬は認められなかった。輸入繁殖牝馬は、輸入に際して検査を実施している。
鼻疽−特定地域で発生している(Veterinary Record1999,144:10,255-258「トルコにおける馬鼻疽」参照)。本年新たに「国家鼻疽摘発および撲滅計画」が実施されている(詳細は、添付書類)。
狂犬病−散発的に発生しているが、ウマの症例は記録されていない。
馬伝染性子宮炎−1996年に2例の記録がみられるが、それ以後の報告はない。
馬ピロプラズマ病−一部の地域では風土病となっているが、サラブレッド種競走馬および繁殖牝馬の臨床記録は稀である。
○第2四半期○
馬ヘルペスウイルス3型−4月、サラブレッド種牡馬の媾疹例が報告されたが、症状は速やかに緩和され、蔓延しなかった。
鼻疽−摘発検査および撲滅計画が実施されており、血統登録馬に血清検査(CFテスト)、他の馬科動物にはマレイン検査が適応されている。
馬ピロプラズマ病−一部の地域で風土病となっているが、サラブレッド競走馬、繁殖牝馬に臨床例の報告はみられない。
アラブ首長国連邦
腺疫−Streptococcus equi、5月中旬に発生して続発中である。ドバイ中央獣医学研究所で診断された。発生は限局的であり、1施設12頭の非サラブレッド種が感染した。5月中旬に4頭が特徴的な腺疫の症状を示し、その後に他のウマもStreptcoccus
equi陽性と診断された。汚染施設は移動制限が課され、疑わしい馬は隔離された。鼻咽頭スワブ検査が継続されているが、6月中旬以降、新たな発症例は摘発されていない。
白癬症−感染例が散発的にみられた。
イギリス
馬インフルエンザ−
5月中旬に発生して2週間継続した。ELISA法および鶏卵接種法によるウイルス分離により、診断された。アニマル・ヘルス・トラストにおけるPCR検査により、A1/equine-2(H3N8)モEuropean-likeモ株と同定された。発生は広範囲に及んだが、臨床症状は軽度であった。ある牧場においては約70頭の繁殖牝馬、サラブレッド種および非サラブレッド種が感染した。ワクチン接種馬と未接種馬が混在しており、多くの未接種馬が感染したが、接種馬の感染はみられなかった。また、中部地方の繁殖・生産牧場においては、呼吸器症状が短期間内に蔓延した(150頭)。感染牝馬および産駒は、主に発熱を特徴とする典型的なインフルエンザの症状を呈した。ここでもワクチン未接種馬が感染した。この発生は、イングランド北部からワクチン未接種馬が到着した後に始まった。
5月18日に発生し、最終報告は5月22日であった。アニマル・ヘルス・トラストにおける抗体の陽転により、A/equine-2株と診断された。発生は限局的であり、1施設6頭の繁殖牝馬が感染した。症状は顕著な眼脂、粘液性の化膿性鼻汁、乾性咳嗽および軽度のうつ状態であった。感染牝馬および産駒は、いずれもワクチン未接種馬であった。発症馬と接触したワクチン接種牝馬とその産駒に、発症は認められなかった。
5月19日に1例(サラブレッド種)が発生し、アニマル・ヘルス・トラストにおける抗体の陽転により、A/equine-2株と診断された。同馬は3月にワクチン接種済みであったが、競馬開催から帰厩後に、鼻水と発熱の急性症状を呈したため、直ちに隔離された。感染の拡大は、現在までのところ確認されていない。
馬ヘルペスウイルス(流産型)−
4月4日、非サラブレッド種6歳牝馬(1例)に発生し、9.5〜10ヶ月で流産した。この牝馬はワクチン未接種であり、アニマル・ヘルス・トラストにおける胎児組織および胎盤の組織病理学検査で認められた特徴的病変により診断された。
4月14日、非サラブレッド種(1例)に発生し、妊娠9ヶ月で流産した。アニマル・ヘルス・トラストにおける胎児組織のPCR法により、EHV-1型と診断された。なお、接触馬に臨床症状は認められなかった。
5月4日、サラブレッド種(1例)に発生した。アニマル・ヘルス・トラストにおける胎児組織のPCR法により、EHV-4型と診断された。
馬ヘルペスウイルス(麻痺型)−6月1日非サラブレッド種(1例)に発生した。アニマル・ヘルス・トラストにおける血清学検査により、診断された。EHVワクチンは未接種であり、臨床症状は運動失調および後躯麻痺であったが、緩やかに回復した。接触馬の感染は、血清学的に認められていない。
馬ヘルペスウイルス3型(媾疹)−6月21日に発生、アニマル・ヘルス・トラストにおいて血清学的に診断された。発生は限局的であり、1施設の非サラブレッド種3頭が感染した。牝馬1頭の会陰部に水胞が確認された。他2頭(牝馬および種牡馬)には症状が認められていなかったが、血清学検査により感染が示唆された。
腺疫−Streptococcus equi、アニマル・ヘルス・トラストにおける菌分離により、診断された。非サラブレッド種群の風土病である。
アメリカ合衆国
東部馬脳炎(EEE)−5月、カリフォルニアにおいて2歳のショーホース(1頭)がEEEと診断された。
馬ヘルペスウイルス1型(流産型)−本年の繁殖シーズン中に、ケンタッキー中部の16牧場においてサラブレッド種牝馬27例の発症が確認された。すべてワクチン接種馬であり、3牧場では複数の流産(それぞれ9例、3例、2例)が確認された。
馬ウイルス性動脈炎−3月にケンタッキー中部の牧場で発生して以来、新たな発生は報告されていない。発生は2月の3歳牝馬の導入によるものと推測されているが、未確認である。
腺疫−ケンタッキー中部のboarding farmにおいて、サラブレッド種牝馬および産駒に発生した。
西ナイルウイルス感染症−東部数州で実施された広範な野外調査の結果、北東部で数羽の鳥が西ナイルウイルス感染により死亡していることが確認された。第2四半期では、ヒトあるいはウマの感染例は報告されていない。また、この期間内に蚊からウイルスが分離された報告もみられない。
インターナショナル・コレイティング・センター
(次頁からの2枚、トルコからの添付書類あり)
添付書類
トルコにおける馬疾病防疫計画と検疫手続
国境線が長いことに加え、活動馬の総数が多いことから、トルコの動物疾病当局がウマ科動物の移動規制を実施したり、疾病発生状況を完全に把握することは極めて困難である。
しかし農業省獣医局は、先ごろ国内のウマ科動物の頭数調査および分布状況調査に踏み切った。トルコ・ジョッキー・クラブからの財政援助、O.I.E、欧州連合および獣医委員の協力を得て、農業省は現在次の2つの活動を組織している。すなわち「国家鼻疽摘発および撲滅計画」と「その他の馬伝染性疾病の調査」であり、必要に応じて野外調査と適切な処理が実施されている。
約2,000人の現場政府獣医官および国際承認を得ているアンカラのEtlik研究所員を総動員し、総頭数約100万頭のうち、約40万頭のウマ、ロバおよびラバを対象とし、今後数ヶ月間にわたり鼻疽の摘発検査を実施する。陽性馬は殺処分され、畜主に補償金が支払われる。初回検査に続いて、同プログラムにより汚染地域のウマを、再検査・再判定し、最終的には国内のすべてのウマを対象とする予定である。血統登録されている競走馬および繁殖牝馬に対してはCF検査、その他のウマに対してはマレイン検査が実施される。同時に、非血統登録馬はマレイン検査前に血清分離し、これをウマ血清バンクに保存して他の疾病検査に供する。国際機関の勧告に基づき、研究所の検査技術の確認および評価を目的とし、血清の一部は海外の承認済み研究所に提出されることになる。
調査対象となる馬伝染性疾病には、次のものが含まれる:
* アフリカ馬疫(ロバ、若干のウマ、東部地区)
* 馬伝染性貧血
* 媾疹
* 馬ウイルス性動脈炎
陽性馬に対しては殺処分(飼主への補償を実施)、疾病予防措置(必要に応じワクチン接種)あるいは再検査の手続が行なわれる。
血統登録馬には、他の軽微な疾病に対して血清学的検査あるいはワクチン抗体価の判定を実施する予定である。血清は将来の再検査あるいは未発生の疾病などの確認を目的とし、バンクに保存管理される。
その他の整備または維持されるべき手続
・国際的に指定されている馬疾病については、届出および国際機関への通知を義務付けること。
・その際にはウマの国内移動が制限され、厳重な管理下におかれること。
・馬インフルエンザおよび馬ヘルペスウイルスの効果的かつ強制力のあるワクチン接種計画が、血統登録競走馬および繁殖馬群に対して実施されること。また、その他の疾病のワクチン接種が必要に応じて勧告されること。
・輸出および輸入検疫を必要に応じて実施すること。
・輸出検疫証明が有効であり、かつ正確に処理されること。
・馬疾病の公表および告示は、農業省を経由して実行されること。
・馬疾病の発生状況および死亡率などに関しては国内への報告システムを活用すること。
R JL ウイリアムソンBVSc(Syd) MRCVS
獣医学コンサルタント−トルコ・ジョッキークラブ